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1998/10/15
JR負担強制する旧国鉄債務処理法案成立/川橋幸子参院議員が反対討論
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 旧国鉄と国有林野の債務処理法案は、15日の参議院本会議で、JR負担を半減する政府修正案が自民、自由、社民などの賛成多数で可決され、成立した。民主党・新緑風会と公明が提出したJR負担を削除する修正案は前日の委員会で否決された。
参議院本会議で反対討論に立った民主党・新緑風会の川橋幸子議員はまず、「国鉄長期債務、国有林野事業の累積債務は国が関わって生じさせた『不良債権』であり、処理の過程で鉄道事業、林野事業の再生を図らなければならない。処理のルールを明確にし、政府・行政が国民の信頼を失い『政治のモラル・ハザード』を起こすようなことになってはならない」と原則を強く主張した。

 川橋議員は「国鉄長期債務が28兆円もの巨額に膨れ上がってしまったことには、バブル崩壊後も手を打ってこなかった運輸省、大蔵省の『問題先送り体質』、政府・与党の『責任逃れ体質』、さらに旧国鉄時代に『我田引鉄』と言われたように不採算路線を引いた『政治の責任』が大きく加担した」と指摘。「政府・与党の愚かさ、醜さが政治不信を生み、おカネのツケにとどまらず、日本の民主主義にとって『高い代償』となっている」と述べた。

 債務処理スキームについては、(1)年金負担金にJR追加負担を求めたことは契約違反、信義則違反、憲法違反という、法治国家としてあるまじきルール違反(2)利払い費の財源が国鉄債務とは無縁の郵貯特別会計、たばこ特別税に求められている(3)元本償還の財源措置に触れていない――と問題点を挙げた。

 国有林野関連法案については、森林法改正は森林の公益的機能を打ち出したことを評価し、賛成を表明。累積債務処理関連法案については、(1)3・8兆円のうち2・8兆円を一般会計によって処理することは是とするが、残る1兆円を国有林に残すことは抜本改革にならない(2)職員数削減、民間委託を拙速に行うことは山を荒らす結果になる――との理由から反対した。

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