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1998/10/16
額賀防衛庁長官の問責決議を可決
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●角田義一参院幹事長「決議の重み受けとめ即刻辞任を」

 国会会期末の16日、参議院本会議は額賀福志郎防衛庁長官の問責決議案を、賛成140、反対103で可決。閣僚に対する問責決議が可決されたのは現行憲法下では初めて。

 決議案を共同提出した民主党・新緑風会、公明、自由党を代表し、民主党の角田義一参議院幹事長が提案と趣旨説明を行った。

 角田議員はまず、提案理由を朗読し、(1)額賀長官は就任以来、防衛庁の不祥事にあたって指導力を発揮することなく、国民の不信を招き、国際的信用を失墜させた(2)内部調査を官僚組織任せにし、積極的に行動しない長官は不適格(3)国会で抽象的な発言を繰り返し、14日公表の中間報告も納得を得られない(4)何十億、何百億の払わなくてもよい国民の血税を無駄に使った事件は就任前であったとはいえ、監督責任、道義的責任、結果責任が問われるのは当然――の4点であると示した。

 提案理由説明では「防衛産業による過大請求に関する情報は、すでに5年前から調達実施本部にもたらされていたにも関わらず、昨年9月に新聞報道されるまで防衛庁は事実を公表しなかった」と防衛庁の秘密主義の体質を指摘。さらに返還額を圧縮する見返りに天下りを要求していたことや、今年7月、東京地検に提出した上申書では返還額算定を正当化しておきながら、起訴によって上申書を撤回したことなどを挙げ、「重大な問題であり、防衛庁だけでなく内閣全体の問題」と主張した。

 額賀長官就任後、返還額圧縮などに関わる資料の証拠隠滅工作が組織的に行われていたことについては「国民の生命・身体・財産を防衛すべき防衛庁が、自らの防衛に奔走する、まさに組織ぐるみの犯罪であり、開いた口がふさがらない」と非難。「額賀長官は証拠隠滅を行った当の官房長を内部の調査委員会の委員長とするなど、ことの重大性を本当に認識しているのか」と、責任感の欠如を批判した。

 角田議員は最後に「わが国が未曾有の経済・財政危機のまっただ中にあるときに、国民を守るどころか、国民の税金を無駄に使い、その事実をひたすら隠そうとする。国民無視、国民不在、国民を冒涜した行為が許されるのか」と述べ、「国民の信頼を回復し、政治の責任を明確にするため、額賀防衛庁長官を問責する」と結んだ。

 また、本会議終了後、記者会見した角田幹事長は「額賀長官、小渕総理は院の決議の重みを受けとめ、即刻辞める、あるいは辞めさせるべきだ」と語った。「辞任しない場合は、参議院議長に政府申し入れをしていただくなどの事態にもなりかねない」として、「可決された以上、与野党関係なく院の意思だ」と指摘した。額賀長官の閉会中審議への出席を認めない立場も強調した。

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