左)会場風景、右)五十嵐教授
左)北脇議員、右)岡崎知事
|
民主党の地方財政危機対策本部(鳩山由紀夫本部長)の第1回シンポジウム「地方自治体を財政破綻から救え!」が11日、都内で開かれ、国会議員、自治体議員、自治体職員など約200名が集まった。
まず菅代表が「目の前をしのぐことだけを考えて処理してきた結果、国全体のモラルハザードが起きているのではないか。(地方財政問題は)真正面からきちんと取り組みたい」と挨拶。
つづいて鳩山本部長が進行役になり、五十嵐敬喜・法政大学教授と北脇保之副本部長がディスカッション。五十嵐教授は「誰も危機と思ってないことが最大の危機だ」と政治や行政の取り組みの遅れを批判。北脇議員は「国家財政と地方財政が系列化し、がんじがらめになって、自治体が自力で解決できないことも危機感のなさにつながっている」と述べた。
五十嵐教授はさらに、「第三セクターの経営状況が明らかになれば財政危機はより深刻なものになる」と実例を紹介。「自治体議員は財政危機の共犯者にならず、客観的な政策評価の仕方を身につけるべき」「自治体職員も同じテーブルについて人事のルールをつくるべき」などの対策を示した。
後半では、今年9月に「財政非常事態宣言」をした神奈川県の岡崎洋知事が議論に参加。「県税収入のうち、法人二税(法人事業税・県民税)の割合が大きく、その落ち込みが財政を圧迫している」「人件費の比率が全国で際だって高いが、教職員と警察官の定員は国で決めるので、県の裁量では削れない」など、歳出・歳入両面の構造的な問題を紹介した。さらに、岡崎知事は「地方交付税の配布基準は各県の実情に合わせて」「自治体の起債の規定をもっと柔軟にすべき」などを提案した。
最後に田中甲国民運動本部長代理が、地方住民税減税反対や地方への公共事業の押しつけ反対などを盛り込んだ7項目の「緊急アピール」を読み上げ、シンポジウムの幕を閉じた。
|