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1998/09/07
衆院金融特で野党の金融再生法案質疑/「管理された破綻」=国有民営で混乱避ける
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 衆院金融安定化特別委員会は7日、民主党、平和・改革、自由党が共同提案した「金融機能再生緊急措置法案」など金融再生4法案に対する質疑を行った。各党からの質問に対して民主党からは池田元久、枝野幸男、古川元久各提案者が答弁に立った。

 民主党から質問に立った北村哲男議員は「野党案の妥当性は説明し尽くされていると思うが、一般の市民にはまだ疑問があると思う」と前置きし、「一般企業もバブルの後遺症に苦しんでいるのに、なぜ金融機関だけが議論されるのか」「長信銀の役割は20年前に終わったとも言われているが、長銀をなぜ公的資金で救うのか」などの点を挙げた。

 池田提出者は「北拓の例に見られるように、金融機関が破綻すると多くの企業が資金調達できずに連鎖倒産する可能性がある。市場が危険と見なした銀行は公的管理下に置いた方がスムーズに処理できる」「野党案には長銀はもちろん、銀行を救済するスキームは入っていない」と答えた。

 また枝野提出者は「経営に失敗した銀行は市場から退場してもらうしかない。ただし突然の破綻はたいへんな混乱を生じさせるため、『管理された破綻』が重要だ」と述べ、日本経済や特定地域に与える混乱を避けるためには、当該銀行の全株式を国が取得するという野党案が有効であると強調した。

 つづいて質疑に立った海江田万里議員は、ルービン財務長官が宮沢蔵相に対して公的資金による銀行への資本注入を拡大するよう発言したとされる問題で、「衆院決算行政監視委員会の代表団が7月に訪米した際、RTC(整理信託公社)初代総裁らは『米国でも以前、不良銀行と優良銀行の合併を進めたが、より大きな不良銀行を作っただけだった』『公的資金による資本注入は、破綻銀行をつぶさず救済することと批判された』と話していた」と指摘し、「いずれ蔵相に明らかにしていただく」と述べた。

 また、「政府からは大手銀行が破綻した場合の説明がなかった」とする海江田議員の質問に答え、古川提出者は「政府・与党案では、金融管理人が営業譲渡できる銀行を探す時点でデリバティブなどの国際取引に大混乱が起きる。優良な預金者や債務者は他の銀行に移ってしまい、結局、営業譲渡できない不良債権がブリッジバンクにたまることになる」「野党案では国が全株式を買い取るため、郵便局のように国の信用で預金者や債務者は安心して取引を継続できる」と説明し、野党案の現実性を強調した。

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