トップ > ニュース
ニュース
ニュース
1999/07/08
国旗国歌法案で中央公聴会/「アジアでは日の丸に不快感残る」と上杉公述人
記事を印刷する

 日の丸と君が代を法制化する国旗国歌法案を審議している衆議院内閣委員会は8日、中央公聴会を開催し、民主党推薦の上杉聡氏(関西大学文学部講師)など6氏から意見をきいた。

 上杉氏は、アジア各国の新聞や教科書など記述を紹介しながら「現在でもアジアの人々は日の丸に対して不快感を持っている。若い世代は負のイメージを持っている日の丸を掲げる負担を背負うことになる。このようなことを国会が簡単に決めて「いのか」と述べた。

 また君が代については「政府見解の『代=国』とは漢和辞典にもない。代が国なら、千代に八千代には意味不明。百歩譲って仮にそうだとしても、天皇を象徴とした国がいつまでも続くようにという意味は、憲法改正を保障している日本国憲法に違反することにならないか」と指摘した。

 質問に立った北村哲男議員が「成文法にすることで政争の具となり、かえって国旗国歌の安定性を損ねないか」と尋ねたのに対し、小林節・慶大教授(自民党推薦)は、「事実として裏付けのある慣習法を成文化するので、ますます揺るがぬものとなると思う」と述べた。

 午後の質疑で、佐々木秀典議員が「法律化されれば改正したり廃止することもできるが、それは法制化推進の立場には本意ではないのでは」と質問したのに対し、百地章・日大教授(自由党推薦)は「私も最初は成文法至上主義には反対したが、教師の中に明文の法的根拠がないとの理由で日の丸・君が代に反対し、批判教育がされている以上、これらの人たちを説得するには法制化しかない」と答えた。しかし、元中学校教員の北村小夜さん(社民党推薦)は「教師は機械的に教えるだけになり、教育内容はますます空洞化するだけ」と反論。教育現場に与える影響についての見解は二つに分かれた。

 民主党では13日に所属参議院議員からの意見をきいた上で、菅代表と羽田幹事長が対応を決める方針。

記事を印刷する
▲このページのトップへ
Copyright(C)2024 The Democratic Party of Japan. All Rights reserved.