小沢一郎代表は20日午後、党本部で定例の記者会見を開催し、村上ファンドをめぐるわが党の松井孝治議員の記者会見についてや、日本銀行の福井総裁の責任問題、陸上自衛隊のサマワ撤退をめぐる党首会談などについてコメントした。
この日の記者会見は、記者団からの質問に答える形で進められ、まず、松井議員の会見に関して小沢代表は、概略の報告は受けているとし、「(松井議員が)自分の行ってきた事実について、きちんと全てを皆さんの前でお話し、自分自身の姿勢もきちんと述べていると思う」とした上で、「反省しているところは反省しながらも、きちんとまた自分の職責を全うすると述べているので、詳細はいずれ機会があれば本人に聞きたいとは思っているが、党として処分云々ということは、今の時点で考えていない」などと述べた。
福井日銀総裁の責任問題については、小沢代表は、「国会議員の一人ということ以上に、遙かに大きな影響をもつポジションにある人だ」とした上で、投機ファンドとも言える村上ファンドに対し、「何らそういう性格を考えずに投資し続けたということは、その責任の重さから言っても、大変な不見識な問題だ」と述べた。そして、「自らその職責をきちんと認識し、その職責に照らして適切妥当な行為であったかどうか、自ら真剣に深刻に判断すべき問題だ」と指摘し、福井総裁の進退に関しては、「日銀総裁として非常に不見識な、問題のある行為だ」と繰り返し強調した。
イラク・サマワから陸上自衛隊を撤退させることに関しても記者団からは質問が相次ぎ、小沢代表はこれに対して、陸上自衛隊が撤退しても、航空自衛隊の輸送機が、「米軍その他の支援活動をやるという意味で、仕事の量の拡大以上に、その中身もけっこう質的に政府・与党が言っていた以上に、結果として踏み込んでいくものではないか」と指摘。「陸自の撤退を、小泉総理自身がショーアップするようなものでもなければ、実態もそうではない」と厳しい口調で語った。
また、小泉首相との党首会談への出席を断ったことについても、「以前にも何度か、党首会談をするというので呼び出されて行ったことはある」が、「意見を言ったからといって、全然参考にするわけでもない、尊重するわけでもない」とし、「ただそういう形をとったという、形を残そうというだけの話」だけであり、「責任の所在をむしろ不明確にする、わが国の慣例、手法だ」と批判を加えた。小沢代表は更に、イラク戦争の開戦の際も、「その時の雰囲気で考えると、その程度の話」だったとして、「(会談の)内容においても(会談の)もたれ方についても、問題があると以前から言っていた」ことを強調した。
そして、「今回はそれにかてて加えて、国民新党や新党日本に声をかけず、呼ばない」事実があるとし、「よほど気に入らないということは想像がつく」が、自分が気に入らないからといって、わずかであっても議席を持っている政党を無視するやり方について、「自分本位の勝手気ままなやり方がまかり通るのでは、日本の政治のあり方に危険な、悪い影響をもつものだ」と指摘。「こういうやり方を許容すべきではない」、「糾弾・指弾されるべきいい加減なやり方だ」と厳しい口調で批判を重ねた。イラクへの自衛隊派遣の是非についても小沢代表は質問に答え、「私は最初から反対だ」とし、「国連のきちんとした行動であれば別だが、アメリカが始めた戦争に協力する余地はない」ことを強調した。
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