「金融機能早期健全化のための緊急措置法案」は、16日の参議院金融特で、民主党・新緑風会提出の法案が否決され、自民党、平和・改革、自由党の衆院3会派提出法案が可決された。同日の参議院本会議で同3会派案が可決・成立した。同法によって設置される25兆円の「金融早期健全化勘定」、金融再生法による18兆円の「金融再生勘定」などを含む補正予算も成立した。
●千葉景子議員が反対討論
「近い将来、民主党案が必要とされる」
民主党・新緑風会の千葉景子参議院議員は16日の本会議で、自民党、平和・改革、自由党の衆院3会派提出の「金融機能早期健全化のための緊急措置法案」に反対する討論に立った。
千葉議員は「自民党など3会派案は金融危機管理のかなめである資産査定や引当て基準、有価証券評価方法を金融監督庁と銀行業界の談合に委ね、不良債権処理をずさんな銀行経営者に任せきりにする極めて無責任な法案」と断じた。「不良債権は時間の経過とともに増殖するものであり、今回の資本注入である程度減っても数年後にはまた戻ってしまうことは明白。一括処理しなければ永遠になくならない」と指摘し、「3党案はこの肝心かなめの真実に目をつむっている」と批判した。
最後に千葉議員は「我が国金融システムの深い病巣に対する認識と、それを解決するための緊迫感も政治的意志も持たない本法案への賛同者に対して厳しい警告を発したい」と述べ、「その場しのぎ、隠ぺい、先送りの金融行政に終止符を打ち、真実に目を向け、新しい金融システムの下、我が国が国際社会からも信頼を得る道を進もう」「近い将来、民主党の提起が国民からも市場からも必要とされる日が来る」と締めくくった。
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