トップ > ニュース
ニュース
ニュース
1999/07/27
国旗国歌法案が参議院で審議入り/広中和歌子副代表が代表質問
記事を印刷する

 衆議院で22日に可決された国旗・国歌法案の質疑が28日、参議院本会議で始まった。代表質問に立った広中和歌子副代表は「政府・自自公路線は、わが国の伝統・慣習に基づく価値観の共有の意味を、あまりにも安易に受け止めているのではないか」と、拙速な法案提出と数で押し切るかのような政府・与党の姿勢を厳しく批判した。

 広中副代表は、質問でまず、法案の提出経緯にふれ、「法制化については国会での慎重な審議を通じ、より多くの国民の意見を聴取し、国民間のコンセンサスを形成していくことが何よりも重要」と述べた。

 その上で、法制化について「日の丸・君が代には抵抗感が少ないが、国旗国歌の法制化にはためらう気持ちがあるのが今の一般的な日本人の感覚なのではないか」として、小渕首相の見解を求めたが、首相からは日の丸・君が代の定着と法制化への賛否をすり替えたような答弁しか聴かれなかった。

 広中副代表は「法制化は、あたかも親孝行を義務づける法律を作るようなもの。自発的だからこそ意味のあるものを、わざわざ法制化することによりその本髄を壊すことになる」「長い歴史をもつわが国は、国旗・国歌を敢えて法制化しなくても、日本国・日本人のアイデンティティーは自然と確立できるだけの悠久の歴史がある」と、慣習を重んじる立場を強調し、政府の法制化の意図を重ねて疑問視した。

 また広中副代表は、「国旗掲揚は眺める動作、つまり不作為で済むが、国歌斉唱は自ら歌うという作為が求められる」と両者の違いを述べ、セットでの法制化や、行為を伴う君が代について、より慎重な配慮が必要だと主張した。

 さらに、「君が代」の解釈についても、「歌詞の意味を政府が一方的に公示し統一すること自体疑問。解釈は国民一人ひとりの胸の内の豊かな発想に委ねるべき」と述べ、なぜ内閣に君が代を解釈する権限があるのかと迫った。

 広中副代表は、最後に、「過去を直視し、それを戒めとして、誇りに思える日本の未来を切り開いていくという日本国民の意思を日の丸の法制化に託したい」と述べ、日の丸の法制化には賛意を示す一方で、「君が代」については、「不幸な歴史を引き起こした戦前の天皇制をキッパリと否定し、現憲法における国民主権下での象徴天皇制を積極的に位置付けるためには、国民間での一層の議論が必要とされている」として、時間をかけた十分な議論を強く求め、質問を終えた。

***
 この日の参議院本会議では、法案を「国旗及び国歌に関する特別委員会」で審議することが正式に決まった。民主党・新緑風会の委員は、江田五月(理事)、本岡昭次、竹村泰子、足立良平、江本孟紀、石田美栄の各参議院議員。

関連URL
  国旗及び国歌に関する法律案に対する代表質問(広中和歌子議員)
 http://www.dpj.or.jp/news/?num=11541
記事を印刷する
▲このページのトップへ
Copyright(C)2024 The Democratic Party of Japan. All Rights reserved.