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2006/02/28
【衆院予算委】細川議員、タクシー規制緩和の弊害を指摘し見解問う
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衆議院予算委員会は28日午前、構造改革と地方経済等についての集中審議を開き、民主党・無所属クラブから質問に立った細川律夫議員は、タクシーの規制緩和の問題点を例に、小泉政権が推し進めてきた改革の「影」を厳しく指摘した。

 細川議員は冒頭、平成14年2月の道路運送法改正によるタクシーの規制緩和に言及。車両数や乗務員の労働時間や事故が増加した一方、輸送人員や所得は減少した現実を、具体的な数字を挙げて説明した上で、規制緩和は成功だったと考えるか、小泉首相に質した。首相は、運賃やサービスの多様化が進んだと新規参入の効果を強調し、「今回の規制改革がタクシー業界を一方的に過酷な状況にしていると断定するのはまだ早い」などと答弁した。

 細川議員は大阪や仙台で実施した現地視察にも触れ、過剰競争による弊害と、規制緩和の影の関係性を指摘。法律の中できちんと対応ができているのか、北側国土交通大臣に答弁を求めた。北側国交相は「確かに問題点が昨今ある」と認め、川崎厚労大臣も、重大な関心をもって監督監査にあたるとした。

 これに対して細川議員は、今の業界の実態について「改正道路運送法や労働基準法の枠内では、なかなか解決にならない」と述べ、法制度の修正などの抜本的な改革が必要と主張。また、サービスの質を高めるための資格制度創設について見解を質した。北側国交相は、今後望ましいタクシーサービスの実現に必要な環境の整備に務めるため、検討する考えを示した。

 細川議員はまた、運転手の収入に地域間格差が見られることを例に、格差問題の解決策について首相の見解を求めた。小泉首相は、物価や地価にも違いがあるとして、「格差があるから悪いとは限らない」と主張。業界間・地域間での競争によって、サービス水準が向上するなど、良い点を伸ばすことができるとの考えを述べた。細川議員は、国民の多くが感じている「格差」の実感を受け入れるように要請。その上で、格差という小泉改革の「影」の部分が社会に与える影響を考慮し、是正すべきではないかと指摘して質問を終えた。

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