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2006/09/07
鳩山幹事長、世界宗教者平和会議ベントレー事務総長と面談
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 鳩山由紀夫幹事長は7日、党本部で世界宗教者平和会議(WCRP)のベントレー事務総長を迎え、8月26〜29日の4日間、京都で開かれた世界宗教者平和会議(WCRP)の第8回世界大会について意見を交わした。同大会には世界100カ国・地域から約2000人の宗教指導者が集まり、地域・宗教紛争や貧困、環境問題の解決に向けた宗教が果たすべき役割などについて話し合われた。

 面談には国際局副局長の平岡秀夫衆議院議員、藤田幸久前衆議院議員も同席した。

 冒頭、鳩山幹事長は会議の大会の開催と成果に祝意を示したうえで、会議出席のために来日予定だった北朝鮮の6人に対し、法務省が入国を拒否した問題に言及。「日本の政府が必ずしもWCRPの思いに応えることができなかったことが残念。平和を考える会だからこそ来られることに意味があった。入国を拒まれるのは極めて残念だった」と語り、政府間交渉が硬直化している状況下にあってはなお更、こうした機会を重視すべきだったとの認識を示した。

 ベントレー事務総長はWCRPの活動に関連して、「日本にとって文化外交の中心的役割を果たせるいい機会。日本がソフトパワーを活かすいい機会だ」と指摘。WCRPの活動趣旨はそれぞれの宗教の勢力拡大ではなく、紛争の解決や地球環境の保護などを具体的に推し進めて行くために宗教間の協力関係の構築を目指すものであるとの説明があった。

 また、オランダ、ノルウェイ、フォンランド、スウェーデン、ドイツなどではそうしたWCRPの活動を理解し、宗教が関わる開発援助等に対して、政府として財政支援を行っていることにもベントレー事務総長は明らかにし、紛争解決へ向けた宗教協力による具体的なプロジェクトへの各国政府の関与の重要性を指摘した。

 ベントレー事務総長は続いて、宗教間対立が一層深まっているイラクのシーア派・スンニ派それぞれの代表者の会議出席も実現したとして、自衛隊派遣など日本政府が「援助」という名でイラクに拠出した金額に比べれば、0・002%の金額で意味のある話し合いの場を提供できたとした。「少ないお金でインパクトのある活動ができるわけだ。こうしたことが世界のメディアで発信されれば、日本のソフトパワーの存在は先進国のなかにも影響を及ぼすことができるようになるのではないか」との問題提起もあった。

 さらには、イスラエル・パレスチナ紛争中の和平プロセスの一部として1993年にイスラエル政府とパレスチナ解放機構の間で協定されたオスロ合意にも言及があり、「このときは世俗的な要素だけで和平をもたらそうとして、宗教的な要素は無視をしてしまった。宗教的な要素を取り込まなければ問題の解決にはならない」とベントレー事務総長は主張した。同時に、ブッシュ米国大統領が繰り返し口にする「テロに対する戦争」という表現自体が不適切だとして、宗教間の対応を考慮すべきだとの指摘があった。

 鳩山幹事長は「ソフトパワーを発揮していくことこそがまさに日本が生きる道だと感じた」との認識が改めて示された。しかし、日本政府は非武装である日本としては人間による安全保障の道を追及すると主張してはいるが、実際には「物を配ることがソフトパワー」と誤解しているふしがあると分析。仏教国と言われながら多宗教の融合が成り立っている日本の文化の特性を活かし、宗教者が一堂に会して協議できるような場の提供を日本がリードして進めていくことに尽力すべきだとの認識を示した。同時に、宗教者主導の開発援助への支援に難色を示す日本政府に対して、日本がなすべき本来の貢献に向けた道筋をつけるため、民主党としては力をつけていきたいと鳩山幹事長は表明した。

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