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2000/01/15
民主党の2000年度活動方針
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民主党



はじめに



 民主党は、一昨年の第18回参議院選挙で国民の熱い期待を受けて以来、新しい政権の実現を求めて多様な課題にチャレンジしてきました。2000年はその実現へと大きく踏み出す総選挙の年です。これまでの様々な取り組みの成果をいかんなく発揮し、「新しいミレニアムに、新しい政府」を実現するため、全力を挙げていきます。

 そのため、昨年とりまとめた「政権政策」をベースに、新たに「選挙政策」を国民に提示し、鳩山代表を首相候補者として、国民が直接的に政権を選択できるチャンスを創り出さなければなりません。

 また、鳩山代表の下、より機動的かつ迅速な意志決定をめざした党機構の改革が行われ、代表を首班とするネクスト・キャビネットが設置されました。今後、小渕内閣に代わる次の政権を担いうる存在として、その活動を国民に積極的にアピールしていくことが重要です。

 昨年発足した自自公連立政権は、西村前防衛政務次官の暴言に始まり、朝令暮改の企業・団体献金問題、朝三暮四の介護保険制度の見直しなど迷走に次ぐ迷走を続けています。とりわけ制度実施を目前に控えての介護保険制度の見直しは、自自公が理念も政策合意もない単なる数合わせ政権であることを如実に示しました。

 自自公は、年金制度や医療保険制度についても、抜本改革を先送りし、小手先の手直しに終始しています。これに対し、未来への責任を果たす民主党は、将来の社会保障のビジョンを国民に提示していかねばなりません。

 昨年末に成立した第2次補正予算は、相変わらずのバラマキ型公共事業を中心とするその場しのぎの景気対策であり、経済の構造改革を先送りする「上げ底経済」の演出に過ぎません。その結果、多くの国民が景気回復の実感をもてないまま、将来世代への負担となる国の借金ばかりが膨張し続けています。政策を政局の道具としてしか扱わず、政権を維持するためならば何でもありという自自公連立政権は、日本を破滅の道に導くものであり、直ちに国民に信を問うべきであります。

 民主党は、次の総選挙を、「次の選挙のことしか考えない自自公連立政権」か、「未来への責任を果たす民主党を中心とする新しい政権」かを国民が選択する場と位置づけています。間もなく召集される通常国会での冒頭解散をも視野に、万全の体制をもって総選挙に臨んでいきます。




【1】 民主党中心の新しい政権をめざして


1.日本再生にチャレンジする改革政策の展開


1.政権交代をめざすネクスト・キャビネット

 2000年1月の通常国会から、首相や与党党首と野党党首との党首討論の場として、「国家基本政策委員会」が衆参両院に設置され、定例化されます。
 また、中央省庁再編に合わせて副大臣22人、現在の政務次官にあたる政務官26人が新設され、閣僚とともに本会議や委員会で答弁や討論が行われます。
 従来の官僚依存から政治家主導の国会審議への転換をめざす国会改革をすすめるにあたり、政権担当型政党への進化をめざす民主党としては、ネクスト・キャビネットの役割が生きる国会とするために、次のような基本的スタンスをもって取り組んでいくこととします。


1.政府委員制度が廃止されても官僚は「政府参考人」として委員会に招致されます。政治家より官僚の答弁を重視 したりすれば、政治家同士の討論の意味が薄れてしまうことになるので、政治家同士の論戦を重視した新しい制度の内実を、民主党のイニシアチブによって積極的につくりあげていきます。


2.第146回臨時国会時に提案したネクスト・キャビネット部門別会議と部門別チームの一層の充実をすすめます。ネクスト・キャビネットを形成した目的は、ネクスト大臣の活 躍に加えて、ネクスト・キャビネットの各部門が現在の省庁に対抗した活動を常に心がけ、実践することでした。そのためには、各ネクスト大臣の主導のもとに、議員政策秘書を含めた担当事務局体制の確立が急務です。


3.ネクスト・キャビネットは、巨大与党に対抗し民主党の存在感を内外にアピールしていくためのシンボルといえます。この点をふまえ、優れた情報収集力と自前の政策産出機 能システムの形成をはかるとともに、ネクスト・キャビネットに焦点をあてた広報・宣伝のあり方、ネクスト大臣のマスコミへの積極的な対応など、民主党として相乗効果のあるイメージづくりのための工夫をはかります。



2.2000年度の具体的な政策課題

 2000年度の戦略的な政策課題の追求はNCでおこなわれ、包括的な国民との約束は総選挙政策で明らかにされているところです。この項では、したがって2000年度に政策調査会が個別のテーマとして立案作業を継続していくもの、および新しい課題として取り組むことが現時点で決まっているものについて、NCの担当別に現時点での課題整理を報告することとします。

(1)外交・安保


<外交>

○ODA改革PT:政策とりまとめ

○地位協定見直し案。


<防衛>

○緊急事態法制PT:民主党としての考え方のとりまとめ。次期通常国会で政府・与党側から法案提出の可能性がある

○PKF凍結解除(含む東ティモール支援):次期通常国会で政府・与党側から法案提出の可能性がある

○核管理問題PTの政策とりまとめ

○普天間代替飛行場建設への対応。


<沖縄・北方>

○沖縄県における駐留軍用地の返還に伴う特別措置に関する法律の一部を改正する法律案。



(2)財政・金融


<財政>

○財政投融資改革=政府案に対する対案づくり:政府案は、特殊法人の効率化、郵貯・年金の自主運用等の点で問題あり

○財政健全化ビジョンの策定:危機的な状況にある財政を健全化するための中長期的ビジョンの策定。


<金融等>

○預金保険法改正=ペイオフが実施される2001年4月以降の預金保険制度づくり:特別公的管理等の破綻処理スキームを存続させるか

○生命保険会社破綻処理スキームの構築:公的資金の投入を認めるか。


<NPO税制等>

○NPO支援措置:特定非営利活動法人(NPO法人)に対する税制上の支援措置等の検討。





(3)消費者・産業


<消費者>

○消費者契約法:参議院に12月9日衆議院に12月10日提出:消費者が事業者と対等な立場において契約を締結することができるよう、消費者契約の効力等に関し必要な事項を定め、消費者契約の締結過程及び内容の適正化を図るとともに、その実効性を確保するための措置を講ずるもの。


<産業>

○中小企業政策のうち人材育成・発掘/事業承継支援策

○自然エネルギー政策

○(技術の殿堂となる)技術・技能院法案の策定

○政府提出予定の確定拠出年金法案は、厚生、大蔵、通産、労働の所管。産業・消費者部門会議としても関与

○証券市場の株式会社化解禁(雇用・新産業育成PT)

○中小企業基本法見直しのフォローアップ

○産業競争力・知的財産権強化策をPTで検討。




(4)社会資本整備


<PTでの検討>

○総合交通網整備PT:総合交通体系の確立に向け政策立案を図る

○過疎対策PT:新たな過疎対策の考え方について政策をまとめる

○都市住宅整備PT:都市住宅基本政策の立案

○道路関係特殊法人PT:道路公団をはじめとする道路関係特殊法人の問題点を明らかにし、構造改革に向けた政策を立案。


<公共事業PT>

○NCで確認された「公共事業の基本的考え方」をふまえ、公共事業個別事例についてその是非を検討する。


<バリアフリー>

○事業者に義務を課し、交通のバリアフリー化を進める法案策定
○移動制約者をボランティアが移送するサービスを合法化する法案策定。




(5)雇用・社会保障


<雇用>

○募集・採用における年齢差別禁止法案

○雇用保険法改正案(含む育児・介護休業中の所得保障25%から60%への引上げ措置)

○財形年金改正案:党内での調整が必要

○雇用対策:雇用対策PTでまとめ

○企業組織再編等に伴う労働者保護法案:次期通常国会政府提出予定の商法改正(分社・分割法)を意識したもの

○個別的労働関係調整法案

○仕事と家庭生活両立支援法案。


<年金>

○政府案への対案づくり(基礎年金の抜本改革等)

○確定拠出型年金に対する検討。


<医療>

○医療制度及び医療保険制度の抜本改革案の策定。


<介護>

○スーパーゴールドプランの検討

○低所得者対策(保険料や利用時自己負担の軽減措置)

○自立と判定された高齢者への支援策(ケアハウス、グループホーム等充実)


<その他>

○社会福祉基礎構造改革について検討

○児童手当拡充について検討


<社会保障制度調査会>

○民主党のめざす21世紀社会保障ビジョンづくり


<障害者政策PT>

○新障害者プランの策定

○障害を理由にした欠格条項の廃止


<薬害再発防止PT>

○薬害再発防止策の検討




(6)地方分権・政治行政改革


<地方分権>

○改正住民基本台帳法廃止法案(継続審議)
○地方分権の実施状況のフォローアップ

○警察改革の推進。


<国会移転部会>

○国会等移転審議会の答申をふまえて、候補地および首都機能移転の是非についての党の考え方をまとめる。


<政治改革部門>

○[1]次回総選挙までに措置すべき緊急課題

(1)衆院小選挙区で法定得票数に達しなかった重複立候補者の比例代表選挙名簿削除
(2)衆議院議員および参議院議員の補欠選挙および再選挙の期日統一
(3)くら替え等の立候補禁止
(4)比例代表選挙当選議員の政党間移動の禁止
(5)ホームページ等を用いた選挙運動の解禁
(6)選挙期間中の書籍・パンフレット類の宣伝規制
(7)ポスター等選挙運動内容・量の検討


○[2]早急に措置すべき課題

(1)企業・団体献金の「ぬけ道」規制策として政党の団体寄付の禁止及び、団体寄付を受けられる政党支部の限定と寄付額の制限
(2)収支報告書等の保存期間の延長及び透明化(コピー解禁)
(3)国会議員の地位利用収賄罪法案
(4)在日永住外国人の地方選挙権


○[ 3] その他、検討すべき改革課題

(1)比例名簿繰上げ補充規制 (繰上補充を選挙後3ヶ月以内に限定)
(2)18歳選挙権及び被選挙権年齢の低年齢化
(3)立候補休暇制度法案
(4)在外邦人の選挙区投票機会
(5)戸別訪問の解禁
(6)再選挙規定の見直し
(7)連座制により当選無効となったものの立候補禁止対象選挙の拡大。




(7)環境・農水


<循環型社会>

○資源を節約し、廃棄物の管理を徹底する、資源節約・廃棄物管理法案

○化学物質規制を強化する化学物質法案

○ライフスタイルを転換させるための環境教育を推進する法案

○循環型社会を構築するための税制(炭素税・エネルギー税)のあり方


<オゾン層保護>

○オゾン層を破壊するフロンの回収を義務づけるオゾン層保護法改正案。


<遺伝子組換PT>

○表示のあり方や安全性の問題について検討。




(8)教育・科学技術


<教育>

○30人以下学級推進する「小学校、中学校及び高等学校の学級規模の適正化の推進等に関する法律案」

○中高一貫教育の推進に関する法律案(継続審議)、「21世紀教育改革ビジョン」の策定。


<原子力>

原子力安全規制委員会設置法案

○原子力防災法PT:茨城県東海村で発生した原子力事故に対して、原子力安全委員会があまりにもぜい弱であったため、国家行政組織法第8条の諮問機関から、同法第3条の独立した行政委員会に強化。




(9)情報・通信


<情報化への対応>

○高度情報化社会PT等の報告を集約し、民主党としての体系的な情報通信政策を取りまとめる

○電気通信事業法改正への対応も含め、情報通信コストの適正化(長期増分費用方式の検討を含む)策を検討する。さらに規制緩和を推進すべき課題を点検し、提言化する。




(10)司法


<司法制度改革>

○2001年7月に政府の司法制度改革審議会が答申予定。ポイントは参・陪審制度の導入と法曹一元制度の実現。


<立法・法改正>

○犯罪被害者法制の確立:次期通常国会に政府案が提出される予定
○倒産法制の整備:労働債権の優先順位の引き上げ。国際倒産への対応。




(11)男女共同参画・人権・総務


<男女・共同参画>

○民法の一部を改正する法律案(選択的夫婦別姓):民主・共産・社民共同提出。


<個人情報保護>

○個人情報保護法制の確立:自自公は、基本法を2年以内に制定するとともに個人情報保護の必要性が高い分野では個別法を整備するとの方針を決定。


<戦後処理問題PT>

○戦争被害の真相究明のため恒久平和局を設置する国立国会図書館法の一部を改正する法律案:第145国会に衆院提出、継続

○「従軍慰安婦」に対し、国の責任で謝罪をし名誉回復をするために必要な措置を講じる「戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案」:法案化する

○旧日本軍の軍人・軍属で、これまで援護措置や特別給付の対象外とされてきた在日韓国人等に特別給付金を支給するための、「特別永住者等である戦傷病者及び戦没者等の遺族に対する特別給付金の支給に関する立法措置」:法案化する。また、現行の日本人を対象にした戦傷病者戦没者遺族等援護法の特例措置を講じることができないかどうか、あわせて検討していく。



 予算・決算についてはNC中心に予算のありかた、税制改革などが提案され、その他昨年中に新たに「憲法調査会」「国会Gメン」が設置されている。





2 自自公連立政権を解散に追い込む国会活動


1.通常国会に臨む基本姿勢

 通常国会は1月中旬から下旬にかけて召集されます。現職衆議院議員の任期は今年の10月19日までとなっており、今秋までには必ず衆議院の総選挙が行われます。

 そこで、いつ総選挙が行われるかが国会対策上も重要な意味をもちます。自自公という巨大な与党を1日も早く解散・総選挙に追い込み、理念なき連立と数による横暴に終止符を打たなければなりません。

 そのような大前提のもと、当面の課題について以下の通り対応いたします。

 最初に2000年度予算案への対応です。この予算案も従来型のバラまき予算であることに変わりはなく、国の借金体質、赤字国債への依存度は一段と高くなります。財政構造改革の展望がないままに繰り広げられる自自公政権のバラまき予算には厳しく対応していきます。

 次に第146回臨時国会で野党の強い反対で継続審議となった「年金関連3法案」、医療費値上げ問題がからむ「医療法の改正」がテ−マとなります。いずれも国民生活に直結し、国民生活の将来に関わる重要な問題です。さらには同じく継続審議となっている衆議院比例選挙区定数を削減するための「公職選挙法の改正」もあります。いずれも十分な審議時間をかけ、国民の納得のいく結論を出す必要があります。


2.国会改革への対応

 また、次期通常国会からスタートとする「国家基本政策委員会」では、毎週1回与野党の党首による討論(クエスチョン・タイム)が行われ、TVを通じて国民に直接訴えかける討論が行われます。

 さらには2001年の省庁再編に伴う、国会の常任委員会・特別委員会の再編問題があります。民主党は、国民が今、わが党に何を期待しているのか。この点を十分に踏まえながら、国民にわかりやすく、納得が得られる国会対応をめざします。


3.参議院での重点課題

 参議院においても、自自公による強引な国会運営に対して、充分な審議時間の確保と徹底した審議を求め、小渕政権と対峙します。

 民主党・新緑風会は議員立法を積極的に行い政策立案能力をアピールします。法案の一部に問題がある場合は法案修正を行い、特に問題がある場合は廃案を求めて断固として闘います。また絶対多数の自自公に対抗するため、個別の法案では他の野党各会派と積極的に連携していきます。2000年はこれまでのバラまき型予算の景気に対する効果がなかったことが明確になり、国債増発による金利上昇、景気低迷が再び失業率の悪化をもたらすなどの問題が出てくることが予想されます。早期に衆議院の解散総選挙を求め、小渕内閣打倒に向けて衆院側とも積極的に協力して国会運営を行います。




【2】 多様なネットワークを結ぶ政権政党の創造


1.民主党の姿をより鮮明に


 総選挙実施年にあたり、どのようにして民主党の結束力と活動量を高め、国民に民主党をアピールするかが課題となります。

 全国研修会は、より多くの民主党支持者や市民活動家、女性が全国の地域から参加し得るよう、日程や企画の充実をめざします。

 代表選挙については、総選挙の時期を見極めつつ、より開かれた、多くの人が参加できる制度の確立を追求します。そのためには、各都道府県連はもとよりとして議員、党員の協力が必要であり、定期大会を含めて活発な議論を要請します。

 党機構と党運営は、国民にわかりやすく、明快なものとすることをめざします。また、47都道府県連の設立が完了しましたが、党本部、議員、候補者、支部等との間でのより迅速かつ正確な情報の相互交換が求められます。インターネットの活用など、地域の議員や県連とのネットワーク確立を含めた情報機能の充実をめざします。


2 党組織の確立とネットワークの形成


1.党組織づくりの基本方向

 民主党がめざす新しい政党の姿は、幅広い人々の連携と協力のネットワークに基礎を置くものです。党の地域組織は様々な政治課題にチャレンジし、政策的にも運動的にも発信力の高い組織として、そうしたネットワークの中心を担うことが求められています。

 民主党に期待を寄せる多くの市民の参画を求め、様々な分野のネットワークを結び、地域の活動センターとなる党地域組織の整備確立を引き続き進めます。


2.総選挙推進体制の確立

 総選挙への取り組みは、民主党が直面する最重点課題であり、党の総力をあげた取り組みを展開して、政権交代を確実なものとしていかなければなりません。そのために300小選挙区総支部体制と、本部・各ブロック・各都道府県連が一体となった選挙体制を早期に確立し、総選挙勝利に向けた取り組みを進めます。


3.地域活動センターとしての地域組織の整備強化

 47都道府県の組織整備を終了し、民主党全国ネットワークの整備の課題は、新たな段階を迎えています。民主党地域組織を、市民に開かれた多様な取り組みを進める「地域活動センター」として位置づけ、これを拠点に、総選挙や民主党代表選挙、様々な民主党全国キャンペーン等の取り組みと連動して、党員・サポーターの募集、党勢の飛躍的拡大強化をめざします。

 そのために各都道府県連実務担当者を中心として党活動の経験交流や実務研修のための「民主党実務研修会」を開催します。


4.地方自治体議員フォーラムの取り組み

 国・地方自治体が対等・協力関係を基礎とする地方分権の新たな段階を迎えて、地域発の自立的な分権政治をめざす地方自治体議員の役割はいよいよ重要となっています。結成された「民主党地方自治体議員フォーラム」を、地方分権政治推進の中心軸を担うものとし、引き続き地方自治体議員の情報交流や政策研修を中心に運営していきます。

(1)地方自治体議員の政策研修や情報交換の場として、今年夏頃を目途に「民主党地方分権政策集会」(仮称)を開催します。
(2)地方自治体議員の日常的な連携を強めるための媒体として、地方分権情報誌「LOCALNETWORK連」(季刊)を引き続き発行するとともに、紙面の充実をめざします。
(3)全国各地における地方自治体議員のネットワーク形成の促進を目的としてブロック単位での「自治体政策セミナー」(本部・地方自治体議員フォーラム共催)の開催を計画します。


5.多様な協力・連携軸の創出

 市民活動団体や各種団体、労働団体、宗教団体などとの政策懇談会やフォーラムの開催などを通じて、相互の交流をはかり、共通の政策課題の解決に向けて協力しあう恒常的な協力・連携関係の創出に努めます。

(1)各種団体等とのネットワーク

 政府予算編成や税制改革等への積極的対案活動の一環として、各種団体・業界団体からのヒアリングや政策懇 談会などを設定し、幅広く意見・要望を吸収し、各種の政策に反映させます。さらに各種団体等の抱える諸課題の解決に向け、各界各層と民主党との協力関係を強めます。

(2)労働組合とのネットワーク

 連合本部(政治センター)・地方連合を問わず、政策・運動両面における連合との協力・連携関係を一層充実強化していきます。また各産別労組とともに、民主党の政策・政治活動のあり方や産別労組の抱える政策課題等について相互理解を深め、政策形成に向けた調査研究や検討を行う政策フォーラム(政策懇談会)の取り組みを進めます。

(3)学生との協力・共同の取り組み

 民主党に期待を寄せる多くの学生の自主的な取り組みに協力し、党の政策や取り組みに関する積極的な交流の機会を追求し、協力関係の創出をめざします。


6.地域における市民との双方向ネットワークの形成

 地域における市民の自立的な活動を支援し、多様な双方向のネットワークを幅広く形成していくために、地域フォーラムの開催やNGO・NPOなどへの積極的支援、市民政策形成への援助や情報提供、キャンペーン協力の推進などに取り組みます。

(1)市民政策議員懇談会と市民活動との積極的な連携

 「市民政策議員懇談会」の取り組みを通じて、市民活動の政策形成に積極的支援を行います。このため「市民 がつくる政策調査会」をはじめ、様々な政策課題を抱える多様な市民活動団体との幅広い連携を追求し、政策要望の立法化、民主党法案へのパブリックコメントなどに取り組み、双方向のネットワーク形成を進めます。

(2)地域介護サポートチームの取り組み

 今年4月から実施される介護保険制度の円滑な実施と制度定着、積極的な制度改善の取り組みを引き続き進めます。
 また各地の地域介護システム確立の取り組みの交流や情報提供をはかり、地方自治体における活動を支援します。



3.総選挙必勝をめざす広報・コミュニケーション活動の展開


1.総選挙に集中します。

 2000年は20世紀最後の総選挙の年です。広報委員会はこの歴史的な総選挙で自自公に勝利すること、このことに一切を集中します。そのため、計画的・戦略的な広報・広告展開をこころがけ、国民に訴えるべきポイントを絞り込み、それを映像・サウンド・ペーパー・電子情報などメディア・ミックスで展開します。総選挙の宣伝活動の基本的な方向、主要な流れを各候補者・民主党県連に周知徹底し、政見放送でイメージが散漫にならないようにします。


2.インターネットを重視します。

 99年末に代表らのビデオ・メッセージを民主党ホームページ上に設けましたが、今年は1月にホームページを本格的にリニューアルし、党組織・セクションと連携してインターネットを党の情報発信・情報リンクの中心にすえ内容を充実します。民主党によるプロバイダー業務を検討するとともに、インターネットを総選挙で活用するために知恵をしぼります。地方組織や議員・候補者がインターネットを利用できるよう研修会を開催します。


3.第一次情報の取材態勢を整備します。

 ホームページ、「月刊民主」などの基本は日々の民主党情報の取材によってつくられます。現在の「民主党FAXNEWS」の取材態勢を整備します。


4.活字情報を充実します。

 「月刊民主」の充実・拡大をめざすとともに、昨年創刊した隔月刊の民主党情報誌「D'ear」の内容を洗練し安定発刊します。「D'ear」の有料部数を増やすとともに、広告収入への対応を準備、同誌の点字版も発行します。また、ブックレットなどタイムリーなテーマの冊子の発行や政策・理論誌の発行を検討します。


5.ビデオ部門をレベルアップします。

 ホームページ上で始めたビデオ・メッセージを定例化するとともに、テーマごとに地域で利用できるビデオ・メッセージを作成します。


6.外部協力者との連携に務めます。

 広報委員会の活動を効果的に行うため、様々なレベルで外部の方々との協力関係をつくります。また、きめ細かなメディア対応を心がけ、週刊誌やスポーツ紙などへと窓口を拡げるとともにメディア・トレーニング等を企画します。



4 多様な国民運動との連携


1.市民参画で政策を実現する国民運動の展開

 総選挙に向けて、支持基盤の拡大に集中した国民運動の取り組みが求められています。国会活動に即座に対応した全国各地での街頭宣伝活動の体制確立は急務の課題です。また政治や政策実現に対する市民参画の要求をサポートすることを通じて、市民と民主党との出会いの場を広げ、民主党に対する期待と共感を拡げる幅広い活動が求められています。特に、政治に高い関心をもちながらも政党や組織的運動への参加に距離をおきがちなNPOや個人に対して、中長期の展望をもった地道な働きかけが重要になっています。


2.当面の課題

(1)間近にひかえた総選挙に向けて、選挙対策本部と連携し、民主党のイメージや政策を国民に明確に伝達するコミュニケーション活動を全国各地域で展開します。国会で政 府与党と明確な対立軸を形成できる政策テーマや、幅広い国民の共感を集められる課題を軸にした全国各地域での街頭宣伝活動やキャンペーンの強化、党幹部による 戦略的な遊説やイベント実施につとめます。またインターネットを活用した迅速な情報発信と意見募集など、双方向性をもったネット上での新たな国民運動に着手します。

(2)政治や政策に高い関心をもつNPOや市民との連携の拡大に向けて、民主党の議員立法案に関する市民参加キャンペーンを進め、国民の意見を汲み上げ双方向のコミュニケーションをはかる民主党の活動スタイルを定着させます。そのために「交通バリアフリー法案」や「デモクラッツ起業家支援プラン2000(仮称)」など党の新たな政策提案に関するシンポの開催やパブリックコメント募集活動に取り組みます。また介護保険や児童虐待、環境問題など市民の関心が高いテーマを選択し、様々なキャンペーン活動に取り組みます。



5 男女共同参画社会の実現をめざして


1.女性も男性も自分らしく生きられる社会をつくる

 男女共同参画委員会では、女性も男性もジェンダー(社会的・文化的性差)にとらわれることなく、個性と能力を最大限発揮できる男女共同参画社会の実現を目指して活動していきます。また、仕事と家庭の両立支援、子育て支援、女性の政治参画促進など政策課題の具体化と運動を進めます。各地の市民団体とも連携して、民法改正(選択的夫婦別姓)、女性への暴力、児童虐待問題にも取り組み、権利擁護を進めます。


2.21世紀は女性の時代、もっと女性を議会に送ろう

 統一地方選で高まった女性の政治参画促進ムードをさらに強めるため“21世紀は女性の時代、女性をもっと議会に”をスローガンに衆議院総選挙へ向けた新たなキャンペーン(仮称・1/2プロジェクト)を進めます。
 各地で開催してきました女性キャラバンを引き続き女性候補の擁立県や各県連男女共同参画委員会の協力の下、計画していきます。
 「女性支援基金」の確立と発展を目指して個人寄付の拡大、新人の女性候補への支援と併せたイベントを企画していきます。
 「女性のための政治大学」の第2期の開催と地方での開校を検討し、女性のエンパワーメント(力をつける)と人材育成をはかります。


3.地域での男女共同参画社会づくり

 全国の女性地方議員ネットワーク設立に向けて、11ブロックごとの世話人会議、東・西ブロック政策研究集会を開催します。また、各県連の男女共同参画委員会の体制づくりを確立します。男女共同参画社会基本法の成立を受けて、東京、埼玉、北海道など各地で進められている男女共同参画条例づくりを支援し、各自治体での男女共同参画行動計画の策定と見直しを進めます。


4.国内外のネットワークを進めます

 国連特別総会の位置づけで6月に開催される2000年女性会議に向けて、党の取り組みを進めます。男女共同参画政策の先進諸国への調査を行います。男女共同ニュースの定期発行、国際婦人年連絡会、連合男女平等局をはじめとする各種女性団体、NPOグループとの連携を強めます。



6 積極的政党外交と国際交流の推進


1.地球規模の信頼と協力

 民主党は、「平和と共生の21世紀」の実現のため、米国やヨーロッパとはもちろんアジア諸国との友好交流と情報交換の取り組みをさらに強めていきます。特に、米国や欧州諸国、アジア諸国との率直な対話を促進すると同時に、インターネットの活用など迅速なネットワークの形成を促します。
 とりわけ、すべての紛争の原因が人間の誤解と偏見から生じている現状を捉え、かつその一方ではコンピュータネットワークを通じ世界中の国や国民が簡易に意思疎通ができるようになっている現実を見定めて、「情報平和主義」(情報による平和と信頼の創造)の実現を目指します。また、インターネットによる世界の人々とのコミュニケーションを強化する国際シンポジウムの実現をはかります。
 さらに、在外邦人に向けて民主党の情報を提供していきます。あわせて、民主党の海外支部設立に向け、情報収集と環境整備に取り組みます。


2.各国への交流団派遣

 民主党と価値観を共有し、民主主義を標榜する世界各国の政党・議員とのきめ細やかな交流を通じて信頼のネットワークを広げるとともに、環境、人権、安全保障、グローバル化など全人類の共通問題や改革に取り組みます。特に本年は各国の議員同士の相互交流、ワークショップの設置に努めます。
 また、世界各地の人々との対話を広げるために、各国の議会、研究機関、有識者との継続的な対話を求めていきます。とくに、米国との継続的な意見交換の場の創設を目指すとともに、英国労働党、ドイツ社会民主党関係者などとのより密接な交流の実現をめざします。また、ロシアとは、政府・議会・有識者との協力関係を築いていきます。
 昨年の社会主義インター(SI)理事会・21回大会に出席し調査したことを基礎に、党内で社会主義インターへの加盟を検討します。


3.アジアにおける交流促進

 アジアを重視する党の立場から、アジア太平洋の近隣諸国との信頼関係づくり、未来志向的な関係を築くことが重要であり、歴史認識の十分な理解を求める取り組みとともに、昨年の訪中団、訪朝団などに引き続いて、アジア太平洋諸国に代表団を派遣します。なかでも、朝鮮半島ならびに北東アジアの平和と安定のため、韓国の政府・議会・有識者との対話促進、日朝国交正常化交渉促進のための代表団派遣を推進します。


4.NGOとの協力強化・促進

 昨年のコソボ難民・避難民支援プロジェクトとボランティア派遣、東ティモールへの選挙監視団派遣の実績を今後に生かすため、国内・海外のNGO・NPOとの協力・交流を通じて、世界各国に起きている紛争や貧困、不平等、人権、環境、女性、安全保障問題、災害等に対応できる仕組みづくりを検討します。また、支援を必要としている地域に党として議員団やNGO・NPOの派遣に取り組みます。



7 NPO税制の確立に向けて


 NPO法が施行され1年が経過した12月現在で、法人格を取得した団体は全国で1000を越えました。全国各地で活動している数万を越える市民活動団体がNPOとして発展し、行政や企業と肩を並べる真に独立「非営利セクター」を形成するためには、NPO税制を核としたNPOの財源確保のための環境整備が不可欠です。そのためにNPO委員会として下記の取り組みを進めます。



1.2000年秋までというNPO法見直し付則を前倒しし、一刻も早いNPO税制の実現に向けて全力で取り組みを進めます。


2.公益寄付金税制を抜本的に改正し、税金の使い道について国民が自ら選択できる税制についての政策検討を進めます。


3.市民事業の発展と対等なパートナーシップの確立に向けて、行政の情報公開や政策評価、政策立案への市民参 画、事業領域拡大にむけた制度改革に取り組みます。


4.公益法人やその他の非営利法人全体を視野に入れた、準則主義に基づく新たな非営利法人制度の創設に向けて、政策検討を進めます。


5.全国各地域のNPOサポートセンターや連絡会との連携を強化しながら、市民活動団体のニーズ調査、民主党の提案に対するパブリックコメント募集など、開かれた双方向の意見交換と政策立案に務めます。民主党の地方組織における地域でのNPOやサポートセンターとの連携強化に向けた取り組みを支援します。




【4】 政権交代を実現する選挙体制の整備


1.選挙対策の基本方針


 民主党の国民政党としての幅広い基盤を生かし、各級選挙に勝利する体制を整備し、もって政権交代の実現をはかります。とりわけ、来る第42回衆議院総選挙に勝利することを最優先の課題と位置づけ、そのための体制整備に全力を傾注します(「衆議院選挙対策に関する基本方針」を別掲)。


2 具体的活動方針


 基本方針を実現するため、以下の具体的活動方針を着実に実行します。


1.地域における選挙体制の整備

 都道府県組織の統一の完了を踏まえ、党員および支援団体が一体となって活動する環境整備を進め、各地域において各級選挙を主体的に闘いぬくことのできる体制を構築します。


2.広域的な選挙体制の整備

 各地域を越えて各級党組織および支援団体が相互に連携する体制の確立・強化を進め、各級選挙に広域的に取組む体制を整備します。


3.支援団体との連携の強化

 各地域段階および全国段階において、支援団体との協議および共同行動を積み重ねることにより、支援団体との連携の強化をはかります。


4.状況に応じた選挙協力の実施

 各級選挙に勝利し党の基盤を強化するため、民主党の理念・政策を堅持しつつ、各級選挙において目的を同じくする政治勢力との選挙協力を必要に応じて展開します。


5.候補者擁立活動の強化

 党本部および都道府県連を中心として、各級選挙の候補者を積極的に発掘・擁立する活動を強化します。その際、男女共同参画の理念の下に、女性候補者の擁立を積極的に進めます。また、候補者の選考・擁立に関して、党員が幅広く関与できる体制を構築していきます。


6.各級選挙への支援体制の強化

 各級選挙に関し、党本部および各都道府県連は、候補者の擁立から個別選対の活動まで、各種の支援のメニュー化を進めつつ、その拡充・強化をはかります。


7.選挙に向けた広報活動の強化

 関係各部局との連携の下に、各級選挙を前提とした効果的かつ効率的な広報活動を推進します。とりわけ、利用しやすい選挙器材の作成および広報器材の迅速な配布体制の確立に努めます。また、国政選挙の在外投票制度に対応する広報活動を展開します。


8.全国選対責任者会議・実務者研修会の開催

 各級党組織の選挙対策責任者の認識の統一と意見の集約をはかるため、必要に応じて全国選対責任者会議を開催します。また、都道府県連を中心とする実務者の認識の統一と理解の徹底をはかるため、実務者研修会を随時開催します。


9.調査活動の実施

 選挙戦略の立案および候補者擁立の基礎資料とするため、各種の調査活動を実施します。



3 参議院通常選挙・都議会議員選挙等の準備活動の展開


 衆議院総選挙終了後直ちに、来年に行なわれる参議員通常選挙および都議会議員選挙の準備活動を開始し、選挙体制の整備を進めます。また、各級中間選挙への支援活動および衆参補欠選挙への全党的な取組みを行います。

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