参議院財政金融委員会は23日午前、日本銀行の福井俊彦総裁を参考人として招き、村上ファンドへの投資問題について閉会中審査を行った。民主党・新緑風会から、峰崎直樹『次の内閣』ネクスト財務大臣(経済財政担当)が質問に立った。
峰崎議員は冒頭、コンプライアンスへの認識を示すよう福井総裁に答弁を求め、「職務の公正性の背後にある日銀総裁の信頼感が今問われている」と指摘した。
峰崎議員はまた、ゼロ金利政策の解除の決定など、政治権力からも自立している日銀の独立性に言及。日銀内部のルールを今後厳正にすれば信頼が取り戻されるわけではないとの認識を示し、日銀の行動の背景として政治的圧力がないか、市場関係者に色眼鏡で見られる恐れもあるとした。
峰崎議員は「日本銀行にとって、ずっとダメージが続くことになる。ここで責任を取ることが日銀総裁として取るべき道だ」と主張して見解を質したが、福井総裁は「職責を十分に全うさせていただきたい」などと答弁。国債管理の例を挙げて、政治に対して毅然とした態度を取るという日銀の中立性の重みを思い起こすようにとの峰崎議員の求めにも、辞任する考えは示さなかった。
峰崎議員は「辞職されるのが日銀のためにも正しい道」と改めて指摘した上、インサイダー取引規制の問題に言及。行政の規制緩和や処分、日銀の金融政策といった経済政策全般が経済活動に連動するなどと述べ、日銀内部のルールによるだけではなく、法的な整理が行われるべきだとした。与謝野金融担当大臣は検討したいと答えたが、福井総裁は、内部ルールの改正で成果を上げられると答弁した。
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