衆院金融安定化特別委員会は11日も与野党案の審議をつづけ、民主党からは海江田万里、北村哲男両議員が質問に立った。
海江田議員は、日野金融監督庁長官が長銀の債務超過を認めるような答弁をしたと報道された点をただしたが、日野長官は「従前から一貫した答弁をしており、3月の長銀の自己査定、日銀考査の結果をふまえると債務超過に陥っているという証拠は持っていない」と答えた。
海江田議員は長銀の頭取代行が新聞紙上で「第2分類(要注意債権)を20%引き当てすると自己資本を上回ってしまうが、過去の損失率に従って妥当な引当金を積んでいる」と発言していることを取り上げ、「それで足りるのか、公的資金を申請するのなら第2分類引当率を公表させるべき」と主張した。
●与党のサービサー法案は暴力団介入の恐れ
北村哲男議員は与党提出の「債権回収業に関する特別措置法案(サービサー法案)」が、民間の債権回収業者(サービサー)は(1)金融機関の債権(2)クレジットやリース(3)サラ金――を回収できると規定していることについて「ほとんどすべての貸し借りが対象となっている。サラ金業者の取り立てを受ける側の実態は深刻だ。金融機関の債権に限定すれば良いのに、なぜ範囲を広げるのか」と質問。
自民党の杉浦提出者は「中坊さんの住管機構は成果を上げている」などと答弁したが、北村議員は「住管機構は公的サービサー。いま民間サービサーを心待ちにしているのはサラ金だと言われている」と、暴力団介入の恐れがあると指摘した。
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