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2000/03/08
第2回国家基本政策委員会合同審査会 議事録
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平成十二年三月八日(水曜日)午後三時開会
〔本岡昭次君会長席に着く〕

○会長(本岡昭次君) ただいまから国家基本政策委員会合同審査会を開会いたします。
 議事に先立ちまして一言申し上げます。
 本日の会長を務めます参議院国家基本政策委員長の本岡昭次でございます。よろしくお願いします。(拍手)
 首相と野党党首が国家の基本政策について討議する本合同審査会は、国会の審議を活性化し、政治主導の政策決定を確立しようとする国会改革の柱であり、会長として職責の重要性を痛感しております。
 委員の皆様の御協力のもと、小里委員長とともに、本合同審査会に負託された使命を果たしてまいりたいと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。(拍手)
    ─────────────
○会長(本岡昭次君) 国家の基本政策に関する調査を議題とし、討議を行います。鳩山由紀夫君。(拍手)

○鳩山由紀夫君 まず冒頭、総理にお尋ねする前に、本日九時に日比谷線脱線事故が起きました。亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げるとともに、被災された方々のお見舞いを心から申し上げたいと思っております。
 総理、このことに関しても早速連絡室を設けられたというふうに承っております。事故の原因究明はもとより、しっかりとした再発防止の策をぜひ手だてていただきたいと思います。それにしても、ちょっとその時間に散髪をなさったのは危機管理の意識が欠乏されておられるんじゃないかなというふうに申し上げざるを得ません。
 今、ちまたでどういう話が出ているか、総理、御存じですか。本当に私どもとして悔しい話でありますが、うそつきは警官の始まりと言われていますよ。まじめに国家のために努力をしている警官にとってこれほど寂しい言葉はありません。泣いておるんじゃないかと思います。
 この問題に対して総理はどのようにお感じになっておられるか、まず述べていただきたい。

○内閣総理大臣(小渕恵三君) まず、私からも、今日発生いたしました地下鉄事故は、恐らく地下鉄が建設されて以降、これほどの大きな事故が発生した、もちろんサリンの事故のようなことは別といたしましても、大変な事故でありまして、亡くなられた方々に心から御冥福をお祈り申し上げたいと思います。
 また、被災をされた方々が、現在政府としても事後の処理と同時に被災された方々の対応について全力を挙げて対処させていただいておりますけれども、一日も早く御回復されるようお祈りいたしますと同時に、原因究明については徹底的にこれを解明していく指示を申し上げたところでございます。
 若干、私の散髪のことに触れられましたが、あえて申し上げるまでもないかと思いますが、実は九時二十分ごろ私のところへ報告がございました。きょうはクエスチョンタイムでございますので身だしなみはと、こう思いまして、私、九時半に予定をしておりました。そこで、二十五分に官邸の玄関で担当の秘書官からお聞きしまして、どうなっておるかと、五分後ですけれども聞きましたら、まだ残念ながら十分な調査報告が出ていないと。それならばということで、私、議員会館に参りました。
 ところが、議員会館で始めましたら、実はテロが起こったか、爆弾事故にもみなされるということでございましたので、私は四、五十分いつもお世話になるんですが、十分で切り上げて帰りまして、そしてその後の対策については二階大臣にもお話をしたり、申し上げたように、これからどう対応するかということについて全力を挙げた次第でございます。御理解をいただきたいと思います。
 そこで、今日、警察官の大変不祥事故が起こりまして、まことにこれは残念至極でありますと同時に、特に新潟県の事件につきましては、それこそ私も言語道断と申し上げさせていただいたような、まことに起こることがあってはならない事件であったと思っております。
 長くて恐縮ですけれども、私は、あの事件のときにふと思ったのは、本当に九年二カ月ぶりに少女が監禁が、事件が明らかになったというときに、本部長が他の場所において、その指示をせずに、そして監察の方とやっておったということでありました。俗っぽく言えば運が悪かったということかもしれません。(発言する者多し)ありませんが、ここが大事な、ちょっと静かにしてくださいよ。ここが大事なところで、私はまことに、まさに天網恢々疎にして漏らさずということはまさにこのことではなかったかと思っておりまして、こうした事件が起こったら、本当にこの大変な天もこれを見逃さなかったこういう事件について、事後にどういう処理するかということがこれは極めて重要なことだ、こう考えておりまして、私どもはこれを禍を転じて福となして、この日本の警察官、御案内のように二十六万人に及ぶ方々のほとんどが国の治安のために全力を挙げてやっておられる、そういうことの思いをいたしますと同時に、ここで改めて日本の治安に対して責任を持つ警察が本当に心新たに対処しなきゃならぬという思いがし、私も治安の責任を持つ最高の責任者としての責任を深く考え、これはこの問題について全力を挙げて、その解決のために、また将来のためにいたしていかなきゃならぬということについて、心からそのような思いがいたしておるのが現在でございます。

○鳩山由紀夫君 はしなくも、総理、運が悪かったとおっしゃったことは、これは体質の問題で、見つからなければみんなやっていたということをおっしゃったに等しいですね。非常に問題だと私は思いますよ。
 この新潟県の県警の件は、本質は、責任逃れのために真相というものを明らかにしたくないから、すべて事実をうそでうそでうそで塗り固めてきたところが一番の問題じゃありませんか。その結果、最後には国家公安委員長までが、持ち回りの会議を開いて、実際には本当の会議は開かなかった、持ち回りで決裁をしたことを会議を開いたかのように見せかけた。うその答弁をされたというところが大変大きな問題じゃありませんか。そのことを総理は御存じだったんですか。それとも御存じでなかったんですか、それだけお聞かせいただきたい。

○内閣総理大臣(小渕恵三君) ちょっとこれも誤解があってはいけませんが、私は俗に運が悪かったということで過ごせない問題だと、こう言っておるのでありまして、私はそのことがよかったと申し上げていることではないということだけは、これは鳩山さんも御理解いただけると思っております。
 そこで、その後の経過につきましては、国会でも衆参両院でこうして御議論になっております。私も昨日国家公安委員長から、昨晩も、そしてきょうの本院の委員会の状況について御報告をいただきました。いろいろと経過はありましたけれども、国家公安委員長といたしましては、今回の国家公安委員会における処理につきましては、まさに緊急性の問題があり、一日も早く本問題について違法性が、処分をしなければならぬと、こういうことのために全力を挙げたということで御報告をいただいておりまして、私はそのことを信頼して今後の対応をいたすべきと、こう考えておる次第でございます。

○鳩山由紀夫君 総理、今お答えになってないんです。私が伺いたいのは、この持ち回りで決めたことを、それを隠して会議をあたかも開いたように見せかけた、そのことを事前に総理は報告を受けておられたのか、受けておられなかったのか、それを伺いたい。

○内閣総理大臣(小渕恵三君) そのことの国家公安委員会の逐一の報告は、私、その報告を受けてはおりません。

○鳩山由紀夫君 受けてないとすれば、これは大変に報告の義務を怠った国家公安委員長の責任は大変大きいんですよ。
 私は、かつてこのクエスチョンタイムで、二回目のときに神奈川県警の問題を取り上げて、総理に対して、国家公安委員長、責任をとって罷免をさせるべきではないですかと申し上げた。しかし、そのときは、総理、また罷免をなさらなかった。そして、何をされたか、また特別監察という制度をおつくりになった、形をつくられた。その特別監察制度が機能したんですか、していないんですか。まさにそれが不祥事を起こしたんじゃないんですか。形をつくってそれでいいと、そんなふうに思っておられる総理の問題。
 私は総理にも大変な責任があると思いますが、まずは国家公安委員長の罷免を私どもは要求します。いかがですか。

○内閣総理大臣(小渕恵三君) 先ほど申し上げましたように、国家公安委員長といたしまして、みずから総理してこの国家公安委員会を招集してその処分について御議論をされたということは、その後の国会の御議論を通じて、御本人もそうしたことではなかったということは承知をいたしております。
 しかしながら、今日、この処分以降のことにつきまして国家公安委員長として何をなすべきかということを私なりに考えますと、やはり国家公安委員長としては、この問題を処理するためにこうしたことが二度と再び起こらないための処置、すなわち国家公安委員会のあり方をめぐりましても検討するその責務があるだろうと私は考えておりますので、そうしたことを懸命に努力し、そして警察の信頼が回復できるために、このせっかくつくられた国家公安委員会制度というものをいかに守っていくかということについて国家公安委員長としての責務を果たすことが私としては望ましいことだと思っておりますので、今御指摘のように、罷免をするというようなことは毛頭考えておりません。

○鳩山由紀夫君 このような、国家公安委員会が確かに機能を果たしていないということはみんな万人が認める話でありますから、国家公安委員会は当然のことながら本質的に改組されていかなきゃならないことは言うまでもありません。しかし、それで問題の本質が片づいたというのは間違いなんです。
 私が申し上げたいのは、今、人心を一新しない限り、この問題に対して国民の不満、当然おかしいなと思っていることが結局またうやむやにされて、第三者機関とかいいかげんなものをつくって、それが本当に魂が入ればいいけれども、魂が入らないものをつくってしまうことによってまた同じ問題を起こしてしまう。
 本質的な問題の解決のためにはやっぱり私は国家公安委員長を罷免しなければならないと思っていますが、もう一度お答えを願いたい。

○内閣総理大臣(小渕恵三君) 国家公安委員長を罷免すればすべてが解決するとは私は思いません。
 国家公安委員会の制度につきましては、鳩山代表もお話しのように、これは長い歴史のことを申し上げるつもりはありませんけれども、私ども、内閣総理大臣としては大臣である国家公安委員長を命じて治安の総合的責任を負っておると、こう考えておりますが、しかし警察法四条によりまして、内閣総理大臣は、警察法上、所轄すると、また所轄という言葉はなかなか難しい言葉ですけれども、監督、責任はないが監督するというなかなか難しい立場に実はおります。
 したがって、こういうことを含めまして、今、鳩山代表もお話しされましたが、国家公安委員会のあり方等、戦後こうした行政委員会がいかに役割を果たしてきたかということも含めて、これはぜひ検討すべき課題であるということは私も承知をいたしておりますが、現下、保利国家公安委員長におかれては、この問題について、しっかりとした先を見詰めていかなる措置を講ずるかということをすることが私はその責任を果たすゆえんだと、このように考えております。

○鳩山由紀夫君 それでは、別の角度からちょっとお尋ねを申し上げたいと思いますが、総理になられてから警察の不祥事はふえていますか、懲戒免職はふえていますか減っていますか。おわかりですか。

○内閣総理大臣(小渕恵三君) 具体的数字はすべて記憶しておりませんが、いろいろマスメディアをにぎわすような事件がかなり起こっておることにつきましては大変心を痛め、かつその原因を検討しなければならない思いを常々いたしておる次第でございますが、ケース・バイ・ケースでございますが、それぞれ考えられないようなちょっと事案が起こって、警察は一体何をしておるかという強い御批判も十分耳に届いておるつもりであります。

○鳩山由紀夫君 総理になられてから極めて懲戒免職はふえているんです。倍増しているんです、昨年、二十件から三十九件にふえているんです。重犯罪も一五%ふえているんです。警察のモラルがまさに地に落ちたその結果としてこのようなこと、国民の生活を不安に陥れているわけじゃありませんか。
 総理になって、行政関係の不祥事、余りにも続発していると思いませんか。ジェー・シー・オーの原子力行政の問題も含めて言えば、農水省の構造改善局の汚職もあり、防衛庁の背任事件もあり、そして越智通雄さんのあの暴言からくる手心発言というものがあった。行政、政治をめぐる政府・与党の余りにも緩み切った態度、これが国民に大変な問題を起こしてしまっているということをどうして総理が自覚されないんですか。この問題が私は本質だと思う。
 そして、そのときにいつも首を切られる。何人の首が切られたか。閣僚がまず三人、そして政務次官も一人首を切られた。首を切ったり、そして何か箱物をつくって、あるいは組織をつくってそれで事足りたという思いが、これが全然解決に結びついていないということを理解しなければならないんじゃありませんか。
 私どもはこの問題、タイは頭から腐ると言われていますね、まさに魚が頭から腐るようにこの官僚制度、行政、内閣、政治の役割も十分に果たしていない中で今完全に頭が腐ってしまっているという、その問題をやっぱり総理の責任として痛感をしていただかなきゃならない。
 もう一度お答え願いたい。

○内閣総理大臣(小渕恵三君) 一般的ことわざをお使いになって言っておられますが、頭とはということになると私と、こう指名しているのかもしれませんが、私はさようなことは全くありません。やはり、重き責任を負って、世の中が精神的にも弛緩をしない、そして公務員の制度もしっかりやっていかなきゃならぬという思いをいたしております。ただ、残念ながらいろいろの事案が発生していることについては反省をし、その原因を一つ一つたどっていかなきゃならぬと思っております。
 やはり、公務員につきましてはまさにそのモラールといいますか士気と、そしてしっかりとしたモラルがなければならぬわけでありまして、これは当然のことながら最高責任者たる私においてもしかりと心得てこれからしっかり対処していくということに尽きると思っております。

○鳩山由紀夫君 こればかり申し上げるつもりはないんですが、今私が申し上げた、頭と申し上げているのは必ずしも総理のことだけを指しているわけではありません。
 今、やめられた方々、司法、そして防衛、治安、そして金融じゃありませんか。まさに国の中枢を担うべき方々が不祥事を起こして責任をとってやめられている。これをヘッドクオーターの腐敗と言わずして何と言うのでしょうか。私どもは、この問題を追及していかなきゃならないと思っているんです。本質的な解決をするためにまさに政治がしっかりとした対応を示さなきゃならないし、内閣の行政内部に対する統制能力というものが欠如しているのだとこれは断言せざるを得ないんです。私どもはそんな思いで申し上げているのであって、その意味で長としての、まさに総理としての小渕総理の責任を問いたい、そう思っているわけであります。
 答弁ございますか。

○内閣総理大臣(小渕恵三君) それは、常々その責任を痛感しながらそれぞれ対処いたしていかなきゃならぬと思っております。ただ、それぞれの責任ある立場の方が辞任せざるを得なくなったということにつきましてはまことに申しわけない、遺憾のきわみだと思います。しからば、これについて政府としてもその原因を十分究明しながら、どこに原因がありそれをいかに改善すべきかということの努力をいたしていきたいと思いますが、どうぞひとつ、願わくば野党第一党におられる民主党におかれましても具体的な成案を、例えば公安委員会の問題についてもどのようにお考えになるかということも含めて御議論いただければ、お互いに切磋琢磨しながらよりよい国の運営について努力をさせていただきたいというふうに考えております。

○鳩山由紀夫君 この問題はまだ尽きませんが、時間がなくなってまいりましたから次に移らせていただきます。
 総理、この三月六日に発表された総務庁の家計調査、ごらんになったと思いますが、景気の動向、いかがですか、景気はそれでも回復基調にあるとおっしゃり切れますか。

○内閣総理大臣(小渕恵三君) 残念ながら、昨年の十、十一、十二月、こういうところにおける家計におきましてはボーナスの減少その他におきましてやはり収入が減じておる、このことが翻って言うと支出にもつながっているということで、大変数字的には芳しいものではありません。しかし、ことし一月に入りまして以降の数字はかなりこれが改善されつつあると思っておりますので、年度を通じまして目標をぜひ達成できるように努力していきたい、こう考えております。

○鳩山由紀夫君 そうおっしゃる総理の認識はやっぱり甘いと思いますよ。
 この一月にむしろサラリーマンの収入三・六%減っているんですよ。去年が二%、ことしの一月が三・六%減っているんです。消費支出も同じように昨年全体で二%減っていますが、ことしの一月は四・一%も減っているんですよ。だから、サラリーマンの皆さんは、食べる物も五%も減らして、着る物も五%減らしている。そのぐらいの切実な思いで皆さん生きておられるんですよ。
 そんな状況であるのに、一月になってから景気は回復してきている、全然数字的にもそのような数字はあらわれていませんが、今の答弁撤回されないとおかしいと思います。

○内閣総理大臣(小渕恵三君) もちろん、各月のいろいろと統計というものは注目して見なければなりませんけれども、それにはそれぞれの経過がありますから、私はこの一月、二月、三月だんだんこれはよい方向に消費も向かっていくんだろうと、こう考えておるわけでございまして、それと同時に、今大変給与が減っておるということも指摘されましたが、一方ではやっぱり残念ながら卸売物価も下がりぎみでありまして、かつて我々が最初に国会議員に出たときには必ず毎年インフレーションが多くなっていかに物価が上がっていくかということが悩みの種でございましたが、現在は逆にデフレになって下がっていくということも心配しなきゃならぬ。
 ですから、収入とそれから支出については物価動向というものもこれも当然勘案されなければ、総合的な生活の問題というのは評価できないんじゃないかと、こう思っております。

○鳩山由紀夫君 さまざまな世論調査を見ても、昨今の小渕内閣支持率も下がっていますが、その支持率が下がる一番大きな原因、何で小渕総理を支持しないんですか、経済政策に期待が持てないというその数字が今一番大きくなりました。
 今までは景気、景気、それこそ一週間に一兆円、八十三週間で八十三兆円も赤字をふやして、国債をどんどん増発して、しかも残念ながら景気はよくなっていかない。そのオブチノミクスと言われている小渕総理の経済政策に対して今批判が大変に強まっている。どうしてこのようにざぶざぶばらまいているのに景気がよくなっておられないのか。
 結局は、小渕総理のまさに政策は、ゼネコン、銀行、そういったところばかり優遇をするえこひいき政策だからこそ大事なところにしっかりとした心が備わっていないんじゃありませんか。違いますか。

○内閣総理大臣(小渕恵三君) 改めて二年前をちょっと想起していただければありがたいと思いますけれども、私が就任いたしました時点において、一つの経済指標であります株式におきましても、今でも覚えていますが、十月九日が一万二千八百九十七円、今二万円近くになっています。もちろんこの二万円の中のことをもう少し精査しなきゃなりませんが、少なくともこうした株価に見られるようなことにつきましても、先行的に将来においては望ましい方向があるんだろうと思っております。
 したがって、金融制度改革を含め安定したやっぱり金融システムというものが生まれ、そしてそれぞれの経済再生政策並びに新生政策をとるということにおいて、必ず私は経済成長も上がってくると。いかに批判的なことを申し上げるよりも、数字的にこれからプラス成長になっていくということを確信し、その努力をすることが現下で一番大切なことだ、こう考えております。

○会長(本岡昭次君) 鳩山由紀夫君、時間が経過しておりますので、発言は短くお願いします。

○鳩山由紀夫君 総理の希望的な観測とは裏腹に国民は大変な不安におびえているんです。
 それはリストラ、失業の不安であり、増税の不安であり、将来が見えない老後の不安です。この三つを解決するために、総理は消費が減退しているから景気景気とおっしゃる。そしてばらまいておられるけれども、財政出動をしても決して景気がよくなるどころかむしろ財政赤字が不安感をあおっているじゃありませんか。マイナスのスパイラルに入り込んでしまっている。それを抜け出していくために、一つだけ最後にそれでは総理にお伺いをしたい。
 規制緩和とおっしゃる。私どもも規制改革は大変に大事だと思っていますが、今自民党の中に規制改革に逆行する動きがあるじゃありませんか。それに対して、総理は毅然として閣議どおりにお進めになるんですか。

○会長(本岡昭次君) 発言は終わってください。

○鳩山由紀夫君 それとも自民党の圧力にまた負けてしまわれるんですか。それだけ最後にお伺いしたい。

○内閣総理大臣(小渕恵三君) 規制緩和は、経済構造改革の大きな柱だと私は思っております。そういう意味では、政府として決定をいたしましたその方針については、これを完全に守らなきゃならぬと思っております。
 ただ、自民党の中にいろいろな御意見のあること、これを御批判されましたが、自由民主党はまことに自由な政党でありまして、いろいろ中小企業の皆さんの声というものも吸い上げなきゃならぬということで御議論をされていることまで否定されますと、政党として私は成り立たない。
 しかし、政府としては申し上げたように、基本的方針については、これを遂行する努力をいたしてまいりたいと思いますので、御協力もお願いいたしたいと思います。

○会長(本岡昭次君) 以上で鳩山由紀夫君の発言は終了いたしました。

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