第146回臨時国会は、今週から衆議院の各委員会で、法案審議や各省庁の政策全般についての一般質疑が始まった。9日は、民主党から法務委で福岡宗也、日野市朗両議員、商工委で渋谷修、島津尚純、中山義活各議員、文教委では松沢成文、肥田美代子両議員がそれぞれ質問に立ち、法案の問題点や、自自公連立政権や政治倫理について大臣や政務次官の見解をただした。
明日10日は鳩山由紀夫代表ら野党党首と首相が直接対決するクェスチョン・タイムが午後2時から開かれる。
●「公務がないなら荒れる学校視察を」
政務次官の平日ゴルフを非難=松沢議員
「『自分さえ良ければいい』『ルールを守らない』という人は人から信頼されず、きらわれますよね」――文教委員会で質問に立った民主党ネクストキャビネット(NC)の松沢成文・教育科学技術担当大臣は、文部省が幼児を持つ親のために無料配布している「家庭教育手帳」「家庭教育ノート」の内容を引き合いに出し、企業団体献金禁止の約束を反故にしたり、一度決めた介護保険制度を変更するなど、「国民との約束を破る」政治家の道徳・倫理観について、中曽根文相に見解を求めた。文相はこれに対し、「党と政府の決定に従う」「政治なのだから、その時の状況で判断が変わることがある」などと言い逃れるばかりで、正面から答えようとはしなかった。
松沢議員はさらに、文相の子息が500万円のゴルフ場会員権や過大な定期預金を取得していることを指摘し、「安易にモノを買い与え過ぎると、子どもは欲しいモノを手に入れるために努力したり、工夫できなくなる」と再び家庭教育手帳を読み上げた。文相は「高校生もゴルフをやるし、国体の種目にもなった。妻の名義を書き換えただけで、贈与税は払っている」と弁解したが、松沢議員は「子弟の教育を考えるなら、キャディのバイトをしながら、パブリックコースで練習すべき」「だから国会議員は特殊だと思われる。国民から見るとおかしなことだ」と切り捨てた。
また、松沢議員は小此木八郎文部政務次官が就任後の先月18日に平日ゴルフを行っていたという報道を取り上げ、「政務次官は特別国家公務員。自覚に欠けるのでは」と批判した。小此木政務次官は「国会閉会中であり、公務の予定はなかった。ゴルフをしてもいろいろな意見を聴き、学ぶことはできる。ゴルフは遊びではない」などと開きなおったが、松沢議員は「公務がないのなら荒廃している学校現場などを積極的に視察するべき」と容赦しなかった。
さらに、松沢議員は日本国憲法における国民の権利や私学助成についての文相の見解をただした他、海外留学の際の英語力テストなどに使われるTOEFLの成績で、日本人の平均点が世界208カ国中202位で、アジアでは北朝鮮とともに最下位であることを紹介。「日本の英語教育の失敗を物語っている」と指摘した。そして「英語は今や世界語で、国際会議やインターネットもほとんどが英語だ」として、大学入試でのTOEFLの利用や、政治がリーダシップをとって今後10年を目途に英語を第2公用語とすべきと提言した。
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