民主党の政権運営委員会(座長=鹿野道彦・党政治改革本部長)は18日、政権を獲得した場合の組織運営を展望した政権構想「新しい政府の実現のために=転換期に挑む政治的リーダーシップの確立」をまとめ、菅代表に報告書を提出した。
同委員会では9月8日以来11人の議員が27回にわたって議論を重ねてきた。
答申書は、政府、内閣の構造的な問題点として、「内閣と与党の二元構造で責任があいまい」「自民党政権では政権党派閥が内閣人事を拘束し、首相のリーダーシップが制約され、改革先送りの要因となった」などと指摘。政府と政党、国会の関係の抜本的な見直しを掲げ、政権獲得後すぐに現行法の下で行える改革と、その後、内閣法など法改正が必要なものの二段階に分けている。
現行制度の下での改革としては、内閣の強化と与党責任の明確化のため、(1)与党党首、幹事長、政調会長の入閣(2)政党の部会長を兼ねる政務次官による省庁間調整の実現(3)インナーキャビネット設置によるトップダウン的内閣運営−などを行う。
また、法改正を伴う「内閣システムの制度改革」では、内閣を「単なる合議機関ではなく、首相の統轄・指揮監督の下に成立する執政機関」と位置づけ、首相が広く国政を指導できるようにする「統括権」を内閣法を改正して明記する。また首相の指揮監督機能を補佐する「首相府」を置き、その指示の下で省庁間調整に当たる「内閣府」(総理府に相当)をそれぞれ設置する。
さらに、政府の構造改革に挑むためには、政党自体が「政権担当型政党」への発展を遂げなくてはならない、と指摘。そのための課題として、(1)独自の政策形成力及びシンクタンク機能の確保(2)政党の統率力と政党経営能力(マネジメント能力)の確立(3)首相候補者として党首コアチームの形成と運営(4)国民との対話を重視する政党マーケティング力の発揮(5)優れた情報収集力と危機管理システムの形成(6)候補者人材の調達と選挙における政党主導の発揮(7)政権運営能力を培う人材リクルートシステムの整備、の7つをあげ、党自体の自己改革を呼びかけている。
|