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2006/07/27
格差拡大、負担増問題等論じる 松本政調会長、水上での講演で
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 松本剛明政策調査会長は27日午後、群馬県みなかみ町を訪れ、同町で開催された「民主党自治体議員フォーラム北関東ブロック研修会」において、「民主党のめざす政権」と題して基調講演を行った。この中で松本政調会長は、格差拡大の問題の深刻さを改めて強調しつつ、小泉政権が目論む負担増の実態について、具体的な数字も交えて分かりやすく説明を行ったほか、米国産牛肉の輸入再々開問題や教育基本法の問題などについても詳しく語りかけた。

 研修会の冒頭、富岡由紀夫参議院議員が挨拶に立ち、来年の参議院議員選挙に先立つ統一地方選挙の重要性を強調。人口減少社会を迎えて取り組むべき政策の方向性を示すとともに、参加者の活発な議論を呼びかけた。また、山根隆治北関東ブロック担当常任幹事(参院議員)も挨拶。常任幹事会での議論なども紹介しながら、参加者それぞれの議論に期待感を示した。

 続いて、松本政調会長が基調講演を行い、小泉政権5年間を振り返っていくにあたって、「格差の問題は、一番先に取り上げていくことが必要だ」との認識をまず示した。そして、格差問題に関する与党側の発言が、格差などない、大したことはない、統計上のマジックだ、などと「完全にぶれている」と指摘。「格差に対する問題意識が拡がりつつある危機感は、与党も持っている」としつつ、「著しく所得の低い層が増えているのが問題だ」と述べた。

 そして松本政調会長は、具体的な資料を基に、失われた金利利益は304兆円、1世帯あたり600万円もあることを指摘。小泉政権がほぼ唯一成し遂げたとも言える不良債権の処理も、こうした超低金利政策による家計の大きな負担があってこそのものであり、こうした「数字を一つひとつ分かりやすく伝えていく」ことの重要性を語った。

 また、小泉首相の政治手法に関しても、「『消費税は上げない』という言葉で、何となく生活は苦しくなっても、税金は上がっていないという錯覚に陥っている」のではないかと松本政調会長は指摘。負担増の総額を考えると、1世帯あたりに置き換えて手堅く計算しても、少なくとも年間12万円にも上ることも紹介し、今後も政府・与党が目論む負担増の実態を、分かりやすく解説した。

 松本政調会長は更に、改めて小泉政権を振り返り、「間違いなくこの5年間で、中央官僚が強くなった」との認識も示し、「全盛期の自民党は、ある程度は中央官僚を制御していた」ものの、「国民の声を全く代弁できない政党」、「一部の人の声を代弁する政党」になってしまったとし、これは「長期政権のツケ」だと厳しく指摘。小泉首相がそうした自民党を壊したとの錯覚に陥りがちだが、例えば、社会保険庁も解体せずに、税や保険料の負担増が実現されていく実態を見れば、「財務省と厚生労働省の勝利以外の何ものでもない」などと厳しい見方を示した。

 そして、様々な関連団体が制度とくっつき、天下りが行われるような現状を打破し、「一部の人々の利益しか代弁できなくなった自民党に代わる政権を打ち立てる」のが民主党の使命だと強調。官僚の利権の問題、公共調達のあり方の問題、地方分権の問題などに取り組んで歳出削減を図り、消費税をめぐる議論も含めて、政府・与党との考え方の違いについても解説を加えた。

 外交問題についても松本政調会長は言及し、「小泉首相とブッシュ大統領の中が親密なことで、国民の生活の何が変わったのか」とし、米国産牛肉の輸入再々開問題をまず取り上げた。松本政調会長はこの中で、「これからは日本の基準でやってくれ、と言えば簡単だった」とし、米国には全頭検査をやるという会社もあったが、「全頭検査をやらずに輸入させろという会社が、ブッシュ大統領を支持していた」ことなどにも触れて、米国の主張と日本の面子の妥協の結果、「中途半端な基準ができて、輸入したとたんにすぐに基準違反が見つかった」という事態に陥ったと批判。首脳同士の交流があっても、「やはり従属の関係と言わざるを得ないのではないか」と厳しく指摘した。

 松本政調会長はこのほか、日本の国連安保理常任理事国入りの問題、北朝鮮非難決議の問題にも言及。教育改革への取り組みに関しても、教育基本法の問題について、愛国心と宗教教育ばかりが報道されるが、このことは「(公明党と連立を組む)自民党にとっては大きなポイントだろう」としながらも、わが国の教育の抱える問題について、「本当にこのままでいいのだろうかと、親の側も教育をする側もお持ちだろうと思う」との認識を示し、「そういう論議の基本になる基本法にしなければならない」として、民主党案の内容を紹介。教育にかかる負担や国や地方の予算における文教関係費の割合の減少などの問題も取り上げながら、教育問題にも積極的に取り組んでいく民主党の姿勢を明確に語った。

 会場では、参加者の地方議員の皆さんと松本政調会長との間で、少子高齢化問題への取り組み、地方自治体間の格差拡大、民主党の農業政策、地方税法改正問題と国会での取り組みなどについての質疑応答も行われ、活発な議論が展開された。なお、研修会ではこの後、逢坂誠二地方自治体局長代理(衆議院議員)が「自治体議員の役割について」、角田義一参院副議長が「私の歩んだ政治・議員活動」と題して、それぞれ講演を行った。

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