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2001/06/08
<衆院本会議>1年生議員チームが、仕事と家庭の両立支援法案を力強く提案
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 8日、衆議院本会議において、民主党提出の「職業生活と家庭生活との両立を支援するための育児介護休業法改正案」(仕事と家庭の両立支援法案)の趣旨説明および質疑が行われた。本法案は、「仕事と家庭の両立支援ワーキングチーム」がとりまとめ、政府提出の育児・介護休業法改正案の対案として提案された。趣旨説明、質疑、答弁では、それぞれワーキングチームの1年生議員がはつらつと発言、民主党の若い力をアピールした。

 趣旨説明を行ったのは、ワーキングチーム事務局長の山花郁夫議員。山花議員はまず、男性労働者に占める育児休業取得者の割合がいまだに0.42%で働く女性の負 担感をいっそう重くしていること、子どもの怪我や急病に際して働く親たちが対応に苦心していることなどを紹介しながら、小泉総理が語っている「両立支援」を単なるキャッチフレーズに終わらせないためにも、旧森内閣提出の政府案からさらに踏み込んだ施策が必要だ、と呼びかけ、法案の要諦の説明に入った。

 法案のポイントは、男親も取得しやすい育児休業制度への変更、看護休暇・勤務時間短縮の実現、「不利益取扱いの禁止」規定の具体化、期間労働者への育児・介護休業の保証など。

 男親も取得しやすい育児休業制度については、小学校就学始期までの分割取得、パートナーへの休業期間譲渡、配偶者が専業主婦であるケースでの取得などを盛り込んだ。また、看護休暇については小学校就学始期までに年間15日まで、勤務時間短縮については1日の所定労働時間の4分の1以下で請求に応じて保証されるものとした。育児・介護休業などの請求・取得にまつわる「不利益取扱いの禁止」に関しては、原職または原職相当職への復帰、勤務短縮請求前の賃金・労働条件との均衡保持などの具体的規定を盛り込んだ。さらに、契約上の期間労働者でも、実質上期間の定めなく雇用されていると認められる場合には、育児・介護休業を取得できることとした。

 質疑では、鎌田さゆり議員が登壇。冒頭、大阪・池田市の小学生殺傷事件に触れ、「不運にも事件に巻き込まれた方々に、心からお見舞いを申し上げます」と述べた上で、政府案、民主党案の双方に対して質問を行った。

 鎌田議員はまず、小泉総理は「男女共同参画社会」という言葉をよく使うが、政府案を見ると「この程度ですか?」という思いだ、と述べ、「男女共同参画社会」のイメージ、「仕事と子育ての両立」のための具体策について質した。次に、職場復帰後の働く親の支援策をめぐって、看護休暇制度、男性の育児休業取得奨励策、期間労働者への休業適用、「不利益取扱い」の内容などについて質問。最後に、「21世紀の男女共同参画・両立支援を、ここまでやるぞ!という意気込みでグレードアップさせましょう」と呼びかけ、質問を終えた。

 答弁に立った、男女共同参画担当大臣でもある福田官房長官は、「男女共同参画社」のイメージについて、「男女が責任を分かち合い、あらゆる分野への女性の進出を可能にしていくことが、豊かで活力ある社会をつくるのに不可欠」などと一般論を述べるに止まり、両立支援策についても、男女共同参画会議専門調査会の最終報告を待って取り組む、としたに過ぎなかった。

 続いて坂口厚労相は、看護休暇の請求権化については「一足飛びには難しい」、育児休業取得促進策についても「社会的な意識改革が必要」などと後ろ向きな答弁に終始。その他の問題については、これから検討する実施指針において具体化すると述べるに止まった。

 次に答弁に立った民主党の水島広子議員は、社会全体で子どもを育てる体制をつくるには、大人が余裕をもって子どもに接することができるように、職場環境、子育て環境において多様性を認めていけるような制度をつくることが大事、と男女共同参画社会づくりのテーマを提起。民主党案では、「育児は女の仕事」という社会の意識を変え、性別や仕事などによる育児・介護休暇取得の差別をなくす観点から、政府案にない具体策を盛り込んだ、と説明した。

 最後に、民主党の山井和則議員が答弁に立ち、「不利益取扱いの禁止」という題目だけで具体策がない政府案に対して、民主党案では賃金、職場配置、昇進などについて差別的な待遇がなされないよう、具体的な規定を盛り込んだことを紹介。同案への賛同を力強く呼びかけて、発言を締めくくった。

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