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2006/02/15
【衆院予算委】山田議員、米査察と輸出プログラム遵守徹底を指摘
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米国産牛肉輸入問題に関する集中審議が行われた衆議院予算委員会で15日、民主党・無所属クラブの山田正彦議員が質問に立ち、拙速な輸入再開を決定した政府の責任、日本向け輸出プログラムの遵守状況、米国食肉処理施設の実態等について、小泉首相、中川農水相、川崎厚労相らの見解を質した。

 輸入牛肉に特定危険部位が混入した今回の件について米国側関係者が「F1の車が普通道を通るのと同じ確率」「交通事故に遭う確率と同じ」などと語っている点について、山田議員は「大変に遺憾」と述べ、米国側のそうした認識を正していくべきと強調した。

 また、12月12日の輸入再開決定後、16日に直ちに米国産牛肉が輸入されてきた点をめぐり、「急ぎすぎたのではないか」として、始めに輸入再開ありきで拙速に行われた輸入再開を問題視したが、中川農水相は「飛行機便ならば10数時間で届く。早かったという認識はあるが、早すぎたとは思わない」などと語り、あくまでも政府の判断に問題はなかったとの認識を示した。

 山田議員は続いて、2日に発表されたBSE予防策に関する米国農務省の内部監査報告を取り上げた。同報告では、監査した12の食肉加工施設のうち、9施設で特定危険部位を除去したかどうか記録が残っていなかったと報告している。

 この点について山田議員は、特定危険部位の除去手順マニュアルさえなかったとされる当該9施設の実態を深刻に受け止め、この9施設に日本側に輸出する機関が含まれているかどうか明確に答弁するよう中川農水相に強く求めた。中川農水相は「外交ルートで正式に問うている」と述べ、事実関係が判明次第、同委員会に報告する意向を示すだけだった。

 今回の輸入再開はもとより次回の輸入再開時にも、輸入牛肉の識別は「科学的知見に基づいて判断する」との小泉首相の答弁を引き出した上で山田議員は、内閣府食品安全委員会が生産履歴などに関して十分な情報を得られない米国からの牛肉輸入に際しては、輸出プログラムの遵守を求めることが不可欠と指摘していることに改めて言及。「科学的知見が困難だと食品安全委員会が指摘しているのに輸入を再開したのはけしからん」と首相を一喝。判断基準となる科学的知見を得られない以上、輸出プログラムの遵守に向け日本政府は強い姿勢で米国食肉処理施設の指導・監督を行っていくべきだと改めて指摘した。
 
 山田議員はまた、農水省による米国食肉処理施設の査察に関して質問。査察担当者が「査察を終えた11施設は、日本向けの牛肉をきちんと処理していた」と報告した点をめぐり、中川農水相、川崎厚労相に見解を質した。両大臣は「信じた」との答弁を受けて山田議員は、当該の11施設には特定危険部位の除去違反があるとする米国消費者団体の指摘もあることを明らかにしたうえで、その点を踏まえてどう改善されたかに関してまで詳細に調査しない限り「問題なし」とするのは極めて不十分な結論に過ぎないことに言及した。

 さらに山田議員は、米国向けの日本産牛肉の輸出時には加工方法はもとより食肉処理施設の床の建材に至るまで、細かい既定が米国サイドから示されていることに言及し、自国民の食の安全確保に向けてはそれと同様の細かい規定を政府として強く打ち出していくのが妥当であることを重ねて指摘した。

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