続いて質問に立った今井澄議員は、まず「官僚は前例主義で責任をとらない。今の時代は政治主導でなければ改革はできない」と前置きしながら、「みんなで議論し積み上げたことを一部の政治家が勝手に変えてもよいと、政治主導を勘違いしている政治家がいる」と自民党の亀井政調会長の一連の言動を批判。「今回の介護保険の見直しは悪しき政治主導の典型だ」と述べ、質問に入った。
今井議員は、「財源を保険方式としたのは負担と給付の関係が明確だから。半年間の徴収凍結はあくまでも経過的な激変緩和措置」との丹羽厚相の答弁を確認した上で、「1年後からは原則通り保険料徴収をするのか」と迫り、丹羽厚相は「当然のこと」、小渕首相は「3党の要請により決まったこと」、二階運輸相「3党で合意した」だと答弁。さらに今井議員は「ある自由党の幹部は、『これは突破口。将来は税方式で保険料は取らない』と主張している」と問いただすと、二階運輸相は「自由党のあらゆる議員の発言に責任を負う立場にない」と言い逃れたが、3党の思惑の違いが改めて浮き彫りにされた。
今井議員は、「保険制度である以上、なんとか保険料を取りたいという自治体もある。来年4月から半額で2年間徴収しても、残りを政府が支給しても総額は同じではないか」と尋ねたが、丹羽厚相は「特例交付金は最初の半年間だけが対象」と突っぱねた。これに対し、今井議員は「保険料徴収は自治事務であるはず。方法まで市町村に指図するのは地方分権法の精神に違反する」と批判した。小渕首相は「徴収は市町村の自治事務であり、臨時特例交付金の交付で徴収方法を強制できるものではない」と答弁書を棒読みするだけで、何を議論しているのか理解していない様子だった。
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