2003年の扉が開き、4月には21世紀はじめての統一地方自治体選挙が行われます。
4年に一度のこの統一地方選は、21世紀の私たちの町、地域のあり方の針路が決定される選挙といえます。
市民と自治体が選択、決定する
自治の確立をめざす
民主党代表 菅 直人
2003年1月18日
民主党は地方分権の推進こそ、この国を変える第一歩だと考えています。それは、現在の日本がなんでも国が決め、地域の行政の隅々にまで中央官僚が口を出す、そして身近な自治体には権限も財源もなく、本来の自治の主役である住民には選択権、決定権はおろか情報も公開されない、中央官僚集権国家であるからです。
地方自治の本旨は自治体自治であり、住民自治にあると私は思っています。選択権と決定権が自治体と住民にあることが自治本来の姿です。そうした意味で、民主党の分権自治政策の真髄は分権から自治への道筋が明確に示されているところにあります。
いま、自治体改革の波が急速に高まっています。利権構造に浸りきった族議員や、省益と既得権を守ろうとする官僚に対して、住民、市民が先駆的なリーダーを自ら押し立てて勝利しつつあることの証明です。民主党はこの流れを決して後戻りさせることなく加速させたいと考えています。住民、市民の皆さんと一緒に過去のしがらみを一掃し、地域を再生させる道筋をつけることが、今度の統一地方自治体選挙の最大の意義です。
民主党が掲げる自治体改革政策はいずれもがメニューです。全国画一、一律に押しつけるものではなく、選択と決定は住民が行うべきものです。民主党の政治と政策は、情報開示の推進、住民の選択権の保障、地域主権の確立、より直接的な住民自治の推進―から成り立っています。そして、将来の姿としての道州制を提案していますが、これは自治体と住民の自治権確立の結果としての姿を提起するものです。
日本という国のかたちを振り返れば、民主主義国家ではありませんでしたが、江戸時代も300の藩と幕府が並存する、ある種の分権連邦的国家であったともいえます。小さくても強力な中央政府と市民自治による地方政府の組み合わせをめざす、私流に大胆に言えば「江戸時代ルネッサンス」とも言うべき、分権と自治が生活と行政の隅々にまでいきわたる国、これこそ21世紀の日本がめざす新しい国家像であると考えています。
民主党は、国民、市民のみなさまの厳しいご批判を受け、全党がみなさまの叱咤激励に真摯にお応えすべく、新生へのスタートを切りました。地方自治は民主主義の学校と言われています。地域を再生し、豊かなコミュニティを築き上げる道のりのなかで、日本の社会経済の抜本改革を実現させます。
|