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1999/08/02
参議院国旗・国歌問題特別委〜学校での影響、戦後処理問題などただす/石田美栄、竹村泰子両議員
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 参議院の国旗・国歌問題特別委員会で2日、民主党・新緑風会の石田美栄、竹村泰子両参議院議員が質問に立ち、教育現場での影響を中心に追及した。

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 石田議員は、教師時代を振り返り「日の丸に後ろめたいものを感じつつ、一方アメリカ国旗である星条旗の場合は教科書で何度も取り上げてきた。日の丸への意識が教育現場でのトラブルや先の戦争の役割だけに特化されてきた気がする」と、戦後50年にわたる日本人と「日の丸」との関係に言及。

 続いて、学校教育の現場で国旗・国歌の由来や歴史が教えられていないと指摘し、「法制化するのであれば、入学式等で『歌った、歌わない』と形ばかりを強制するのではなく、もっと他国の国旗・国歌との比較、また戦争に使われた歴史も含めて、教育に取り上げていくべきだ。いい意味で指導を変えるべき」と政府をただした。

 また30日の質疑で有馬文相が「運動会や学芸会などでも掲揚・斉唱が望ましい」と述べたことにふれ、石田議員は「入学式や卒業式と違って、運動会や学芸会など学内の行事は、子どもたち本位の、元気な心はずむもの。『気を付け姿勢』で『君が代斉唱』をさせるべきものでない。もし職務命令でさせるつもりなら、そこまでは賛成できない」と政府の指導の行き過ぎにクギをさした。

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 次に質問に立った竹村泰子議員は新聞社が行った 世論調査結果を示し、「唐突な法制化だ。国会審議以来、世論は微妙に動いている」と、性急な法制化の動きを批判。続けて福岡県の小学校で92年、在日韓国人の小学生も含めた卒業式の際、日韓両国の国旗を掲げて祝福したことにふれ、「最低限の国際化とはこういうものでは」と提案した。有馬文相は「校長の判断で行うことはいいことだ」と答弁した。

また竹村議員は国旗国歌問題に関連して、「もし法制化するならアジア諸国への情報発信が必要。特に在日韓国・朝鮮の旧軍人・軍属に対する障害者年金の未支給問題が積み残しのままでいいのか」と政府を追及した。これに対して野中官房長ッは「今世紀中に司法でなく政治による解決が求められる。今調査・研究を急がせている」と答えた。

 さらに竹村議員は、「法制化されたことを理由に、地方の教育委員会が教育現場に対する指導を独自に強めるのではないか」と危惧を示したが、御手洗・文部省初等中等教育局長は「基本的には自治事務だが、引き続き全国的基準である指導要領に沿って、今回の法制化に関係なく、従前通り指導を行う」と説明。

 竹村議員はこれに反発し、文部省の「さらに指導の徹底を図る」との答弁との食い違いを指摘したが、御手洗局長は「“さらに”とは“引き続き”の意味だ」と突っぱね、有馬文相も「文部省として国旗・国歌の取扱いは変わらない」と繰り返すばかりで議論は平行線をたどった。

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