衆議院大蔵委員会では10日、民主党ネクストキャビネットの岡田克也財政・金融担当大臣が質問に立った。
岡田議員は、長く日本の財政金融の責任ある立場にあった宮沢蔵相に「現在の日本のこういう金融の状況はどこで失敗し現在のような状況になったのか」と、認識をただした。蔵相は「プラザ合意以降の日本通貨の上昇、それからくる日本経済の変貌、バブルがありバストがありという中で、金融機関が苦労をしてこなかった」「国際化の波が押し寄せてこない中、護送船団行政に甘んじていた。大蔵省の金融行政にも問題がある」と述べた。
岡田議員は「プラザ合意以前から、すべて大蔵省の一存で決まり、自己責任やリスクの感覚がなくなった。護送船団方式の影響が強い」と指摘。蔵相も「護送船団方式に守られ、のほほんとしていた」と非を認めた。
そこで岡田議員は、宮沢蔵相の92年の自民党セミナーでの発言をとらえ、「当時から不良債権問題の深刻さについて十二分に認識していたのにもかかわらず、なぜ実態を明らかにし、対応できなかったのか」と批判した。蔵相は「私にその資質がなかったとしか言えない。産業界にも金融救済に嫌悪感があったし、役人にも余計なことを総理大臣にはしてほしくないという雰囲気があった」と弁解。岡田議員は「その時の一番力の持っていた宮沢総理が本気になればできたのではと言う気がしてしかたがない」と、宮沢蔵相を責めた。
また岡田議員は、越智道雄金融再生委員長が93年の予算委員会で当時の石田幸四郎総務庁長官に公明党と創価学会の政教分離問題を攻撃していたことを指摘し、「宗教団体が政治に対して口を出すことも含めて政教分離に反すると考えるのか」とただした。
越智委員長は「私は政治と宗教は、どっちがどっちに影響力を行使することも好ましくないとの政治的信念を持っている」と述べたが、岡田議員は「それは、『政教分離とは政治が宗教へ介入することを禁じているのであり、その逆ではない』との、先日の小渕首相の答弁とは矛盾する」と指摘した。
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