民主党は28日夕刻、党本部で両院議員総会を開き、いわゆるライブドアに関するメール問題について、野田佳彦国会対策委員長の辞任、永田寿康衆議院議員の党員資格停止6カ月の処分、鳩山由紀夫幹事長への常任幹事会名による厳重注意処分、前原誠司代表への国民・支持者・党員等に対する説明責任を果たし、謝罪することを課すことを了承した。
また、永田議員に出されている懲罰動議に関しては、衆議院の懲罰委員会での議に従うことも了承された。さらに、党が予算委員会で要請していた国政調査権発動要求に関しても撤回することとなった。
両院議員総会では、鳩山幹事長がこの間の経過と上記の処分等の内容を説明した。鳩山幹事長は、「率直に言って判断の誤りがあった。慎重に吟味することなく、情報仲介者の言を鵜呑みにしてしまった。メールの真贋について調査を進めたが、堀江容疑者の打ったメールではないと判断せざるを得ない」とメールが堀江容疑者の打ったものではないことを明確にした。その根拠として、(1)メールソフトが堀江容疑者の仕様と違う、(2)メールの形式で@堀江となっていることなど、(3)経過の中で情報仲介者に対する信頼が喪失した、の三点を挙げた。その上で、「国民の皆さま方にお詫びする。武部自民党幹事長、そのご次男、関係各位にお詫びする」と改めて謝罪した。同時に永田議員や、前原代表が言及した金融機関の口座についても、同じ仲介者によるものであり、裏付けがとれなかったとして謝罪した。また、「国民からの信頼を得るよう努力していきたい」とし、「まずは厳しい状態を収拾するために暫くは幹事長職を続ける」と、自らの進退に触れた。
続いて、永田議員がお詫びの発言を行った。永田議員はまず、「申し訳ございませんでした」と深々と頭を下げ、「大失敗をしてしまい、深く反省しています。本当に申し訳ございませんでした」と謝罪した。
次に前原代表が挨拶に立ち、「議員の皆さん方、支持者、国民にご迷惑をかけたことを率直にお詫びする」とまず、謝罪した。さらに、「事実に基づかないメールを持ち出し、武部幹事長、次男を責め立てた。お二方、国民の皆さんにお詫び申し上げたい」と述べた。その上で自らの責任について、「9月の任期を前に辞任することが党のためになるのか、新たな出発をすることが私の責任」として、代表として党を再スタートさせる決意を表明した。さらに、「本来の民主党、野党第一党として政府の間違い、おかしな政策を徹底的に正すことが本来の組織。党の存在感を光輝かせるよう1日も早く、お力添えをお願いする」と両院の議員に呼びかけた。
質疑では、11人が質問、意見を開陳した。西岡武夫参議院議員は「党の責任。議員は党を代表して質問に立つ。執行部が責任を持つ、取るということがないとキワモノを取り上げてはいけない。役員会を機能させるように。常任幹事会、ネクストの『閣議』もオープンにしたほうがいい。代表の発言は慎重に」と述べた。
岩國哲人衆議院議員は「永田議員は武部幹事長に会見の前に謝るべきだった。幹事長の札幌での事業投資組合に自民党議員が関与している疑惑などの発言、裏付けがあるなら今夜にも出してほしい」と発言。
末松義視衆議院議員は「情報の確認という一点が抜けていた。党の信頼は地に落ちている。その責任はあると思う。代表が『確証がある』として舞台をつくった。これが傷を深めた。党を再生していく上で、地方の意見を聞くように」とし、また、小宮山洋子衆議院議員は「何故このようなことが起きたのか。真相究明し、皆さんに説明する必要がある。チームを作り解明を」と真相をもっと明らかにするよう求めた。
松原仁衆議院議員は「このようなフルオープンの形では様々な思いが述べにくい。本音が言える場をつくって。メールの真贋をはっきりさせていただきたい」とした。河村たかし衆議院議員は「私たちは役所を攻めるとき、組織を守るなと言ってきた。選挙で苦しんでいる人に丁寧に説明を」を訴えた。平岡秀夫衆議院議員は「永田質問の後のことが大きな問題。この部分の説明がなかったことに抗議したい。党首討論で言うからには信じるに足るものがなければならない。われわれにも、国民にも説明を」と述べた。
小川敏夫参議院議員は「本質的なことはこの党に危機管理がないこと。政権を任すことができないとの印象を国民に与えた。一致団結して乗り越えなければならない。党運営は幅広く多くの人の意見を聞くべきだ」と訴えた。
奥村展三衆議院議員は「一人ひとりが自覚して、ライブドア、耐震偽装、談合、BSEの追及にしっかり取り組んでいかなければならない」と全員に訴えた。原口一博衆議院議員は「闘おうではないか。質問、調査のガイドラインをつくろう。萎縮することなく野党として務めいこうと」と訴えた。渡辺周衆議院議員は「言葉が軽くなっている。言葉を選んで重みと責任を持たなければならない」と政治家としての自覚を訴えた。
鳩山幹事長は、調査チームはつくる、武部幹事長には謝罪する、意見を求める場にも工夫するなどと答弁した。また、前原代表も党首討論での発言について「国会対策委員会の報告を信用した」と答えた。両院総会では最後に、江田五月参議院議員会長が挨拶を行い、「一人ひとりが精進し、結束を固め、政府に論戦を挑んでいこう」と締めくくった。
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