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2001/02/14
国会基本政策委員会合同審査会議事録
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国家基本政策委員会合同審査会
国会基本政策委員会合同審査会議事録


午後三時一分開会〔堀之内久男君会長席に着く〕

○会長(堀之内久男君)これより国家基本政策委員会合同審査会を開きます。本日は、私が会長を務めさせていただきます。この際、一言ごあいさつを申し上げます。このたび、衆議院の国家基本政策委員長に就任いたしました堀之内久男でございます。参議院の本岡委員長を初め、衆参両院の皆様方の御指導、御協力を賜りまして、その職責を全ういたしてまいりたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。国家の基本政策に関する件について調査を進めます。これより討議を行います。討議に当たりましては、申合せに従い、野党党首及び総理は、配分時間を厳守し、相互の発言時間を考慮しつつ、簡素に発言を行うようお願い申し上げます。また、委員各位におかれましても、議事の妨げになるような言動のないよう、御協力をお願いいたします。発言の申し出がありますので、順次これを許します。鳩山由紀夫君。(拍手)

○鳩山由紀夫君 二十一世紀入りまして最初の党首討論でございます。その重さを感じながら、総理に質問を申し上げたいと思います。
 まず、今月十日、アメリカの原子力潜水艦、御承知のとおり、ハワイ沖でえひめ丸、宇和島水産高校の方々が乗っておられる、その衝突事故というものが発生をいたしました。いまだに九名の方が行方不明でございます。私どもも祈るような気持ちでこの九名の方々の生還を祈っております。
 この危機管理の問題、総理はどのように感じておられるのか、大変深刻な事態であるということをどのように総理は認識しておられるのか、伺いたいと思います。このような事故が起こり、さまざまな事態が進展をしている間にも、総理はゴルフ場におられて、クラブを放されなかった、そのことに対して国民の怒り沸騰していますよ、総理。これは国民だけではなく、そして我々野党だけでなく、与党の皆さんの中からも責任論、交代論が今起きているじゃありませんか。
 まず、総理、今回のずっと一連の総理のとられた行動に対して、政治的責任をお感じになられますか。

○内閣総理大臣(森喜朗君) 今回の愛媛県の遠洋実習船、そしてアメリカの海軍の原子力潜水艦の衝突事件につきましては、まずもって事故に遭われました皆さんに心からお見舞いを申し上げますとともに、御家族、関係者の皆さんの御心痛はいかばかりかと拝察をいたしております。日本政府といたしましては、米国政府に最大限の措置をとってもらうよう強く要請を申し上げるとともに、我々としても可能な限りの措置をこれまでとってまいりました。特に、米国に対しましては、私、官房長官、さらに外務大臣、防衛庁長官を含めまして、米側のカウンターパートナーに対しまして抗議の意思を伝え、そしてアメリカ側からも遺憾、謝罪の意思表示を表明を受けております。昨晩も、夜遅くでございましたが、ブッシュ大統領からも緊急に直接お電話がございましたので、私も遺憾の意、極めて残念なことだということも強く申し上げて、なお一層これらの人命救助に対して、捜索に対して第一義に考えてやっていただきたいということを申し上げてまいりました。
 今お尋ねをいただきましたけれども、政府の対応、そして体制でございますが、当時、私は御指摘どおり横浜におりました。官房長官も群馬県内でございましたし、危機管理担当大臣も京都府でございました。それぞれそういう事情がわかっておりましたので、前日からこの予定がわかっておりましたので、金曜日の段階で安倍官房副長官を官房長官とともに呼びまして、十日の日は東京に残って対応するようにということは指示しておきました。当該この事案につきましては、秘書官から最初に連絡がございましたのが十時五十分ごろ、携帯電話で第一報を受けました。そして、十一時ごろ第二報を受けました。で、秘書官を通じまして私はその際事情を伺いまして、各省庁そして関係者に対して、情報収集を万全にとるように、そして
事はアメリカでありますから、米側に対しまして人命救助、情報収集に最大限の協力をしてもらうように外務大臣から要請をするようにというそれぞれ指示をいたしました。
 私は、その際、最初の連絡、後の連絡、今救助をいたしておるというところでございますから、それこそまさに全員何とかしてみんなが救助されればいいなと、そう思って願っておりました。ただ、事態が今進められているということでございますから、しばらくこの場にいた方がいい、そしてそれぞれみんなの体制が動き出すまでは、もう一遍連絡をとるまではいた方がいいだろうというのが私はリーダーシップとしての考えでございました。
 そこで、すぐ帰れるような手配だけはすぐとらなきゃならぬだろう、しかしそれぞればらばらでありましたから、連絡はきちっと私のところに来れるようにするためにはこの場所にいることが間違いがないだろうと、私はそのように判断をいたしました。そして、第三報といいましょうか、十二時二十分でしたか、連絡がございまして、人身に支障があるかもしれないという状況になりましたので、私は、その体制が全部とれていますねということでしたから、十二時には官邸の連絡体制がとれます、十二時には外務省の方も対策本部がスタートします、文部科学省も十二時半にはスタートできますということを聞きましたので、それでは、じゃここで私がこの場所を離れていいねということを確認いたしましたので、それから私はすぐ車に乗り込みました。当初は、指示によれば私邸で待機ということでございましたけれども、途中で車の中で外務大臣、安倍官房副長官あるいは安藤危機管理監、電話を受けましたので、これは私も官邸に行くことがいいのではないかという判断をいたしましたが、残念ながらノーネクタイでございましたので、自宅に寄って着がえをいたしましてから官邸に参ったわけであります。
 時間的なこと、いろいろ御批判もございますが、政府としては、いわゆる情報の収集とアメリカ側に対する人命救助、捜索については万全の遺漏のない措置を確実に私はとったと、そう思っております。したがって、そういう体制がとり得たという判断をしたものですから私はそこの現場を離れたということでありますので、ぜひそこのところを御理解いただきたいと、そう思う次第であります。少し長くなりましたけれども。

○鳩山由紀夫君 今の話を伺って、総理の答弁が長ければ長いほど、私は国民の皆さん方があきれ返るという話だと思います。一つのことをまずしっかりと伺いたいんですが、危機管理ではなくてこれは事故だと、きのうどこかでそうお話をされた。私は、そのような認識だから、事故のことを知った後も平然として片手でパターを持って片手で携帯で連絡をとり合うようなことを行ったんじゃありませんか。本当はそんなことをやってはまずかったなと思っておられるんでしよう。これは危機管理でないんですか。事故だと、それだけの話だというふうに今でも思っておられるんですか。

○内閣総理大臣(森喜朗君) 国家が管理するべき危機といいますのは、国の主権が侵される危機、あるいは国の秩序が揺らぐ危機、国民の生命、財産が大規模に危険にさらされる状況、こうしたことが危機管理だというふうに規定をされております。これは海難の事故でありまして、ただ相手がアメリカであるということ、また場所もアメリカであるということ。
 したがって、この事故のまず第一義は情報をとることと捜索を第一に考える、これは当然外務省が中心になってやることだということで、外務省がその対策本部を構えたということになるわけであります。したがって、私どもとしては、この形はこれからもあり得ることでございますが、いろんな形を考えておかなきゃなりませんが、当然これは事故としてどう対策をとり得るか。ただ、大事なことは、相手が他国であるということ、今のケースでいえばアメリカであるということ。そのアメリカに対してどういう交渉をきちっととっていくかということが私は極めて大事だと思います。だからこそ、確かに今御批判がありましたけれども、問題は、その対応、体制だけはきちっととったんです。そのことと、そのことについては何ら遅れていないんです。
 問題は、私のいた場所のことだろうと思うんです。ですから、その場所と対応というものをやっぱり切り離していただきたいと思うんです。ただ、私のいた場所が確かに国民の御批判があることも十分承知をいたしておりますし、今、鳩山議員からもそういう御批判をいただきました。それについては私は、その場所に、そうした場所にいたということが悪いということであれば、これは私はその責任を甘受しなきゃならぬと思っております。しかし、あの場合は、あの場合は、いかなる場所であってもとの場所であっても、やはり情報がしっかり伝達できることと、その体制がきちっととり得ること、とったかということ、そのことをしっかり知り得ることの方が、私にとってはより大事なことだというふうに考えたわけです。したがって、その場所にいたことについては御批判があればこれは私は甘んじて受けなければならぬと思っております。

○鳩山由紀夫君 今の総理の答弁を伺って、まさにこのお話は総理の定義の中でも危機管理に居している話だというふうに思います。すなわち、自国の領土の外で起きた事故であり、まさに主権の問題がかかわってくるような話で、しかも、多くの方々の日本の国民の命がかかっている問題だという話であれば、当然それは危機管理の問題であるという認識を持たなければいけない。
 それを総理は、どうも単なる事故だ、遭難だから、それを何でも危機管理の問題だとするのは間違いだというふうに強弁されることは、私たちには全く納得ができない。しかも、何でゴルフ場にいて、しかも一報を聞いた後もさらに何ホールも回られたか。そのような神経が全く私どもにはわからない。
 少なくとも、国民の皆さん、特に、特に宇和島のあの高校の関係者の家族の皆さん方に対して、あなたは謝罪すべきですよ。

○内閣総理大臣(森喜朗君) 私は、御承知の方がそうないとは思いますが、私は、自分の政治家として、政治の仕事の分野に入った最初のスタートが実は宇和島でございまして、宇和島のことに関しては大変実は関心も持っておりまして、したがって心がまさに痛む思いでした。
 秘書官の報告によりますと、今捜索をしておりますということで、二十何名救出ができております、さらに続けておりますということでございましたから、何とかしてみんなが救出できるようにあってほしいなと、まさに本当に神に祈るような思いでございました。しかし、その時点ではそうした情報しか入らなかったから、私は情報収集と外務省との連絡だけはしっかりとってほしいと、それからそれぞれ政府の部内における対策本部あるいは連絡室、そうしたものはしっかりスタートするように、そしてそれぞれ責任者が動くように、そう私は指示をいたしておりましたから、そこからの連絡がしっかり来ること、そして車の中にも電話もございますし、携帯もございますが、やはり連絡がふくそうしては一番いけない、そう思いました。事実、けさも、実は誤報でありましたけれども、ロシアから出て成田に向かっている飛行機がハイジャックに遭ったという連絡が入りました。それも先ほど公邸で私が協議をしておりましたときにその連絡が入りました。第一報もそうでした。第二報もそうでした。しかし、私は動きませんでした。そして、(「官邸だから」と呼ぶ者あり!いや、それは仮に私邸であっても同じだと思いますよ。したがって、それは官房副長官がすぐそこへ参りました。様子を見ながらやはりそこで情報をとるということが私は大事だと思っています。その後、これが誤報であったということがわかったわけでありまして、私は、全体の責任をとる者としては、やはり情報をしっかりとって的確に指示をするということであって、私自身が行動をするということでは私はないと思うんです。
 ただ、今回の場合は、先ほども申し上げましたように、場所が御批判をいただく場所であったということであれば、これは私はその批判は甘受しなきゃなりませんが、しかしいかなる場所にあっても私はやはりそこは冷静に指揮をする、そして情報をとる、そのことが私は大事だというふうに思っております。

○鳩山由紀夫君 あなたは国民の生命と財産を守るその最高責任者なんですよ。その責任者としての自覚が全くないじゃありませんか。国民の皆さん方がそのような行動をすることを許すと本当にお思いですか。
 私は、あなたならば、すなわち日本国の総理ならばできることがたくさんあったはずなんです。それをなさらなかった。ようやくきのうの夜になってブッシュ大統領から電話が入った。本来ならばもっと早くブッシュ大統領にかけるべきじゃないですか。そして抗議して、しっかりとこの原因の究明をしてくれと、国民のためにそのようなことをなさるぺきではなかったか。どうもあなたはブッシュ大統領から電話が来たからそれで事足れりと思っておられるかもしれないけれども、そうではない。むしろこれからが始まりなんです。国益を担っているあなたがいかに責任を果たすか、これからにかかっているということを十分に肝に銘じていただかなければ困る。特に、行方不明者の捜索、一日も早くこれを見出していただきたいということを、それから今申し上げたような責任の追及、原因の究明、当然、何かいろんなことを言われていますが、民間人が乗っていた、操舵室に入っていたなどというような話まで出ているありさまでありますから、もしそれが現実であったら大変な話だ。これから、今こそ総理としての立場をわきまえてリーダーシップを発揮しなければならないときに、電話をもらったからよかったということじゃいかぬじゃありませんか。むしろ、これからしっかりと毅然とした対応をとっていただけるかどうか見守っていきたいと思います。
 余りにも時間がかかり過ぎておりますから、次のまた人任せの問題に入りたいと思いますが、機密費、この機密費の私的流用問題に関してお伺いをしたい。総理、機密費って、その機密って何でしょうか。何を機密と言うんでしょうか。

○内閣総理大臣(森喜朗君)鳩山さん、大変恐縮ですが、前段の話があなたの言いっ放してありますから。私は、何もブッシュ大統領から電話をいただいたのでそれでよしと思っておりません。それから、冒頭にもちょっと申し上げましたけれども、官房長官がすぐ公使を当日お呼びになっております。それから、その日の夜はパウエル国務長官から外務大臣のところにお電話がございました。私はその都度指示をいたしております。最初から、公使がお見えになったときから、捜索をまずやってほしい、その当時はまだ沈没しているという結論はアメリカは出しておりませんが、常識的には十分そのことは想定できるわけですから、沈没したのではないかという船のすぐ引き揚げを命じてほしい、私はそのことはきちっと申し上げてきましたし、翌日のフォーリー大使がお見えになったときにも私は強く申し上げました。フォーリー大使とは、鳩山さんもそうですが、長い長いおつき合い、政治家の時代からのおつき合いですが、あなたに最後にこういうことを言わなきゃならぬというのはつらい、つらいが、このことだけはしっかりやってもらいたいと、こう申し上げてきました。深海の探査をやろうというのを、このことの提案も私がいたしました。あるいは、桜田政務官がアメリカ、ホノルルに参るというときも、このことだけはしっかり厳しく言ってほしいということを申し上げました。だからこそ、アメリカの方も海軍と国家安全基本委員会と両方の調査団ができて、今御指摘があったようなことが、詳しく調査の事項が出てきたんじゃないでしょうか。そして、そのことをしっかりとこれから我々は捕捉していくということが大事だと思いますから、決して私たちは、連絡をしたから、大統領から電話をもらったから喜んでいる、そんなものじゃないと思います。むしろ、大統領はあの日は週末のためにどこかの山荘においでになったわけでしょう。私は、そういう意味では、一生懸命日本政府それぞれの部署を督励して、そして情報収集と、そして人命の救助ということに最大限の努力をしてくれ、こう伝えたことでありまして、決してそんなことで我々は甘んじて、パイプをとっているということではないということをぜひ御理解いただきたいと思います。
 機密費につきまして、どう定義づけるかということは、これは政府でいえば報償費であるということを申し上げることができると思います。

○鳩山由紀夫君 その機密費が何なのかということを伺っているわけであります。例えば、ホテル代、そのホテルの差額、そういったものもすべて機密費なのか。あるいは、きょういろいろと出ておりましたけれども、外務省の局長、これ毎年六百万飲食費用に使っている。これは全部機密費だという話です。
 何のチェックもなくそれだけ使っていいんだろうか。あるいは、次官、外務大臣は無制限に使っていい、こんな野方図な機密費では国民が泣くじゃありませんか。これ国民の全部税金ですよ。国民の税金であるならば使い道がしっかりしていなければならない。余りにもずさんだということをまず申し上げたい。そういったものも一つ一つ本当に機密費だと総理はお考えなんですか。

○内閣総理大臣(森喜朗君) 予算委員会のときにも申し上げましたが、こういう事態が起きだということは私も非常に残念でありますし、実は驚きました。特に総理大臣の海外出張ということに関してということでありますから、いわば、総理大臣という今は私は当事者ということになるわけでありますから、そうしたことが起きていたのかと思って、はっきり中し上げて怒りも覚えました。しかし、いろいろ事情も伺いました。確かにいろんな意味で不足の、足りないところを補っていくとかいろんなことがあるんだろうと思いますし、私自身も今この立場になって、外交交渉をやってみまして、確かにいろんな諸経費が必要なんだなということも少しずつその時点では理解ができました。しかし、やっぱりあってはならないことだと思います。ですから、
 この辺につきましては、外務省にこれらのあり方について、また官房長官にもこれを直ちに改めるように指示もいたしましたし、そしてまた十分に調査もするようにいたしました。要は、人がこれに当たっているわけでありますから、この人がそれぞれしっかりとこうしたことに対して御批判がないようにしていく、そういうシステムをやはりきちっとつくり上げていくということが私は大事だと、こう思っておりますし、これからもそういう厳しさをきちっと官房長官が中心になって進めていかれるということであろうというふうに思っております。

○鳩山由紀夫君 この機密費流用事件の核心は、外務省の組織ぐるみの事件であるという疑いが極めて強くなったということなんです。総理、おわかりですか。まさに、私どもも自分たちの調査をしておりますが、松尾元室長の金が外務省の幹部に渡っているんです。そういうことが平然と行われている可能性が高い。
 そのところを明かす核心の部分は、松尾元室長が持っている九つの銀行の口座、このうちまだ二つしか解明されていない。残りの七つ、まだ知られていないこの部分を解明する。どういう入金があったのか、出金があったのか、銀行に照会すればわかる話でしょう。総理のリーダーシップでやろうと思えば簡単にできる話ですから、どうしてそれをおやりにならないんですか。国民の皆さんはそのところに極めて不明があるというふうに思っておりますから、まずぜひ総理のリーダーシップをそこに発揮していただきたい。

○内閣総理大臣(森喜朗君) 河野外務大臣はこの事態を大変深刻に受けとめられて、そして調査をされた。外務省はやっぱり捜査権がございませんから、それでもう私はあの口座を一生懸命やはり外務省として調査をされたんだと思う。すべて、全部やれればそれはいいことでしょうけれども、そこまで私は外務省に権限はないと思うんです。ですから、最初の口座だけきちっと締めて、ここに不正なお金があったということがわかったから告発する、告発すればそれが捜査できる警察ないし検察で進めていけばいいことでありますから、そういう意味でその一つのきっかけを外務大臣が努力してつくられたということじゃないでしょうか。

○鳩山由紀夫君 これは別に告発したからあとは任せるという話ではないわけです。もう総裁、総理のリーダーシップでできる話なんです。現実に外務大臣も予算委員会の答弁ではっきりおっしゃっていましたが、松尾元室長とは携帯電話で連絡をとり合っているというようなこともありました。
 ですから、どんなやり方でもこの七つの残りの口座判明するじゃありませんか。どうしてそれを人任せにしてしまうんですか。もう一度しっかりとお答え願いたい。

○内閣総理大臣(森喜朗君)捜査をする権限をやっぱり持っておるのは警察だろうと思います。ですから、そこにまず捜査をさせるということの方がより確実性があるんじゃないでしょうか。外務省は、先ほど申し上げたように、外務省の中でもしあってはならないことがあるとするならば、これは解明しなきゃならぬ。そこで、たしか荒木副大臣を中心にしていわゆる副大臣、政務官でこの調査をしていこう。先ほどちょっと御指摘がございましたように、そういうふうに内部で批判を受けるような処置があったということであれば、このことはしっかり間いただし、調べていこうということで、そういう指示を私も外務大臣にいたしておりますし、外務大臣もそのことを省内にきちっと指示、徹底をしておるというこどになると思うんです。
 ですから、この問題は、私もこの事態が起きて初めて私も知ったわけですが、驚きました。しかし、鳩山さん、あなただってやっぱり官邸の官房副長官をしておられた。恐らく当時はそんなことはみんながお互いに信頼されてやっているものだろうと思って、そんなところは見ていなかったと思うんですね。ですから、それはやはり、たまたま今のこの事態ではっきり明確になってきたことですから、直ちに私どもとしてはまさにリーダーシップを発揮して捜査をし、そして告発すべきことは告発する、そういうふうに司司でそれぞれ責任を果たしていくように、そういう指導をしているわけです。

○会長(堀之内久男君)持ち時間があと一分。でございます。

○鳩山由紀夫君 はい、わかりました。確かに、私も官房副長官時代、官邸におりました。そのことも事実であります。だからこそ今総理の、森総理の時代にこのことが判明してきた以上、今の総理の責任においてこれは解明をしていただかなきゃならない話だと申し上げているわけであります。これ今総理がどうものらりくらりと逃げておられますから、これは当然外務省ぐるみの組織的な事件だけに、外務省に任してもやれるわけないですから、だから総理がと言ったんですが、総理がなさらないですから、ぜひこれは国会法百四条、堀之内委員長、国政調査権を発動していただいて、この残りの七つの口座の解明に対して努力をするようにぜひこれ委員長に取り扱いを私から要請をしたいと思います。(拍手)

○会長(堀之内久男君)ただいまの要求につきましては、両院合同幹事会において協議いたします。時間が参りました。

○鳩山由紀夫君 一言だけ申し上げます。今まで総理のお話を伺って逃げに逃げに逃げておられる態度に終始しておられる。事実というものを解明する努力をなしておられない。事実を隠べいして総理、あなた自身の命がもし長らえるとすることができても……(発言する者多し)

○会長(堀之内久男君)時間が来ておりますので簡潔にお願いします。○鳩山由紀夫君 民主主義が殺されたらどうするんですか。民主主義を生かすか、あなた自身の命を殺すか、その二者択一のときにどうしてあなたは自分の命を大事にして日本の国民の民主主義を大事にしないのか、そのところが今問われている、総理の資質が間われているということだけを申し上げて、私の党首討論を終わります。(拍手)

○会長(堀之内久男君)簡潔にお願いいたします。

○内閣総理大臣(森喜朗君)時間が来ているようですが、私は、民主主義を最も大事にいたしております。だからこそ、だからこそ、この歴代細川内閣から続いてきた不祥事といいましょうか、もしそれが不祥事であるとするならばですよ、だから今の私の代でしっかりとそのことを解明したい、そう思っているわけです。

○会長(堀之内久男君)これにて鳩山君の発言は終了いたしました。

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