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1998/09/09
衆院金融特で長銀救済策の矛盾明らかに
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 衆院金融安定化特別委の理事などによる与野党協議会で9日、自民党が金融再生関連法案の修正案を提示したが、野党側は「検討に値する内容は含まれていない」(菅代表)と修正を拒否している。
 9日の金融特では民主党から岩國哲人、吉田公一両議員が政府案、野党案双方への質問に立った。

●岩國哲人議員「長信銀保護は時代遅れ」

 岩國議員は「長銀は戦後復興期の資金調達に役割を果たしたが、その役割は20年前に終わったといわれている。まだ長銀に役割があるという人はいない」として、産業資金調達のために長期信用の金融機関を保護する政策はもはや必要ないと指摘し、宮沢蔵相に対して「長期信用銀行法はいつ廃止するのか」と質問。蔵相は「長信銀が特定の法律で保護されるべきかどうか、検討している」と答えた。

 岩國議員は「日野長官は(長銀と住信の)自主的かつ通常の合併であると繰り返しているが、通常合併になぜ公的資金が必要なのか」と追及。現行の金融安定化特別措置法に基づく資金注入は3人の民間有識者から成る金融危機管理審査委員会で審査されるため、佐々波楊子委員長の見解を求めた。

 佐々波委員長は「審査は申請銀行が審査基準を満たしているかどうかを検討する」と答え、つづけて岩國議員が「金融監督庁の検査が終了していなくても、申請さえあれば審査を開始するのか」と尋ねると、「申請までに監督庁の検査が終了していることを期待する」と、官僚のような答弁を繰り返した。

●吉田(公)議員「情報公開ない民主主義はない」

 つづいて質問に立った吉田公一議員は、まず宮沢蔵相が訪米時にルービン財務長官から現行の金融安定化特別措置法に基づく公的資金枠を拡大するよう要請されたのかどうか、ただした。蔵相は「そういう話は一切出ていない。事務局同士のディスカッションの中で米側から『それで足りるのか』ときかれ、日本側が『これだけあれば大丈夫だろう』と答えたそうだ」と答弁した。

 吉田議員は長銀問題について「国民の税金を使うと言いながら情報は開示できないなんて、議会制民主主義の時代にありえない」と批判。日野金融監督庁長官が「長銀から(公的資金注入の)申請が行われたら国民の理解が得られるよう最大限の努力をしたい」と答えたため、吉田議員は「中小企業は10万円の手形が落ちるかどうかで走り回っているのに、1兆、2兆と国民が分からないうちに国民の税金を使うなんて、民主主義ではない」と断じた。

 吉田議員は金融監督庁に対して、ペーパーカンパニーを含め長銀の貸し付け実態を明らかにするよう要求し、さらに「監督庁の検査結果が出てから、長銀の実態を知り、公的資金を投入するのかしないのか、国会で議論するべきだ」と主張。長銀の自己査定だけで、また金融危機管理審査委員会の審査だけで、資金注入を決めることに反対した。

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