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1999/11/05
中小企業基本法案改正案、オウム対策法案、衆院で審議入り
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 衆議院は5日、本会議を開き、今国会の目玉法案である「中小企業基本法案一部改正案」と「無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律案」いわゆるオウム真理教規制法案の趣旨説明と代表質問を行った。

 この国会から政府委員制度が廃止されたため、これまで所管官庁が行っていた野党への法案説明を政務次官が担当することになったが、今日議題になった2法案については、担当の政務次官が閣議決定後に野党への説明を忘れるという失態が起こった。さらに、各党の申し合わせで「野党は質問の2日前に内容を通告する」となっていたが、4日の衆院議院運営委で与党側が翌5日の本会議開催を強行したため、この日の質問は事前通告なしで行われた。

●やる気を起こす自立型中小企業政策を
大畠章宏議員

 「中小企業基本法案」では、民主党から大畠章宏・商工部会長が質問に立った。

 大畠議員は、「中小企業の活力の維持、起業家精神を喚起させることこそ日本経済の再生に求められている最重要課題」だとして、小渕政権でのバラマキ型政策ではなく、「やる気を起こす自立型政策」を中小企業者は求めていると主張した。

 そして、「中小企業は個人の自己実現の場、地域を発展させる場、小回りのきく新しい情報ビジネスや、女性の社会進出にふさわしい場である」と強調。また、産業政策や中小企業政策はさまざまな地方の特色を生かした施策を実行できる環境整備が求められるとして、政府の改正案が中央集権的枠組みにとどまっていることを批判した。

 また大畠議員は、今回の改正案では大規模に近い中堅企業までに対象を拡大したことで、小規模企業の切り捨てにつながるのではないかと懸念を示したのに対し、深谷通産相は「切り捨てではない」と述べたものの具体的な答弁はきかれなかった。

 さらに、大畠議員がベンチャー企業育成のための「エンジェル税制」や、事業承継税制について政府が全く触れていないことをただしたのに対し、宮沢蔵相は、具体的な詰めが遅れていることを認めた上で、エンジェル税制については「適用ケースの拡大がこれから議論になる」と見通しを示し、さらに事業承継税制については、「非上場企業の株価算定評価の適正化を考えていきたい」と述べた。


●オウムに限定する特別立法措置が必要
北村哲男議員

 いわゆる「オウム規制法案」に対しては、北村哲男・党法務部会長が質問した。

 北村議員は、坂本堤弁護士一家殺害事件から前日でちょうど10年がたったことなどに触れながら、これまでのオウム真理教の一連の事件、問題と政府の取り組みを振り返り、政府の対応の鈍さと対応策の必要性を強調した。

 その上で、北村議員は今回提出された政府案について、憲法に定める基本的人権に対するこの法案による制約は、「一般法としては公共の福祉という法理ではとうてい認めることのできない限界を超えている」と指摘し、オウム教団に限定した特別立法とする措置がなお必要であると主張。

 具体的には、(1)5年程度の時限立法とすることで、法律が一人歩きする危険性を排除すべき(2)公安審査委員会ではなく裁判所の判断を介在させ、法の厳格適用、人権の保障に配慮した措置をとるべき――と提案した。

 さらに北村議員は、平成9年のオウム真理教に対する破防法による規制請求で十分に機能しなかった公安調査庁と公安審査委員会に規制の中心的役割を与えることに疑問を呈した。また、観察処分や再発防止処分の要件に「当該団体の無差別的大量殺人行為に及ぶ危険性…」とあるのは、関係当局の恣意による拡大解釈のおそれがあるのではと懸念を示した。

 答弁に立った臼井法相は、時限立法化については「政府としてはそのような考えは持っていないが、十分にご論議いただきたい」と修正に含みを持たせたが、裁判所の関与には「行政庁の処分であるから」として否定的な見解を示した。

関連URL
  (→大畠議員の質問)
 http://www.dpj.or.jp/news/?num=11526
  (→北村議員の質問)
 http://www.dpj.or.jp/news/?num=11525
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