●早期成立へ努力、公開対象に「特殊法人」など要求
情報公開法の早期成立に向けて、衆参の野党各会派の責任者(法案提出者、委員会理事)は22日、政府案への修正案をまとめ、衆院内閣委員会理事懇談会で与党に提示した。
前国会から継続審議となっている情報公開法案は、政府案、野党案(民主党、平和・改革、自由党)、共産党案の3案が提出されており、衆議院内閣委員会で参考人を招致しての質疑など、精力的な審議が行われている。しかし、政府案と野党案や共産党案の内容には大きな開きがあり、早期成立のためには双方の歩み寄りが不可欠な状況となっていた。
民主党では、9月8日の国対役員会、政調審議会で、早期成立を優先し、政府案の大幅修正を勝ち取れるなら野党案成立を断念することもやむをえないと決断。他の野党各派に協議を呼びかけていた。
野党各会派が合意した修正案は、次の12項目。
(1)法の目的に国民の「知る権利」と「監視と参加」を明記する
(2)公開対象機関に「特殊法人」を加える
(3)個人情報のうち「公務員」の氏名は公開する(政府案では公務員の職種のみ)
(4)法人情報の「非公開特約」を削除する
(5)防衛・外交情報を「不開示情報」にする場合の条件について、「行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある」との文言を削除し、行政の裁量権を制限する。また、「20年経過後の公開(不開示情報からの除外)」を加える
(6)捜査・秩序維持情報の「不開示情報」について上記と同様、「行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある」を削除する
(7)審議会の審議経過など、意思形成過程情報を不開示情報から削除する
(8)手数料のうち「開示請求手数料」を削除し、「開示実施手数料」のみとする。「公益目的」による減免規定を加える
(9)不服申し立て訴訟を地方裁判所でもできるようにする(政府案では東京地裁のみ)
(10)行政文書の管理について「行政文書管理法」の制定を明記する(政府案は政令)
(11)3年後を目途とした見直し条項を加える
(12)情報公開法が不適用とされる対象から「刑事記録」を除外する
全野党理事は22日、修正案を与党に提示した後、国会内で記者会見した。民主党からは佐々木秀典、生方幸夫各理事と野党案提出者の北村哲男議員が出席。佐々木議員は「自民党理事も野党の努力に敬意を表するとの反応だった。今国会中成立に向けて、来週中にはメドがつくのではと期待している」と報告した。北村議員は「苦労してまとめた野党案を涙をのんで取り下げる。早期成立を望む」と強調した。
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