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1999/07/22
国旗・国歌法案、衆院で可決 民主党は自主投票
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●「国を愛する気持ちは強制されるべきではない」
修正案趣旨説明で鳩山幹事長代理

 国旗・国歌法案が22日、衆議院本会議で可決された。民主党は、政府案の対案として、君が代を法制化の対象からはずし、日の丸を国旗と定めるだけの修正案を提出したが否決され、政府案には議員それぞれの意思による自主投票で臨んだ。投票の結果は賛成403票、反対86票(投票総数489)、民主党議員の賛否は賛成45票、反対46票だった。

 本会議で民主党の修正案の趣旨説明に立った鳩山由紀夫幹事長代理は、冒頭、野中官房長官の石井一議員への恫喝発言に触れ、「次世紀のわが国のあり方にも関わる本法案がそのような大臣の主管の下、審議を進めなければならないことは、日の丸、君が代はもとより、日本国民にとっても誠に不幸なこと」と非難した。

 その上で、鳩山議員は政府の唐突な法案提出時期や、教育現場の混乱を抑えつけるためだけの動機、わずかな審議時間での成立をもくろむ政府の姿勢に対して、「最も日の丸・君が代を軽視しているのは政府だ」と厳しい言葉を投げかけた。

 修正案の内容を説明した鳩山議員は、「国を愛する心は強制されるべきものではなく、真に内面から沸き上がってくるべきもの。私たち政治家の役割とは、過去の様々な歴史を乗り越え、遠い未来の子孫たちに、彼らが愛することのできる国をつくりあげ受け継がせていくことにあるのではないか。その時にこそ、すべての国民が自然な感情で国歌を歌い上げることが出来る」と訴え、演説を終えた。

 各会派の代表による討論の後、まず民主党の修正案が起立採決の結果否決され、続いて政府案の採決が記名投票で行われた。その結果、賛成多数で政府案が可決、参議院に送られた。

 21日午前には、内閣委員会と文教委員会の連合審査で、法制化が学校教育現場での指導に及ぼす影響などが集中的に審議された。
 民主党の山元勉議員が、「法制化によって学校現場での指導が強まり、憲法が保障する思想・良心の自由を制約する恐れがあるのではないか」とただしたのに対し、有馬文相は、「児童や生徒に、国旗・国歌の意義を理解させ、他の国の国旗や国歌についても尊重する態度を育てることは、思想・良心の自由を制約することにはならない」などと述べ、子どもの内心まで立ち入って強制するものではないという考えを強調した。

 午後の内閣委員会の審議では、まず河村たかし議員が民主党の修正案について趣旨説明。君が代については「『君が代』の解釈も含め、21世紀の日本にふさわしい国歌をさらに検討すべき。また今なお戦争の傷痕を引きずる人々の気持ちを忘れてはならない」と、法制化が時期尚早であることを力説した。

 質問に立った北村哲男議員は「国旗については船舶法、海上保安庁法、自衛隊法など個別法で規定があり、慣習法としての効果がある。国歌についても、法規の性格をもつ学習指導要領で指導の対象として法的に定まる」との大森・内閣法制局長官の答弁に反論し、「教育現場では混乱があり、慣習法として定着していない」と述べ、「動機・目的イコール必要性・立法事実とはいえない。法制化で何を守るのか。どう見ても法制化の必要性がわからない」と力説した。

 続いて河村たかし議員は、政府案提出にあたって、戦争被害者に対する意見聴取が行われなかった点を批判し、ヒアリング調査資料の提出を要求した。竹島・内政審議室長は「調査はしていないが、最近の世論調査結果は検討し、また公聴会も行った」と言い逃れた。河村議員は「ヒアリングの資料を提出しない限り質疑できない」と重ねて要求し、審議は再三ストップした。

 最後に質問した佐々木秀典議員は、刑法92条に外国の国旗に対する「損壊罪」規定があることを指摘し、「法案成立後、日の丸も同様に扱うつもりではないか」と追及。渡邊・法務省官房審議官は「直ちに国旗に対する損壊罪を設ける必要はない」と答弁。佐々木議員は「"直ちに"がくせもの。今はしないが、やがてはするかもしれない。そういう心配が出てくる」と批判した。また法制化に伴い、反対する教職員など教育現場に対する指導が強化されるのではないか、とただしたが、有馬文相は「現行の教育指導要領を変えない」と重ねて述べた。

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