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1998/10/06
[参院金融特]江田・直嶋議員が質疑
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●江田五月議員/「法案立派でも総理の運用に懸念」

 金融再生法案を審議している参議院金融問題及び経済活性化に関する特別委員会(金融特)は6日、総括質疑を行い、民主党からは江田五月、直嶋正行両議員が質問に立った。

 江田議員は、与野党3会派の合意に対する評価を問われても意味不明の答弁を繰り返す小渕首相に対して、「3会派で立派な車をつくったのに、運転手がだめでは困る。だめなら代わっていただきたい」と、一国のリーダーとしてスキームを動かす気概を持つように迫ったが、首相は「行政の長として責任を十分に果たしたい」などと紋切り型の答弁に終始。野党委員席からは「首相は内容がわかっているのか」とのヤジまで飛ぶ始末だった。

 また江田議員が新聞紙上で報じられた大手19行の自己資本比率がいずれも8%を上回っていることを取り上げ、宮沢蔵相が「中間決算の数字が出ていない段階だが、一般的にはそういう姿だとは思いにくい」と述べたのを受けて、「事態が全く不透明で、このままでは説明責任を果たせない」として、金融監督庁に対して検査結果の発表時期を尋ねた。これに対して日野長官は「長銀など9行はすでに終了しており、取りまとめ、精査中。検査は当該機関への通知をもって終了するので、そう遠くない時期に終わる」とこれまでの答弁を繰り返した。江田議員は「総理自ら決断し、早く結果を出すように促せ」と求め、首相も「急がせるよう努力する」と答えた。


●直嶋正行議員/「資金注入すれば貸し渋り解消」は幻想

 直嶋正行議員は「金融再生法案が成立すれば金融機能安定化法による13兆円の公的資金枠は廃止されるが、すでに3月、この枠から1.8兆円が大手銀行の優先株購入に投入されている。現在、与野党間で協議中の早期健全化スキームの議論にも役立てるため、3月の資本注入にどんな効果があったのか総括するべき」と、政府見解をただした。

 宮沢蔵相は「(1.8兆円の投入によって)金融システムの危機は回避された。当時、副次的効果として貸し渋りも改善されるのではないかと言われていたが、改善されなかった」と答えた。

 直嶋議員は「副次的と言うが、与党幹部は貸し渋り対策と宣伝していた」と指摘。さらに、「当初は上位何行かは公的資金は必要ないと表明していたのに、結果的に横並びの注入となった裏には与党の圧力があった」という経過にも触れ、「金融システム安定化のために作られたスキームだが、結局、運用段階で別の使われ方をし、海外から見ると日本の銀行は全部まとめて(公的資金を必要とする銀行と)見られた」と政府・与党のやり方を批判した。

 宮沢蔵相は「各行の自己査定をそのままのんで、(横並びの注入をしたことは)行政がルーズというのは私も反省するところ」と、3月の公的資金注入の失敗を一部認めた。

 直嶋議員が公的資金の位置づけを問い、法案提案者として答弁した民主党の枝野幸男衆院議員は「預金者保護に公的資金を使うことは当然だが、貸し渋り対策としては本当に効果があるのか考えるべき。蔵相は3月の投入でシステムの危機を乗り越えたと言うが、大手銀行の3月期決算書は軒並み自己資本比率8%を超えていた。その一方、システムの危機があって公的資金投入が必要だというのは二枚舌」と指摘。公的資金を使う以上、決算はじめ経営情報の開示が必要と主張した。

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