参議院第1委員室
【小里貞利・衆議院国家基本政策委員長】 国家の基本政策に関する件について調査を進めます。
これより討議を行います。
発言の申し出がありますので、順次これを許します。鳩山由紀夫君。(拍手)
【鳩山由紀夫・民主党代表】 小渕総理に質問申し上げます。
小渕総理、残念ながら今、日本の政治は不信の海の中にあります。嵐の中にあると言ってもいいんじゃないでしょうか。「結局はあなたは政治家なんですね」と言われたときに、それは決して残念ながら評価ではなくて、侮べつであったり、さげすみであったりする。実に残念な現象だと言わざるを得ない。何でこのような不信の海の中に今日本の政治はなければならないのか、簡潔にお答え願いたいと思います。
【小渕恵三・内閣総理大臣】 確かに、国民の中には、いろいろな政治家に対する不信、あるいは政治家を低く見る風潮があることは私も承知をいたしております。
しかし、我々は、国民に選ばれた者としてみずから自負を持ち、国と国民に対して責任を持つというしっかりとした精神を持ってその職務を遂行すれば、必ずや国民の皆さんはそのことを理解していただける。あえてみずからさげすむ必要はないと私は思います。
【鳩山由紀夫・民主党代表】 残念ながらまた後でこの議論はしなきゃならないぐらい答弁になっていないと私は思うんです。
予算委員会でも残念ながら総理はなかなかお出ましになれない。本来ならもっともっと総理自身の考えをお聞きしたいのが、それは国民の当たり前の考えである。にもかかわらず、残念ながら国会の状況の中で総理はなかなかお出ましになれない。
私は、むしろ、国民に対して正直な政治というものを行うことを、自分自身が謙虚になる、国民の一人なんだという思い、全然国民から回避されている政治じゃなくて、自分自身が国民そのものなんだという、それこそ自負でもって仕事を行っていただかなきゃならないと思っています。
そこで、私は、やはり国民を代表して総理にお尋ねをしなきゃならないことがある。それは、総理の個人的な問題でありますが、NTTドコモ関連株の話であります。どうしても国民にとってわからないことは、何で亡くなられた方から総理の右腕と言われている秘書官に株が譲渡されたのか、それがどうしても説明できないのであります。お答え願いたい。
【小渕恵三・内閣総理大臣】 まず、本日、国家基本政策委員会が開かれることになりました。国会活性化という意味合いにおきまして、政府委員制度を廃止されたり、あるいはまた副大臣がこれから、来年の1月6日から新しい制度になります。その中でこうして野党党首の皆さんと討論のできますことは、まことに意義深い、私も誠実にこの役割を果たしていきたいというふうに思っております。特に、ネクストプライムミニスターという鳩山さんでございまして、私の方から言うと、いつまでもネクストでいてもらいたいと思っておりますけれども、やはりそれぞれ政党を代表する党首として真剣にお話し合いをしたいというふうに思っております。
そこで、本件のお尋ねでありますが、私は、一つの雑誌、一つの週刊誌、いろいろなところで取り上げられたことをこの貴重な時間の中ですべからく説明することはいささか気が引けるわけでございますけれども、せっかくのお尋ねでございますのでお答えをいたしますれば、私の秘書官がかつて株を取得し、昭和63年にそのことができたわけでありまして、その当時は今のドコモなどということは全く予想のできない時点でありました。
しかも、その株についてはその当時の会社の役員からあえて引き受けていただきたいということで引き受けたわけでございまして、何らのやましい点もございませんし、しっかりとした手続も踏んでおるわけでございまして、これを疑惑というような名のもとにお話をされることは甚だ遺憾だと本人も思っておりまして、このことにつきましてはしっかりとした捜査当局で明らかにし、いずれこれが司法の場に出た場合にはその判断をいただくということでありまして、いやしくも一週刊誌がその本人に向かって株券を盗み取ったとかだまし取ったとか言われるゆえんのものは、まことに本人の名誉にかかわる重大なことであると同時に、私もそうした人間を長い間活用して協力していただいたということを考えますと、翻って言えば私にも及ぶことでございます。
私自身の名誉もいずれ回復いたしたいと思っておりますが、きょうは長い時間申し上げる機会がありませんが、重ねて申し上げれば、本人は何らの恥じるところはない、当然のことをやってこの株券を引き受けさせていただいて、そして持参をしてきた、こういうことでございますので、私は、この場面でこうしたことをお話し申し上げるよりも、しっかりとした捜査当局の判断をいたセいて、疑義を明らかにし、黒白をつけていただきたい、このように考えておる次第でございます。
【小里貞利・衆議院国家基本政策委員長】 当席より申し上げますが、総理よりかなり詳しい御説明をいただいたようでございますが、皆様方に申し上げます。
当初申し上げましたように、当国家基本政策委員会の審査のあり方については申合せ事項がございますから、よろしく御協力をお願い申し上げます。
【鳩山由紀夫・民主党代表】 私は、ですから総理に簡潔に私の質問にだけお答えを願いたいと思っております。そうなれば極めて簡潔になります。お答えになっていないんです。
上場されていない企業が、当然の話、「株式譲渡承認申請書」というものを取締役会で承認されていなければ、株の譲渡ができないはずになっている。だから、これを一枚お示しになればすべて潔白だという証明になるんです。ところが、これをいつまでたってもお出しにならないものですから、何かあるなと、国民は、そして私どもは不信感を大変募らせてしまう、それだけの話です。
ですから、この承認書を見せていただきたいということを申し上げている。
【小渕恵三・内閣総理大臣】 民間の企業、既に今日はNTTから分離されてドコモになっておるんでしょうけれども、その企業体が私は持っておられるのだろうと思います。ただ、このことについては、当然捜査当局がこれをしっかりとした手続を経て要請されれば、例えば株主総会において譲渡についてきちんとした役員会を開いて出されておるということでございますので、私はこの捜査の過程でそのことは明らかになる、このように考えております。
【小里貞利・衆議院国家基本政策委員長】 再三申し上げて恐縮でございますが、いわゆる当該内閣の基本政策、あるいは鳩山党首自身の党の基本政策等について議論をいただくよう、お願いを申し上げます。
【鳩山由紀夫・民主党代表】 基本政策を申し上げる前に、政治家本人の信義が疑われているわけですから、幾ら政策を述べようと思っても、信義というものが疑われていたらどうしようもない。そこで私は申し上げているだけであります。
私は、したがいまして、お互いにみずからの潔白を証明しようじゃないですかと申し上げたいんです。
私に対しても全くでっち上げの五千万円の献金事件なるものが誕生しているんですよ。これも一つの雑誌の手記によるものでありますけれども、このようなものに対して私も当然告訴をしました。ただ、これは法的な処理の話で、今問われているのは政治家の道義的な責任じゃありませんか。この問題に対してお互いに黒白をつけようじゃありませんか、私はむしろそう言っているんです。
ですから、あなたやあなたの秘書官、私も私自身、証人喚問を要求されたら出ますよ。そのようなことをして、公の場でしっかりと黒白をつけるということによって政治家が信頼をされるんですよ。それが行われないから、あくまでも政治家は何か隠しているな、そんなふうに思われるだけじゃありませんか。
【小渕恵三・内閣総理大臣】 鳩山党首が自分のことを明白に明らかにするということは、それは私があえて申し上げることではありません。
しかし、私の秘書官について問題があるとすればいずれの点であることかということを明らかにされずに、私自身がそのことをすべからく承知をいたしておるということはありませんので、もし必要とあれば、何と何とを明らかにすべきということにつきましては、既に捜査当局が告訴状をしっかりと受けとめてこれを受理しておるわけでございますから、その中で処理できるものと、こう思っております。
【鳩山由紀夫・民主党代表】 この問題ばかりやっていても切りがないんです。私も本質的な問題を行いたい。ですから、きょうはこれぐらいにさせていただきますが、国民の皆さん方にとってこれではわからないんです。解決されないんです。ですから、もし身の潔白というものをお互いに証明できるのならば、潔くその場に出て頑張りましょう、そう申し上げているだけの話でございます。
さて、私としてもむしろ財政の議論をさせてもらいたいと思います。財政の議論に移ります。
総理、今、国と地方の借金、645兆円ですよね。大変な長期債務になってしまっている。国債の発行残高だけでも364兆円でしょう。だから、あえて総理は豪語されたんですよね、世界一の借金王だと。どんなおつもりで世界一の借金王だと、どんなお気持ちでお述べになったんですか。(発言する者あり)
【小里貞利・衆議院国家基本政策委員長】 一言申し上げておきます。
傍聴者の諸君、御静粛にお願いいたします。
【小渕恵三・内閣総理大臣】 今、我が国が抱えております債務は極めて大きいわけでございまして、645兆にもなんなんとする中央、地方のこの赤字財政、赤字を抱えておるわけでありまして、そのことにつきまして、私といたしましても一日も早くこれを解消しなければならない、常々その思いを持って毎日この仕事に専念しておるわけでございます。
ただ、しかしながら、いつも申し上げておりますように、私の内閣がまず与えられましたのは経済の再生、景気の回復ということでございまして、そのためにとるべき手段としてやはり財政出動もなければならないということでありました。
したがって、この点については、かねて民主党でもそうでありましたけれども、やはり財政改革を進めていくための財革法も凍結もしてもこれをやらなきゃならない。したがって、財政改革を行って財政を健全化するということと現下の経済再生を行うということの二兎を追うことは極めて困難である、こう考えまして、私といたしましては、財政を再建することは後として経済を活性化するということがあるわけでございます。
そこで、お尋ねのように、借金王と申しましたのはたまたま党のパーティーで申し上げたのでありますが、私としては一日も早くこれを解消しなければならないということの気持ちと同時に、しばしばアジアに参りまして、日本がいわゆる宮澤構想も含めまして、財政が厳しい折でありますけれども、日本としてはどうしてもアジアとともに歩まなければならないということでございまして、日本としてはこれだけの借金を負っておる、国民に負っておるということをそうした方々にもよく理解を求めるという意味で申し上げたわけでありまして、言葉として不適切であるということであればこれは取り消しをいたしますけれども、私の気持ちとしては今申し上げたような趣旨でそのことを申し上げた、こういうことであります。
【鳩山由紀夫・民主党代表】 「不適切だからこれは取り消す」というお話がありました。それは素直に承りたいと思います。でも、総理のそのようなある意味では軽はずみの「世界一の借金王」という言葉で、日本の信頼が売られてしまったり国債の格下げなんというようなことが事実になる可能性すら出てきてしまっているということじゃありませんか。やっぱり言葉は慎んでいただかなきゃならないということであります。
それで、私が伺いたいのは、総理になられて、それでは国債の発行残高、どれだけふえたんですか。特にこの三年間でどのぐらいふえたのか、額をお示しいただきたい。
【小渕恵三・内閣総理大臣】 たしか100兆円を超えておると思います。
【鳩山由紀夫・民主党代表】 おっしゃるとおり、109兆円ということで、それは今までの364兆円の三割ですよ。総理になられてから、わずかの間に三割の国債を発行された。残高がそれだけふえたんですよ。まさに「世界一の借金王」かもしれない。しかし、それは一体だれが返すんですか。総理、あなたが借金王とおっしゃるけれども、あなたが返すわけじゃないでしょう。だれがこの借金を返さなきゃいけないんですか。
【小渕恵三・内閣総理大臣】 経済を再生し、そして日本の経済をより大きなものにし、そして税収を確保する。所得税、法人税にいたしましても、これを獲得できるようなそういう経済運営を行うことによって、将来ともしっかりとした土俵を固めた上で返す努力をしていくということになるんだろうと私は思っております。
特に、先ほどお話し申し上げませんでしたが、財政赤字といいますか、国債を発行せざるを得なかった理由のことは幾つも申し上げるつもりはありませんけれども、例えば所得税あるいは法人税その他につきましても前年引き下げをいたしました。引き続いて本年も、12年度も行いたいということでございまして、そういう意味では、歳入が少なくなるということを行いましても、いずれ将来はこれが還元されてくるだろうという政策の中で今厳しい財政状況に相なっておるということでございまして、いずれ将来に当たってこれは日本の経済が活性化すれば必ず返済をできるという確信のもとにいたしておるわけでございます。
【鳩山由紀夫・民主党代表】 総理、総理が4年前、平成8年、総選挙のときのこれ公約ですよ、公約。きょうお持ちしました。
私の目標というところの中に、「思い切った行政改革の断行により、さびつき、ほこりをかぶった行政の仕組みを変え、巨額の累積赤字を抱え込んでしまった国家財政を立て直します」とありますよ、ここに。立て直すどころじゃないじゃありませんか。累積赤字をお一人で100兆を超すほどふやしてしまったわけでしょう。今だれに返すんですかとはっきりとしたお答えなかったんですが。そして、「子や孫に借金を残さずに来るべき高齢化社会にも安心できる福祉社会、全力で取り組んでまいります」とおっしゃっている。全然社会保障政策もでたらめの中で、国家財政立て直すどころじゃないじゃありませんか。これは理由はいかにせよ、公約違反であることはお認めになりますか。
【小渕恵三・内閣総理大臣】 その選挙における公約を実行しようということでございますが、それは衆議院議員選挙でございますが、その後私はこの総理大臣という大役をお引き受けいたしました。したがって、衆議院議員の選挙において公約したことを総理大臣として実現する努力をしておるその過程だと、こう御理解いただきたいと思います。
【鳩山由紀夫・民主党代表】 全然その過程が逆の方向に向かっているというだけじゃありませんか。それでは国民納得しません。
ここにさらに書いてあるんですよ。「混乱した現状を収拾するために未来への明るい青写真を描きという、財政再建のための青写真を描く」とおっしゃっている。何にも未来に対して、財政を立て直すためのメッセージ、青写真、国民受け取っていないんですよ。それだから心配しているんです。もう一度お答え願いたい。
【小渕恵三・内閣総理大臣】 先ほど申し上げましたように、日本の経済を何としても大きくしていくという主張があると。しかし、そのためには、私が就任する以前に2年間にわたりまして日本経済はマイナス成長をしてきたと。マイナス成長を続けていけばますますもって税収は不足してくるわけでございまして、そういう意味でそれを改善していく努力をし、おかげさまで97年にマイナス0.1、98年にマイナス1.9がようやくことし0.6になろうとしておるわけでございまして、この勢いをつけていくことが極めて重要だと私は考えておるわけでございます。
ちなみに、御質問ばかり受けておりましてお尋ねもしたいと思いますが、民主党は財政健全化十ヶ年計画を策定すると言っておりますが、その中で財政赤字をGNPの60%以内に縮小するとしておりますが、具体的にはどうするかも私にお話しいただければ、参考になれば大いに参考にさせていただきたい。
【鳩山由紀夫・民主党代表】 まず、総理は私の質問に完全にはぐらかす話ばかりしかなさっていない。私は公約違反かどうかということをお尋ね申し上げている。確かに経済が厳しいということはわかります。だから、景気回復のために仕事をなさるということは、それはそれなりに私どもは理解をします。でも、でもですよ、それで景気、それではよくなっているか。経済成長率は、実質でお話しされましたけれども、名目ではまだ1999年は減っているじゃありませんか。50兆円、国と地方で借金をふやして、それで2兆円マイナスじゃありませんか。全然景気これでトータルとしてよくなっているとは私どもは思えない。
さらに、2000年度の予算でも40兆円を費やして、それでたかだか4兆円GDPをふやすという話をしているんじゃありませんか。余りにもこれ非効率な景気対策だと。間違ったばらまきであり、癒着体質の中での景気対策をやろうとするからいつまでたっても景気がよくならないんじゃありませんか。
我々は、それこそ財政再建、まずはばらまき体質を、癒着体質を排除することから始めます。公共事業に対してまず当然のことながら質と量の大胆な見直しを行いながら、そして国と地方、この分権の社会の中で中央の権限を縮小することによって可能なんです。私どもは、もし政権を渡していただけるならばその十ヶ年計画で実現させていきますよ。
【小渕恵三・内閣総理大臣】 お答えがないままでございますが、重ねてお尋ねすれば、日本経済が2%以上の自律的成長軌道に戻るまでは財政刺激策は継続しなければならないというのはそこにおられる菅さんが民主党の代表選で公約をいたしたことでございまして、やはり日本経済をきちっとした安定した成長に持っていくことがなければこの財政改革を行うこともできないんです。
ですから、まずは日本経済をプラス成長として安定化する努力を今いたしておるということでありますから、その努力をすることは、私は、私が選挙のときに公約したことと何ら違反するものではない、このように考えております。
【鳩山由紀夫・民主党代表】 財政の中立命題という話があります。私は、その細かいことを今ここで申し上げるつもりはありません。
しかし、総理は二兎を追う者は一兎をも得ずとおっしゃった。そうではないんです。今こそ二兎を同時に追わなきゃならない。総理は、二匹のウサギが全然違う方向に走っていると思っておられる。そうではないんです。二匹のウサギは同じ方向に走っているんです。
財政赤字がこれだけ巨額になると、そのことによって将来への不安というものが増すんです。今、国民の大きな不安、三つあるじゃありませんか。リストラ、失業の不安でしょう。高齢化時代を迎えてまさに老後がわからない、老後の社会保障が見えない、この不安でしょう。そして、将来この巨額な財政赤字のために必ず増税があるんじゃないか。この三つの不安におびえているわけです。
だから、財政の構造改革こそ今そのメッセージをしっかりと、青写真を示さなきゃいけな「。今すぐに緊縮財政をしろということを私たちは申し上げているわけじゃないんです。しっかりとした構造改革のメッセージを出していただきたい。
【小渕恵三・内閣総理大臣】 財政構造改革等、それは現在も行っておるわけでございまして、私が二兎を追うと言うのは、景気を回復させるというための財政支出と、財政改革を行って、そして今申し上げた累積したこの国債を減らしていくということを一挙に行うことはできないというのが私の考えでございまして、これは全く見解をある意味では異にするのかもしれませんが、私はそういうことで、一方に専心をしていくということが、結論的に言えば最終的には国民に対して責任を負い得るものだと、このように考えております。
【小里貞利・衆議院国家基本政策委員長】 申合せの時間がぼつぼつ迫っております。
【鳩山由紀夫・民主党代表】 私は、総理、総理が景気対策という一兎を追っているとおっしゃる。しかし、残念ながら、ウサギは別の方向に逃げているんですよ、これはもう。一兎をも追っていることにならないから問題だというふうに申し上げている。
二兎を同時に追うことによって二兎ともしっかりと先を見ることができると申し上げているのに、残念ながら総理は間違った方向に、相変わらずの従来型の公共事業重視、そういう方面ばかり追求しておられるから、残念ながら景気対策というウサギも追うことができていないんじゃありませんか。国民は、そのことに大変な不満を募らせているわけであります。
あえて申し上げれば、最後に、答弁は要りませんが、総理がねらっているウサギは、景気対策というウサギではなくて単なる自民党中心の政権を維持するという政権維持のウサギじゃありませんか。そういうウサギを追うことが間違いだということを申し上げて、時間が参りましたから私の質問をおしまいにします。
【小里貞利・衆議院国家基本政策委員長】 申合せの時間が参りました。
では、総理、一言。
【小渕恵三・内閣総理大臣】 経済が悪い方向に行っておるというそういうお尋ねですが、私の認識では緩やかな回復基調にあるというふうに思っておりまして、設備投資も、あるいはまた広告料の売り上げ等も相当今上向きになっております。また、アジアに対する輸出もふえておるわけでありますので、着実に私どものとっておる政策は進んでおるという認識をいたしております。
それから、公共事業について触れられましたけれども、公共事業については代表も、現在の三分の二程度に減らすことが適正であると、こう言っておられますので、後ほどまたいつの日か聞きたいと思いますけれども、そういうこともあろうかと思います。
公共事業につきましても、全国でどう考えるかということも問題だと思うんですよね。例えば代表のお地元の北海道とかあるいは沖縄県とか、こういうところには、他の、全国に比べますと大体13と8ぐらいの違いであるわけです。したがって、公共事業を行わなければ、それぞれの地域社会が破綻をするという問題もあるわけですから、一律にこれを引き下げるということはあり得ない、こういうふうに考えております。
【小里貞利・衆議院国家基本政策委員長】 これにて鳩山君の発言は終わりました。
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