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1999/09/15
<党代表選>3候補がテレビ朝日「スーパーモーニング」に出演
 「敬老の日」の15日、鳩山、菅、横路の3候補はテレビ朝日のワイド番組「スーパーモーニング」にそろって生出演した。

 約1時間、3候補は木元教子、金美齢、残間江里子、高木美也子の4人の女性コメンテーターから、立候補の理由、支持率低下、憲法改正問題、はては私生活に関することまで、ホンネを聞き出そうと入れ替わり立ち代わり質問を受けた。3候補ともこの日ばかりは、女性たちの矢継ぎ早な突っ込みに防戦一方。

 また番組中には「妻だけが知る3候補の素顔」と銘打った各候補夫人へのインタビューも流され、普段見られない家庭での一面も垣間見ることができた。自分の妻について、鳩山候補は「太陽」、菅候補「生涯のパートナー、最も厳しい有権者」、横路候補「頼れる友達」と答えていた。


◆番組の中での主なやりとりは次の通り。

Q.3人そろってTV出演していて、自民党がうらやましがっている。だけど時期を合わせた代表選にはウラがあるのでは?
菅「1月の党大会の時、すでに今秋に実施することを決め、衆院選が未定だった関係で7月に最終決定した。議論があったが、結果的には自民党総裁選と一緒の時期になった。こちらは現職があまり強くないので(笑い)興味を持たれている」。

Q.菅さんでは自自公へ対抗できないのか? 立候補の経緯は?
鳩山「正直言ってかなり悩んだ。次の衆院選で躍進できなかったら民主党が瓦解する危機を感じ、やるなら本気で闘う姿を示すべきと決断した」「菅さんには連投をお願いしたが、むしろ党より大きな存在。民主党にはもっと顔があることを示すことが大事だと思った」

Q.分裂も辞さない覚悟か?
鳩山「党のまとまりを大事にしすぎて、本当に大事な国民へのメッセージが出なくなった」。

Q.立候補の経緯は?
横路「交代する政治にならないと国民のためにならない。巨大な与党に対して、それにしっかり対峙した政策の柱を立てたいと思った」「議論が党内の話に終始して、国民の不安が民主党にならないと感じた」。

Q.北海道知事として成果を上げたように見えないが、国政を任せられるのか?
横路「それなりにやってきた。地域での政治参加というところでは変わった」。

Q.代表選で日々ズレが大きくなって、遺恨、分裂の恐れはないか?
鳩山「弟(鳩山邦夫氏)が党分裂を言っているのはけしからん話だ。議論をドンドンやって信頼感を深めていく。4党が結束したばかりなので、ギリギリまでの議論を避ける気持ちが強すぎた」。

Q.自自公にどう対応するかに終始し、仲良しの部分が見えすぎる。3人仲良く「友愛」で接着剤役として裏方に徹してきたが、迫力の姿勢が見えない。
鳩山「これからの行動を見てもらいたい。また“友愛”とは特に自立を意味して言っている。(仲良しとか)そんな甘い話ではない」。

Q.今の街頭インタビューを見ても菅人気が凋落しているが、ご認識は?
菅「逆に今でも3位4位にランクされて大変ありがたい。もともとがフィーバーしすぎた。野村(阪神球団)監督も上がり下がりがある。一番大きいのは、参院選後の期待に応えきれなかった結果だろう」「これまで私を通した民主党しか見えなかったが、今回の選挙でいろいろな顔が見えるようになった。いわば第2の(民主党)結成と思っている」。

Q.PKFを東チモール派遣できるような憲法改正が必要か?
鳩山「将来はPKF凍結解除の議論が必要。まず現憲法の枠内でまずそこを議論する。しかし多国籍軍まで議論がいくのは危険だと思う」「現憲法の枠内では平和維持軍の派遣はできないので、どう解決するかだ」。

菅「事務所が東京チモール協会の事務所を兼ねている位、私は古くからこの問題に取り組んでいる。戦争放棄という人類の理想、理念は大事にしたい。PKOまでは今も可能だが、さらにPKFがどこまで可能かを議論するのは当然だと思う。しかし何年以内にというのは短兵急だ」。

横路「21世紀に国連を強化して世界新秩序を作る意味で、この旗(憲法)は変えるべきでない。ギャップは法律で決める。この50年間の議論してきた安保の枠組みがあり、自衛隊をPKOに参加させることは私も賛成している。『安全保障基本法』を決める中でPKFも議論していいが、憲法改正とは直接つながる話ではない」。

Q.憲法9条改正と言われただけで何か不安になる。戦争を認めるんじゃないかと。
鳩山「そういうステレオタイプの発想をなくなるよう、リベラル側からの改憲を申し上げた」「いつまでもアレルギーとして残すべきでない。小沢改憲論がすでに出ている。これに対抗する術を持たなければならない」。

Q.漠然とした「菅人気」が今回の代表選で本当の姿がさらけ出されて、危機感を感じないか?
菅「今の閉塞感を考えたが、国民の大部分が“自分が選んだ”という気持ちがない首相が就いている。国民主権といいながら、実は全部官僚のお膳立てでやってきた。それは厚生大臣の10ヶ月でいやというほど知った。そこを変えないと日本の政治は変わらない。創業者的発想をもった政治家が必要だ」。

Q.党内地盤がなく、周りの支持がなくてどうしてリーダーシップを言えるのか?
菅「私は派閥やグループを作る小渕流と全然違う。私は住宅問題、丸山ワクチン、O−157など『テーマ型』。今の政治には高杉晋作のような『突破型』『創業者型』の政治家が必要だ」。

Q.どういう日本を作りたいのか?
鳩山「個人も国も自己の尊厳がしっかりと持てる国にしたい。官僚がというより、何でももたれ合いで無責任の政治が悪いと思っている」。

菅「サッチャー流とブレア流の両方。自由であって安心できる社会の実現を目指す」。

横路「経済は効率的。社会は安定的。多様な選択肢から自己決定できる社会、そして選択肢は政府、民間、市民が提供していくような社会を目指す」。

Q.数をもつ自自公が分裂した時、(一部と)組む気持ちはないか?
菅「繰り返すが、自自公は1つのチーム。一方民主党を中心にしたチームそれぞれが小選挙区に1人ずつ候補者を立てて、あとは国民が選べるようにするのが野党第1党の役目だ」。
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