衆議院で修正の上可決された地方分権一括法案に対する審議が参議院で14日から始まった。本会議で、民主党・新緑風会から峰崎直樹議員が代表質問に立った。
峰崎議員は機関委任事務の廃止や、国と地方自治体の関係を対等協力関係と位置づけ、自治体事務についての国の包括的な指揮監督権限を廃止したことなど、「法案の基本的な枠組みについては評価に値する」と述べる一方で、「参議院において十分な審議を行い、問題点の解明と残された課題に精力的に取り組む必要がある」と前置きし、本題に入った。
まず峰崎議員は、衆議院でも議論になった、地方自治法改正部分での法定受託事務の定義の中から、地方分権推進委が勧告で用いた「国民の利便性又は事務処理の効率性の観点」という文言が消えて、「国においてその適正な処理を特に確保する必要があるもの」という文言が使われている点に言及。政府のこれまでの説明に疑問を投げかけ、「なぜ『国の果たすべき役割』に関わる事務が、地方の処理する事務となるかがさっぱり分からない」と指摘した。
また、国と地方の事務区分の見直しについて、衆議院での修正を踏まえた上で、さらに「政府としても今後3年ごとに事務区分について総点検を行うなどの方法によって積極的に法定受託事務から自治事務への区分替えを進めるべき」と求めた。
次に法案の2番目の柱である国の自治体に対する関与のあり方について、峰崎議員は、分権委の勧告にもなかった「自治事務に対する各大臣の是正要求に対する是正・改善義務」が盛り込まれるなど、個別法で自治事務への国の権力的関与規定が多く設けられていることに対し、「『自治体は誤りを犯すが、国は誤りを犯さない』という中央官僚の傲慢な考えの現れではないか」と強い口調で批判。自治事務の誤りは、自治体の議会や住民によって是正されるべきものと主張した。
峰崎議員はこの他、国から地方への税財源移譲の時期や、社会保険の地方事務官制度についての衆院での修正についても、それぞれ政府の見解をただした。
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