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1999/07/15
平成11年度補正予算が衆院通過/民主党は反対
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 事業規模で約5400億円の緊急雇用対策などを盛り込んだ平成11年度の一般会計、特別会計補正予算案が、15日の衆議院本会議で可決された。民主党は「政府案はその場しのぎのバラマキ対策で、質量共に不十分」だとして、予算委員会と本会議で組み替え動議を提出し、政府案に反対したが、他会派の賛同は得られなかった。同予算案は16日から参議院に審議の場を移す。


 民主党は15日夕方の衆院予算委の採決に先立ち、政府に対して撤回、組み替えの上、再提出を求める、いわゆる「組み替え動議」を提出した。この内容は、予算額を1兆円規模とし、重点事項として、ホームヘルパーの目標値を新ゴールドプランの17万人から30万人への拡充することや、保育所待機児童4万人を解消するための保育士の増員など、「福祉・環境・住宅・情報通信関連等の分野における雇用創出」や、カウンセリング機能拡充などの「求職支援策の拡充」、税制面や女性起業家への支援などの「新しい起業家支援策の実施」、NPOの基盤強化、財源対策や財政再建の道筋を確立することなど、メリハリの効いた財政出動が必要、と主張している。

 小林守議員が動議の趣旨を説明し、続いて吉田治議員が討論に立ち、「民主党案は構造改革につながる斬新なメニューを盛り込んだものであり、景気の失速を防ぎ、中長期的な新事業創造、新雇用創出につながるもの。質量共に不十分な政府の補正予算の内容を刷新するもの」と動議に賛成、政府案に反対した。しかし採決の結果、民主党案は否決、政府案が可決された。

 続けて開かれた本会議では池田元久議員が同じく組み替え動議の趣旨を説明。続けて肥田美代子議員が登壇し、民主党案に賛成、政府案に反対の討論を行った。

 子どもや教育の問題に力を入れている肥田議員は、政府の「緊急地域雇用特別交付金」の対象として、学校現場が一時的な雇用の受け皿にされていることを厳しく批判。「補正予算案は少子化社会における『子育て理念』や『社会ビジョン』を明確にしないまま、事業例を思いつくまま列挙したもの」「子どもは個性豊かな人間であって、コインロッカーに預ける手荷物や小荷物ではない」と述べ、子どもたちを「一時しのぎの見識なきばらまき予算」の対象とすることに強い怒りを表明した。

 肥田議員はまた「私がこの演壇に立っている瞬間にも、誰かが日本のどこかで自らの命を断つ最後の決断をしているかも知れない」と、急増する自殺者の問題にも触れ、国民の切実な状況に対して真剣に応えていない補正予算案を重ねて批判し、討論を終えた。

 起立採決の結果、民主党の動議は民主党だけの賛成で否決、政府の補正予算案が可決された。

関連URL
  平成二年度補正予算二案に対する反対討論(肥田美代子議員)
 http://www.dpj.or.jp/news/?num=11542
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