菅直人代表代行は12日午後、衆議院決算行政監視委員会での質疑を終え、国会内の委員会室前で記者団の質問に答えた。この中で菅代表代行は、小泉首相の任期中最後の質問であったが、相変わらずの論点のすり替えが残念だったなどと所感を述べた。
記者団から、まず、小泉首相の任期中最後の質問となったことについて問われた菅代表代行は、委員会での質疑が24回目になることを改めて指摘しつつ、「ご苦労を多とする」ものの、「質疑そのものは、やはり従来とあまり変わらない」と厳しく指摘。「論点をすり替えるようなやり方をとったのは、残念だった」と苦言を呈した。靖国神社参拝問題についても、5年前の自民党総裁選で、小泉首相が国民や党員に公約したことは「誰の目からも明らか」であるにも関わらず、公約したわけではない、マスコミの質問に答えただけだ、などと首相が強弁したことを批判。「本当に誰が見てもおかしな逃げ方というのは、最後の質疑としては残念だ」と述べた。同時に菅代表代行は、「ある意味ではマスコミが問われている」として、これまでの報道のあり方についても指摘を行った。
いわゆるポスト小泉の各大臣に質問を繰り出したことについても問われた菅代表代行は、その答弁を「全般に曖昧だ」と厳しく指摘。持論を堂々と国民に訴えず、首相に配慮しながらの答弁ぶりに苦言を呈した。更に菅代表代行は、財政再建問題や関連する税制の問題が、次期首相に「誰がなっても最大の課題」だとし、「もう少し国民に対して、はっきりした意見を言って欲しかった」と述べた。
菅代表代行は更に、2003年の質疑で小泉首相が、約束を守らないことなど大したことではないと答弁したことを挙げ、「これがやはり小泉さんの本音だろう」と指摘。これまでの質疑を改めて振り返り、「本音が出た場面が幾つかあったが、多くははぐらかしで、いわば強弁をする」とし、「論理は全く通っていないが、繰り返し繰り返し、大きな声で言うことで時間を埋めてしまって、何か言い切ったような雰囲気だけ与える」と、小泉首相の答弁ぶりを批判した。
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