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2006/05/30
在日米軍再編計画に関する閣議決定について(談話)
民主党政策調査会長
松本 剛明

 本日、政府は「在日米軍の兵力構成見直し等に関する政府の取組について」と題する方針を閣議決定した。

 民主党は、日米同盟関係をわが国の安全保障の基軸であり、地域の安全保障にとっても重要と認識している。それ故、国民の支持と地元の理解がぜひとも必要であり、在日米軍基地に係る過重な地元負担を軽減していくことが、政治の重要な責務であると考えてきた。

 その立場から、本決定については、以下の問題がある。

 先ず、新たな基地負担の受入先とされる自治体の多くが依然として慎重な姿勢をとっており、本決定に対しても評価は厳しい。地元の理解を欠いたままでは、日米同盟の将来にも悪影響を及ぼす。これまでの政府の合意形成の手法を厳しく問いたい。

 また、本決定が日米安全保障協議委員会の合意の実施を担保するものとしては曖昧な点を残しており、疑問が持たれている。玉虫色、先送りのツケである。

 さらに、関連する法制面・経費面を含めて措置を講ずるとするが、巨額の財政支援についてはこれまで説明は皆無といってよい。日米関係者の発言から、既にある程度の約束がなされている様子が窺えるが、負担する国民の理解なくしては許されないものであることを銘記すべきである。

 そもそも、日米両政府の合意は、独自の戦略を欠いた対米交渉の結果、アメリカの世界戦略に引きずられた面があり、目玉とされた海兵隊のグァム移転は、日本側が負担すべきなのか、また、基地改編の全体像のあり方や負担額の積算根拠なども明らかでない。日米地位協定の改定にも背を向けたまま、日米の司令部が座間・横田に置かれることの意味やリスクについても、ほとんど説明が尽くされていない。他方、「抑止力の維持」と言いつつ、今から中期防を見直すとする点も、我が国の安全保障を総合的に検討した結果とは思えない。

 地元の住民・自治体の意思を十分に尊重して、過重な基地負担の実質的に軽減することが重要なのであり、政府は丁寧な説明と徹底的な話合いを尽くすべきである。また、政府の言う法制面・経費面の実質的な措置を含め、あらゆる面から納税者の視点とシビリアンコントロールを果たしていく見地に立ち、徹底的に議論していきたい。


以 上
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