15日午後、岐阜県庁において、菅直人代表代行、渡辺周『次の内閣』ネクスト総務大臣を中心とする総務部門担当議員および岐阜県連議員は、県職員組合委員長および県知事などから、不正資金問題の解明に向けてヒアリングを行った。
党本部から寺田学衆院議員、内藤正光、那谷屋正義両参院議員が、岐阜県連からは園田康博衆院議員(県連代表)、山下八洲夫、平田健二両参院議員および伊藤、市川、林の各県議が、ヒアリングに参加した。
前段は、三浦県職組委員長よりヒアリングが行われた。冒頭に、渡辺ネクスト総務大臣が、民主党は地方分権を旗印にしているが、税源の移譲を進めるにあたっても自治体の信頼性が問われており、この点を検証するためにも岐阜県の不正資金問題について調査したいと述べた。委員長からは、不正資金を労組が受け入れた経過の率直な報告があり、また早急に組合から県に全額を返還するとともに、責任者から組合に返還を求めていくとの方針が説明された。また委員長は、今後は労使対等の関係を築いて馴れ合いをなくしていかなければならないと述べた。
後段は、古田岐阜県知事および県の設けた第三者組織検討委員会委員の山田弁護士よりヒアリングが行われた。冒頭、菅代表代行が、梶原前知事の知事会長としての活動に注目していたが、その頃から不正資金が存在したことは、自治体への信頼性を失わせ、地方分権の流れに反することになると述べた。知事は、第一段階で内部調査、第二段階で外部調査、第三段階で再発防止という対応をしていると説明するとともに、従来の組織の風土に問題があり、またあるものをないとした初期段階の幹部の責任は重いと述べた。そして、責任者の刑事告発や公職からの退任を行い、資金の全額返還を進め、今後、透明度の高い県政を目指すと語った。
山田弁護士は、平成7年から同9年にかけて全国の自治体で不正資金問題が明るみに出たときに、岐阜県では過去の不正資金を隠蔽する方向に走り、返還や責任追及を困難にしたとし、梶原前知事および森元元副知事には重大な責任があるとの考えを示した。ここで菅代表代行は、梶原前知事は不正資金問題を知っていたのではないか、もし知らなかったとしてもその立場上は知る責任があると指摘。前知事の行為は背任にあたるのではないか、県に対して疑惑がある以上は刑事告発すべきだと強く提案した。
ヒアリング後、菅代表代行は記者団の質問に答え、森元元副知事が現に参院議員として総務委員会に所属していることについて、国会でも県会でも話を聞きたいとの考えを表明した。また県連の伊藤幹事長は、今後の経緯によっては県会に100条委員会を設置することも考えると述べた。
さらに菅代表代行は、竹中総務大臣の辞任について「小泉改革を進めた張本人が、その結果を見届けずに国会から去るのは、政治家としてこれほど無責任なことはない」などと批判した。
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