参議院産業・経済委員会は20日、19日の衆院に引き続き、JCO幹部2名を参考人に、東海村の原子力燃料施設事故に関する質疑を行った。民主党・新緑風会の福山哲郎、郡司彰両議員が政府の対応を中心に厳しく追及を行った。
***
福山議員は、「今回事故を起こした施設に適用されるべき個別安全指針が無く、包括的な基本指針と、基準が甘い別の個別指針を恣意的に併用していた」と、そもそも安全審査がおろそかだったと指摘。また設置が義務化されている臨界警報装置についても、ガンマ線測定装置での代用を認めていたことなど、政府の安全管理がずさんだった点を厳しく追及した。
間宮原子力安全局長は個別安全指針が無かったことを認めながら、「ガンマ線測定装置で対応可能であり、必要最低限の条件は満たしていた」と同じ弁明を繰り返したため、福山議員は「答弁になっていない」と質疑を一時中断。再開後も「許可の際、政府が臨界対策は不要と判断した以上、始めからあったガンマ線測定装置は臨界警報装置の代用になり得ない。矛盾している」とさらに迫ったが、局長の答えは弁明に終始した。
続く郡司議員は、今回の臨界事故にともなう賠償ついて、国の責任でしかるべき処置をとるよう迫ったのに対し、中曽根科学技術庁長官は「事業者の負担能力を超える場合、政府が必要な援助を行う。損害認定の手続きについてもサポートしたい」と前向きな姿勢を示した。
また郡司議員は、「救急車の到着から被爆者の都内移送に時間がかかった。JCOにも対応マニュアルがなかった」と現場作業者の移送が後手に回ったことを指摘したが、間宮局長は被爆者の移送が遅れたことを認めたものの、医療体制の強化については「鋭意進めている」との答弁にとどまった。
|