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1999/11/25
年金法案審議でまたも巨大与党のごり押し 衆院厚生委で明日にも採決強行〜野党側は審議拒否も辞さず
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厚生年金の支給開始年齢を今の60歳から段階的に65歳まで引き上げることなどを柱とした年金制度改革関連法案をめぐって、25日午前に開かれた衆議院厚生委員会の理事会で、江口一雄委員長が一方的に、職権で26日に採決を行うことを宣言した。これに対し、民主党など野党側は「わずか4時間の審議を済ませただけで採決日程を決めることは許されない」と強く反発し、対決姿勢を強めている。

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 この日の公聴会に公述人として出席していた連合の笹森清事務局長は、目の前で委員長が採決日程を宣言したことに対し、「公聴会を冒涜するものだ」として発言を拒否して退席した。

 午後からの衆参両院での本会議を前に、民主党は国会内で緊急の両院議員総会を開き、羽田孜幹事長が「国民にとって非常に重要な年金問題がたった4時間しか審議されていない」と経過を説明。川端達夫国会対策委員長は、「野党国対委員長会談で、強行採決が行われた場合には3野党が一致した行動をとることを決めた」と報告し、北澤俊美参議院国対委員長も「参議院側の野党4会派も共同歩調をとる」と述べた。
 これらの報告を受け、鳩山代表がマイクをとり、「私はこれまで物理的な抵抗には慎重な姿勢だったが、言論の府のルールが守られない場合は、それを取り戻すための断固たる行動をしようじゃないか」と檄を飛ばし、与党の横暴な国会運営に厳しく対峙していく姿勢を示した。

 本会議後、川端国対委員長ら野党3党の国会対策責任者が伊藤衆議院議長に対し、厚生委の採決日程を取り消すよう申し入れた。

 これを受けて、野党3党の国会対策責任者と自民党の古賀誠国対委員長が夕方会談したが、古賀氏は「法案の採決の日程を取り消すことは、委員会の権威に関わることなので応じられない。委員長の決定に瑕疵(かし)はない」などと述べ、物別れに終わった。

 このあと衆議院厚生委員会の理事懇談会が開かれ、民主党の金田誠一、山本孝史両理事など野党側は、あくまでも明日採決をしたいとする与党側に対して、「採決を前提とする話し合いには一切応じない」と反発し、協議は決裂した。
 民主党では、26日に与党側が採決を強行した場合には、今後の衆参本会議と全委員会の審議を拒否するなど、厳しい態度で臨んで、与党側の数による暴挙を国民に広く訴える方針で、他の野党にも同調を呼びかけている。

 鳩山代表と岡崎トミ子参議院議員は、この日夕方から東京・有楽町で行われた連合主催の街頭演説会に参加し、道行く市民に国会の中での自自公の横暴ぶりを訴えた。

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