民主党は7日、政府の中央省庁改革関連法案の対案として首相府設置法案と内閣府設置法案、内閣法改正案の3法案を衆議院に提出した。
民主党は行政改革の実行や政治課題の解決には、内閣総理大臣や内閣が大胆な政治のリーダーシップを行使して、責任を持って行政をコントロールできるシステムをつくることが第一と主張している。政府案でも、内閣機能の強化がうたわれているが、内閣総理大臣のリーダーシップについては、単に閣議における内閣総理大臣の発議権を明記したに過ぎず、事務次官会議(法的位置づけのない事実上の意思決定機関)、閣議の全会一致制など、官僚支配を裏付ける旧態依然の制度はそのまま残されている。
民主党の内閣法改正案では、内閣総理大臣の大幅な権限の強化を提案している。国民の選挙で選ばれた国会で指名されるただ一人の大臣として、内閣に対する統轄、閣議運営の基本方針の決定、行政の指揮監督、権限疑義の裁定、行政行為の中止権など総理のリーダーシップを法律上明らかにした。
また内閣総理大臣の職務を直接補佐する「首相府」には、政府の基本方針や予算編成大綱の作成などを行う補佐室、秘書室の他、与党等との連絡調整を行う政務室、専門的視点から助言をする政策室、情報収集や発進を担当する報道室を配置する。さらに、国政の重要事項についての基本方針を審議する合議機関を首相の裁量で自由に設置することができる。
内閣をサポートする「内閣府」には、時の課題に柔軟に対応できるように、重要案件の各省連絡調整を行う内閣調整室、情報収集・処理、危機管理の対応を行う情報・危機管理室、予算編成大綱に基づいた予算案を作成する予算編成室、行政全体の評価・監察・見直しを行う行政改革推進室、採用制度などの改善、幹部職員の人事評価などを行う公務員企画室、雇用政策の調整や中央省庁スリム化による雇用対策を担当する雇用政策調整室、人権政策等について調整する男女共同参画・人権政策推進室、法制面から内閣を補佐する内閣法制室--の8室をおく。また、外局として、国家公安委員会、公正取引委員会、人権擁護委員会、防衛庁、金融庁、宮内庁の6機関をおく。
民主党では、官僚主導の政府の行政改革案に対して、政治主導・国民本位の行政改革を実現するために、広くこの法案への賛同を呼びかけていく。
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