トップ > ニュース
ニュース
ニュース
1998/08/27
衆院・金融安定化特別委員会で論戦/政府案の矛盾、野党案のメリットをアピール
記事を印刷する

 衆議院の金融安定化特別委員会は27日から審議に入った。長銀への公的支援問題の集中審議を行った27日は、民主党から仙谷由人企画委員長、海江田万里国際交流本部長が質問に立った。また、政府の金融安定化関連法案の審議を行った28日には中野寛成代表代行、池田元久党金融再生法案策定チーム主査、枝野幸男政調筆頭副会長が政府・自民党へ論戦を挑んだ。

●仙谷議員/長銀への公的資金1千億円超の評価損
 仙谷由人議員は「今年3月の資本注入で、1766億円の公的資金で買い取った長銀の優先株、劣後債は、株価の下落によって1370億円の評価損を出している」と指摘。さらに「国民の税金を資本注入の形ですでに受け入れているにも関わらず、3月期決算で株主に配当している」と、長銀への税金投入は国民の理解を得られないことを強調した。また、「公的資金を投入する前に早期是正措置が必要ではないか」と、金融監督庁の対応の遅れを叱責した。

●海江田議員/「後からまた公的支援必要に?」
 海江田万里議員は「長銀はリストラ案で7500億円の不良債権を9月期に償却すると言っているが、この中に長銀が債権放棄を表明している日本リース以外の系列ノンバンクの債権は含まれているのか」と質問。日野金融監督庁長官が「検査中なので答えられない」としたため、海江田議員は「償却分に日本リース以外の関連ノンバンク分が入っていないとすると、また後から公的資金投入の必要が生じるのではないか」と指摘。重ねて情報公開を求めた。

●中野議員/情報開示させるのが政治の責任
 中野寛成議員は「金融ビックバンによって金融業界全体のリストラが必要になっている。情報開示が問題を解く鍵だ」、「国民が知り、納得して協力するという体制ができなければ、総理が『破綻はさせない』と大見得を切れば切るほど滑稽な姿になる」と説いた。宮沢蔵相が「企業が自分の利益のために正しい情報をお客さんに与えるということでなければならない」と答えたため、中野議員は「まさに模範解答だが、それをしないで今日の危機を迎えた。それをやらせることが政治の責任だ」と力説した。

●池田議員/野党案の破綻処理なら混乱避けられる
 池田元久議員は政府案と民主党など3会派の野党案の破綻処理方法を比較し、「(政府案の)営業譲渡の方法では国際的なデフォルト(債務不履行)を起こす。(野党案の)株の取得による一時的な公的管理にすれば何ら問題はない。かつ債務保証の対外的ステートメントを出せば、混乱は避けられる。税金でノンバンクの借金を棒引きするようなこともない」とアピールした。

●枝野議員 税金免れるための権利調整法案
 枝野幸男議員は政府の不動産関連権利調整法案について「事前に調停委員会を作り、当事者間で合意すれば、銀行が債権放棄した分は課税対象にならないというスキーム」と指摘。「今でも民事調停によってできること(債権放棄)に、わざわざこういうスキームを作る理由は、税の軽減を得るための措置ではないか」「しかも非公開の密室行政で、(免税を認める)基準もあいまい」と批判した。

記事を印刷する
▲このページのトップへ
Copyright(C)2024 The Democratic Party of Japan. All Rights reserved.