衆議院の予算委員会で6日から、平成11年度第2次補正予算案に対する総括質疑がはじまった。民主党から菅直人政調会長と横路孝弘副代表・予算決算担当ネクスト大臣が質問にたった。
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菅政調会長はまず、神奈川県警で相次ぐ不祥事問題を取り上げ、国家公安委員長の責任をただした。小渕首相は「現委員長のもとで再発防止につとめることが責任を全うすることになる」、保利国家公安委員長は「今後の警察行政を規律正しいものにしていくことが責任の取り方」と答えたが、菅政調会長は「通信傍受法案(盗聴法)審議の時にこんな問題が明らかになっていたら、法案は通らなかったはず」と、意図的な情報隠しの可能性を指摘した。
続いて、菅政調会長は「衆院の定数削減が成立しなければ自由党は政権を離脱するのか」と迫ったのに対し、自由党の二階運輸相は「残り少ない会期だが、必ず成立すると確信している」と答弁。菅政調会長は「結局玉虫色ではないか。介護保険のときもそうだった。出来なかったら仕方がない、では政策合意なき野合政権だ」と批判した。
政治家個人への企業団体献金を禁止する政治資金規正法改正案の提出に関連して、菅政調会長は「森喜朗自民党幹事長は、『党の支部をもっと細分化して献金の窓口にすれば、そこから個人後援会に移せば同じ』と発言した。このような抜け穴を認めるのか」と小渕首相の見解をただしたが、首相は「党で検討しており、いま結論を言うことは不可能だ」などリーダーシップの感じられない答弁を繰り返した。
菅政調会長は、一時国有化されている日本長期信用銀行(長銀)が、97年9月末と98年3月末の決算を粉飾し、違法に配当していたとして、旧経営陣に約127億円の損害賠償を求める動きがあることに関連し、「粉飾決算の対象となっている97年に自民党が長銀が受け取っている1848万円の政治献金は、粉飾が明らかになれば返却すべきではないか」とただした。しかし小渕首相は「調査の上、判断すべきこと」「当時としては適法だった」などと繰り返すばかり。はっきりしない答弁に菅政調会長は業を煮やし、審議を何度もストップさせた。
宮沢蔵相は「粉飾が明らかになっても、配当がすべて回収される理屈はない」と筋違いの反論をしたが、菅政調会長は「配当をもらった人の長銀株は全部紙切れになった。一株主への配当と自民党への献金を同じにして、国民は納得するのか」とすかさず逆襲。小渕首相は「国民の理解を求めるよう適切に対処する」と答えるだけだった。菅政調会長は「かつて自民党は金融界からの借金を献金で返済した経緯がある。破綻した銀行の献金をすべて返すことになっては大変だから、首相は(必ず返すとは)言いづらいのだろう」と皮肉まじりに批判した。
最後に菅政調会長は、沖縄の米軍普天間飛行場の移設に関して、「稲嶺知事が求める『米軍の使用期限15年』について政府はどういう立場か」とただしたが、小渕首相は「種々の要素から総合的に判断したい」「知事の意向と名護市長の判断をふまえて判断する」などと政府の責任をぼかしたあいまいな答弁に終始した。
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