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1998/09/10
参院金融特も始動、長銀頭取ら参考人に
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 参議院の金融問題及び経済活性化に関する特別委員会は10日、長銀問題の参考人質疑を行った。参考人出席したのは、大野木克信・長銀頭取、岡本弘昭・日本リース社長、木村栄二郎・日本ランディック社長、中島省吾・エヌイーディー前社長の4人。衆議院金融安定化特別委員会の法案審議と並行し、参議院でも金融の議論が始まった。

●江田議員 ノンバンク救済に税金、納得しない

 江田五月議員は住信との合併発表の前に、長銀が新聞広告で「金融債も預金と同じように保護される仕組みができております」と書いてワリチョーの募集をしていた点を取り上げ、「預金保険法附則16条は、破綻金融機関を救済合併する場合に公的資金で支援し、その際、金融債も保護するという規定だ」と指摘し、合併が成立しなければ金融債保護が法的に可能なのか不明確であると改めて強調した。

 江田議員はさらに、長銀が3月までの4ヶ月間にランディックに234億円もの追い貸しをしていることについて、「他の金融機関がランディックへの融資を引き上げ始めたので、長銀が肩代わりした。それを今度は債権放棄して国民の税金で埋めるという構図だ。これを仕組んでいたとしたら特別背任だ」と追及。大野木頭取が「その時点ではランディックを助けなければならないと思った」といった説明にとどまったため、「国民は納得しない。聞けば聞くほど、(公的資金投入は)無理だ」と断じた。

●簗瀬進議員 破綻が危機招くとは信じられない

 簗瀬進議員はまず、大野木頭取の説明について「6月は長銀の株価が下がり、確かにターニングポイントであったろうが、市場が仕掛けてきて追い詰められたのではなくて、市場は長銀の実態を知っていて反応しただけ。市場の被害者であるような感覚、護送船団の中で市場から超然としているかのような認識が現在の状況を生んだ」と批判した。

 簗瀬議員は「政府は長銀を破綻させるとシステミック・クライシス(金融システムの危機)が起こると言っているが、それは信じられない」として、(1)預金者は保護されている(2)長銀がメインバンクの企業は444社に過ぎない(3)長銀に代わりうる銀行はある(4)長銀のデリバティブ取引については、決済する段階では大きな影響は想定できない――などの点を指摘した。

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