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2000/09/25
首相の所信表明演説に対する代表質問(鳩山代表)
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第150回臨時国会
首相の所信表明演説に対する代表質問
民主党代表 鳩山由紀夫

(はじめに)


 私は、民主党・無所属クラブを代表して、私の所信を表明し、総理に対し質問します。

質問に先立ち、私共民主党の議員であった山本譲司君に対する刑事事件につき、この場をお借りして、国民のみなさんに改めて深くお詫び申し上げます。民主党は、政治家とお金に関して自らクリーンであることを志してきた政党として、本人に対し、即刻議員辞職と不正受給した国費の弁済を求めたところです。いずれにしても、国民へ多大なご迷惑をおかけしたことは間違いなく、二度とこうしたことが繰り返されることがないようつとめていく決意です。
 また、有珠山噴火、伊豆諸島の火山噴火と地震、及び東海地方を中心とする集中豪雨などにより、お亡くなりになられた方々のご冥福を心よりお祈りしますとともに、被災地にて困難な生活を強いられている皆様に対して改めてお見舞い申し上げます。政府においても、被災地の生活再建や復旧活動に対してタイミングを逸することなく機動的に対処するよう強く要請します。
 さて、私は、最初に全国の国民のみなさんと、本日お集まりのすべての国会議員のみなさんに対し、二十一世紀日本の新しい国のかたちを決する政治の方向について、私の所信を述べたいと考えます。



(ニュー・リベラル総論)


 森総理の所信は、Eジャパンに始まり、日本新生など「前へ進め」という号令はあっても、その先にある日本の国家像・社会像を国民に示していません。だから、スローガンが踊っても、まったく胸に響くものはありませんでした。二〇世紀末の混迷の時代、政治指導者に理念がなければ、この国は羅針盤を失って、荒波の中、漂流・難破するだけです。私は、ニュー・リベラルの旗を掲げることで、国民にひとつの国家・社会像を問いたいと考えます。
 私が主張するニュー・リベラルの基本は、「自立」と「責任」と「共生」の三つです。
 「自立」とは、自分たちがうまく行かないことの責任を他人や社会に転嫁することなく、自ら何ができるかを考え、行動することです。民主党が担う政府は、そうした自立し・チャレンジしようとする人を徹底的に応援します。これに対して、自民党の政府は、バラマキや公的規制によって個人や企業をお上に依存・従属させる政府です。
 「責任」とは、社会や友人のために行動し、自己がなしたことの結果から逃げない姿勢のことです。民主党は、政治や行政の責任逃れを認めず、規律ある社会を確立します。不良債権問題や一連の警察不祥事などに見られる通り、自民党政治は世の中にモラル・ハザードを蔓延させています。
 「共生」とは、私たち一人ひとりが社会や自然に支えられていることに目を向け、それに感謝し、共に助け合うことです。現在の政府のもと、福祉も、地方自治も、護送船団方式の産業政策も、官僚と口利き政治家への依存とおもねりを作り出してしまいました。そこに共生の精神は微塵も見受けられません。
 民主党は、依存を排し自立を支援します。責任回避を許さず自己責任を明確にします。利己主義ではなく共生の道を選択します。



(大型補正予算と公共事業の見直し)


 この観点から、以下総理に具体的に質問します。
 先ず、「景気は緩やかながら改善している」と胸を張る総理に、経済・財政政策についてお尋ねします。
 最新の調査によると、景気がよくなったと実感しているかという問いに八割以上の方がNOと答えています。また、実質成長率が二期連続プラスになったといわれる一方で、名目成長率は三期連続で前年同期比マイナスを続け、今年四-六月期の名目GDPは、前年同期比で五兆円も減っています。つまり、経済規模は縮小しているのです。失業率や企業倒産も相変わらず高水準です。金融システムも、金融機関全体の分類債権はむしろ増加していることを、総理はご存じでしょうか。残念ながら、わが国経済は、いまだ厳しい状況から脱したとはいい難いのです。それどころか、原油価格の高騰や株価下落・金利上昇に対する懸念などから、景気の先行きは、まるでラグビーボールのように、どこへ行くのかわからない状況にあると考えるべきです。
 私は、わが国経済を再生する唯一の道は、構造改革以外にないと考えています。バラマキ財政出動によってたとえ一時的に数字が上向いたとしても、その効果はカンフル注射が効いている間だけしか持続しません。規制改革や財政構造改革という手術を行って民間部門を真の意味で自立させない限り、わが国の経済も財政も行き詰まることは、火を見るより明らかです。
 そのためには、無駄な公共事業カットをはじめとする大胆な歳出の削減、規制改革の断行、そして「地域のことは地域に住む人たちが決める」という地方分権の実現を急がなくてはなりません。しかし総理は、そのような困難な仕事から逃げ、財政規律などどこ吹く風と無節操に借金を重ねているだけではありませんか。経済が回復すれば財政も再建できるなどという絵空事だけを希望的に語っているだけでは、国民は二十一世紀に明るい展望を持つことなどできるわけがありません。
 経済成長で得たパイを利益団体に還元し、選挙の集票マシーンとして期待する自民党の「利権政治」は、「自立」とは相容れず、「依存の経済」を造り出してしまったのではないか。
その結果としてのこされたのが、巨額の財政赤字であり、それはまた、現在の世代と未来の世代との共生を困難にしています。
 目先のことのみにとらわれず、将来を見据えて、いま、財政規律を確立し、財政健全化への道を歩み出すことが政治に求められています。このような時に、政府は相変わらず大型補正予算を組もうとしています。財政赤字を増やし、弱い経済を温存する上、日本経済の国際的な信用を失墜させるだけではありませんか。私はこのような補正予算は必要ないと考えますが、総理の見解を伺います。
 総選挙が終わると、自民党は突如、公共事業の見直しをいい始めました。公共事業バラマキを公約に掲げた自民党が、特に都市部において惨敗したことがその理由だといわれています。まったく動機が不純です。しかも、公共事業の見直しとは名ばかりで、肝心の量的削減の議論はまったくなく、要は事業量の確保を前提に若干の配分見直しにとどまっています。巷では、「島根よさようなら。広島よこんにちは」といわれているのを、総理はご存じですか。民主党がかねてより主張しているように、公共事業の三割カットなど量的削減にも着手する意思はないのか、総理にお尋ねします。
 私は、これからの公共事業は、五〇年、百年の単位で未来の日本、未来の地球の姿を想像し、「いま何を為すべきなのか」を考えて、そのあり方を構想していくべきだと思います。ローマクラブの創設者・故アウレリオ・ペッチェイ氏は「自然が一センチメートルの表土を造り出すのに、百年から四百年もの歳月が必要だ」と語っています。子々孫々にこの緑豊かな地球を贈り届けるためにも、私たちは、歴史の単位でものを考え、前進する知的な政治を実現していく必要があります。欧米では、ダム建設が見直され、千の単位に及ぶダムが撤去されているという現実があります。私たちは、自然と人間との共生、自然を蘇らせる親自然型の公共事業への質的転換にも大胆でなければなりません。



(あっせん利得収賄処罰法)


 次に、「あっせん利得収賄処罰法」について伺います。
 そもそも、「あっせん利得」を処罰するための法律案は、われわれ民主党が率先し、現在与党の一角を占めている公明党とも共同して再三提出してきたものです。しかし、自民党は一貫して、「日常の政治活動に支障が出る」として猛反対し、法案の審議にすら応じず店晒しにしてきたのです。
 その自民党が、世論に押されて渋々ながらも、慌てて「あっせん利得収賄罪」の与党案をまとめています。しかし、案の定、その内容は抜け道だらけのものになっています。
 例えば、国会議員が地元業者から役所への「口利き」を依頼され、その見返りとして金銭を受け取ったとします。
 その際、与党案では「請託を受け」たことが要件とされているため、「口利き」の依頼が料亭などの密室で行われていれば、その立証は極めて困難です。そればかりか、予算や税制改正などの「口利き」行為については、現実に地元業者が利益を得、その見返りとして金銭を受け取ったとしても与党案では処罰の対象とはなりません。
 しかも、国会議員としての地位を利用して役所に圧力をかけたとしても、「権限に基づく影響力の行使」に当たらなければ、処罰対象とはならないのです。それが、政策決定に重大な影響力を有する与党幹部であっても同様です。このように、自民党幹部が公言して憚らないように、「そんなに簡単には引っかからない」のです。
 また、巨額の政治資金を集める、派閥の幹部など大物政治家の金庫番が私設秘書である事例が多いにもかかわらず、私設秘書が対象外とされている点も見過ごせません。
 与党案は見せかけの改革に過ぎず、抜け道だらけになっているのです。これを以て政治倫理を高めて国民の信頼を回復することなどは、到底できません。事実、自民党内では、いかに日常の政治活動に支障が出ないか、いかに尻抜けの法律であるかを繰り返し説明することで了解を得たと側聞しています。自民党の活動に支障が出ない法律では、その実効性はほとんど期待できません。これでは森総理ではなく、ザル総理ではありませんか。
 民主党は、他の野党三会派と協力し、これらの抜け道を塞いだより実効性ある法律案を用意しています。総理には与党案の不備を率直に認め、われわれの提案を十分に採り入れて実りある法律にする気概が求められていると考えるのですが、自民党総裁としての決意をお尋ねします。



(IT革命)


 先の所信表明演説で総理は二十二回にわたって、IT、ITと繰り返しているのを私は聞いておりました。しかし、国民の皆さんのうち、一体どれだけの人が「Eジャパン構想」なるものに日本の将来像を具体的にイメージできたのでしょうか。私には、さっぱりイメージできませんでした。
 総理はまた、五年もかけて日本を情報通信の最先端国家にすると言いましたが、日本は情報通信分野で欧米には遙か先に行かれ、アジア各国にも大きく遅れをとっており、いまや情報通信分野における後進国です。一年の変化が七年分にも相当するドッグイヤーの時代です。日本におけるIT革命の命運は、この一年で政府がなにをするかにかかっています。まさに改革と基盤整備のスピードが必要だというのに、森総理は、官僚のプランそのままに、暢気な五年計画を述べています。これでは、世界に打って出ることもかないません。
 私は、政府主導で進めよと言っているわけではありません。基本は民間主導であるべきです。このようにときに、「IT講習券」という名のバラマキをはじめ、中央主導で国民運動を起こすという発想は実に貧困極まりないものです。
 私は、現在よりも遙かに安い料金、遙かに速いネットワークサービスを提供できるようになることが、喫緊の課題だと考えています。そのために、例えば、「ラスト・ワン・マイル」と呼ばれる加入者に最も近い部分の回線で、新規参入業者との競争が促進されるよう法的枠組みを整備するなど、やれることは幾らでもあるのです。
 そこで、伺います。日本を情報通信の先進国に押し上げるために、今から一年で、総理は具体的にいかなる政策を行うお考えなのですか、また、その政策を行うことで、二十一世紀の日本を具体的にどのような姿にしようと総理はお考えなのか、併せてお尋ねいたします。



(教育改革)


 次に、教育問題についてお尋ねします。
 少年犯罪、いじめ・不登校、学級崩壊。日本の教育の現場を語るのに、こうした言葉を並べなければならない現実を、私はとても悲しく、寂しく思います。二十一世紀の日本を支える人材をしっかりと育てなければならない教育現場が、いま、危機に瀕しているのです。国民が教育問題に寄せる関心も非常に高まっています。しかし、総理の言う教育改革には極めて危ういものを感じるのです。
 日本の教育改革に必要なのは、教育勅語に哀愁を感じているような、旧い精神論ではありません。社会のトップを預かる政治家や経営者に蔓延するモラルハザードには目をつぶり、子供に身勝手な道徳観を押しつけるよりも、具体的な学校改革にこそ着手すべきです。
 私は、一見地道な取り組みこそが、教育改革においては重要だということをここに強く申し上げます。親や教師、地域の人々の意見が学校運営に活かされる仕組みを整え、地域に教育力を取り戻すことがいま最も重要です。地域の自己責任で教育力を培い、子どもたちに「自立の精神」を育み、社会に対しての強い「責任意識」を育てる教育がいま必要なのです。そして、他人や自然との「共生」の感覚を養っていく、そんな教育の姿を確立する学校改革を進めていかなければなりません。
 アメリカやイギリスにおけるチャータースクール、コミュニティスクールの実験は、その先駆的な試みです。親や子ども、地域の人々が中心となって学校を運営していく、そんな地域主導の教育改革、教育の地方分権こそがいま求められています。これまでの文部省中心の中央集権的な教育行政を改め、教育の地方分権化を大胆に推し進めなくてはなりません。政府にはそうした決意が欠けていると思いますが、改めて、総理の考えを伺います。



(外交・安全保障)


 次に、外交安全保障について質問します。
 日米関係がわが国外交の基軸であるという認識は、私たちも総理の所信と同じです。しかし、従来の対米交渉にうかがえるのは、日本が自己主張を控え、米国の機嫌を損ねないようにする態度であって、政府・自民党のあまりに卑屈な「従属」姿勢です。これに対し、民主党が切り拓く日米関係は「自立した同盟関係」です。安全保障についても、日本自ら地域の平和創造のために積極的な役割を果たしていきます。同時に、在日米軍基地の整理・縮小・再配置、日米地位協定の改定といった「平成の条約改正」をめざします。
 そこで、総理に質問します。先ごろ日米政府が合意した在日米軍駐留経費について日本側の削減要求の論拠は何だったのですか?もともと日米間には「米国は軍事、日本は財政」という役割分担がありましたが、新ガイドラインの締結によって日米間の役割分担は変化したはずです。それを背景に交渉すれば三十億円程度と言われる今回の削減幅にとどまるはずはなかったと私は考えるのですが、この度の特別協定改訂について、総理の考えを改めて伺います。
 昨年、東チモールでは独立をめぐって騒乱が起き、人権侵害とインドネシアの不安定化という見過ごすことのできない事態が起きました。にもかかわらず、わが国の法律や憲法のもとでは東チモールのPKOに自衛隊を派遣することはできませんでした。こうした事態を放置しておいて、森総理が「幅広く戦略的外交を積極的に展開し、『世界から信頼される国家』を実現」すると息巻いたところで、世界中で誰が聞く耳を持つでしょう? 東チモールやシエラ・レオーネで行われているような、平和執行の性格を持ったPKOにも日本は責任を果たすべきか否か、総理の明快な見解を求めます。
 私は偏狭なナショナリズムを好むものではありません。日本は、近隣アジア諸国や国際社会との共生を果していくべきだと考えています。
 そのためにも過去の歴史問題を含め、真の信頼醸成に努力することが必要です。総理のように外遊してお土産に経済援助をばらまくという外交をいくら続けても、日本と世界との共生は決して生まれないのです。
 ヨーロッパではEU独自の軍事力を構築しようとする努力が始まっており、アジアでもアセアン地域フォーラムを中心に、共通の安全保障環境を整備しようと挑戦しています。朝鮮半島では南北両国が平和の構築にチャレンジしようとしています。日本だけが「あれはできない、これは困る」と身勝手な都合を振りかざそうとしても、二十一世紀の国際社会はそれを許してくれません。
 憲法があるから日本にはここまでしかできないという「はじめに憲法ありき」の考え方にとどまる限り、この時代の変化に適応することはできません。「日本が地域や世界の安定のために果たすべき安全保障上の役割は何か?」を真剣に問いかけるときだと思います。憲法が押し付けかどうかという後ろ向きの議論に終始するよりも、こうした本質的な問いに答えを出すことこそがわれわれの進めるべき憲法論議の道ではないかと思います。総理の所見をお尋ねします。
 森総理、これまで述べてきた問題はすべて、政治のリーダーシップに関わるものばかりです。総理自身、「政治には一日の休止なし」と言っているのですから、これらの課題について、あれこれと理由をつけて逃げ回るのではなく、総理自ら予算委員会や党首討論に出席して、さらに大いなる論議を深めようではないですか。それこそが国民に対する説明責任を果たすことにもつながるはずです。せめて、党首討論の週一回の実施は約束していただきたいと思いますがいかがですか。



(参議院選挙制度改革問題)


 最後は、参議院選挙制度改革問題です。
 現在参議院議長の下に設置された参議院選挙制度改革に関する協議会において、「良識の府」たる参議院のあり方を含めた抜本的な改革の議論を積み上げてきている最中です。にもかかわらず自公保与党三党は、その議論の積み上げを全く蔑ろにし、自分たちが過半数を維持するためだけに、なりふり構わず選挙制度を弄ぼうとしているのです。これでは、党利党略丸出ではないですか。
 しかも、来年の参議院選挙に間に合わそうと、既に残り一年を切っているこの時期に無理矢理、制度改革を強行しようとしており、あまりに拙速に過ぎると言わざるを得ません。
 そもそも今回の改革は、久世前金融再生委員長への利益提供問題に絡む、自民党費肩代わり問題に端を発したものです。自民党が参議院比例区の候補者に党員名簿の提出を求め、候補者が業界団体等に名簿の提出と党費の肩代わりをさせてきたーーこうした構造が「口利き・手心・えこひいき」の利益誘導政治の温床になっているのです。あなた方は、金で議席を売り買いしているのではないですか。
 しかし自民党は、党費肩代わり問題を曖昧にし、まるで久世問題は選挙制度のせいだとでも言わんばかりに、選挙制度改革に問題をすり替えたのです。それが真相ではないのですか。
 現在の制度は、「残酷区」「銭酷区」とも言われた、かつての参議院全国区を比例代表制に改め、「金のかかる選挙の一掃」をめざしたものです。ところが与党三党が打ち出している改正案は、それを逆行させ、再び天文学的な金のかかる選挙を復活させるものになっています。与党案は類い希な「天下の悪法」に他なりません。民主党は、与党三党が目論んでいる非拘束名簿方式の導入には、断固として反対します。
 そこで森総理に伺いたい。なぜこの時期になって急遽、選挙制度を無理矢理変えなければならないのか、選挙制度の問題は与野党が十分な議論を重ねて双方の納得づくで進めるべきものであると考えますが、総理のお考えをお聞かせください。



(むすび)


 戦後日本は、アメリカと官僚の強い影響力の下で、「依存の文化」をつくり上げてきました。護送船団方式の経済政策は、政治と行政と業界のもたれ合いをもたらし、無責任な社会を生み出してきました。福祉は、上からの「お恵み」と下からの依存で成り立ってきました。地方自治は、補助金への依存と中央へのおもねりとをつくり出してきました。
 外交もまた、「世界のために何ができるか」を考えることもなく、ひたすらアメリカに依存し、世界の国々からの信頼を失うものとなっています。それらは共生と似て非なるものです。
 私は、冒頭において、時代が求めるニュー・リベラルの思想は、「自立」と「責任」と「共生」であることをお話ししました。そして、日本の政治はいま大きな岐路に立たされています。
民主党は、日本の政治の中に初めて生まれた、ニュー・リベラルの立場に立った本格的な政党です。これ以上、依存・無責任・利己主義の政治を続けさせるわけにはいきません。民主党は、日本社会の中に「自立の文化」を育み、責任と共生とが織りなす二十一世紀日本の新しい国づくりにチャレンジします。
 私はこの国が好きです。日本人としての誇りを持っています。国民の皆さん、シドニー・オリンピックが開かれているこの時に、日本を世界に誇ることのできる国に創り上げていく仕事を、私たちと一緒に始めようではありませんか。
 私自身、その先頭に立つ覚悟をここに強くお誓いし、私の所信と質問を終わります。

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