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2006/10/02
【衆院本会議】松本政調会長、再・再質問重ね首相の政治認識追及
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 衆議院本会議において2日、安倍首相の所信表明演説に対する質疑が行われ、民主党・無所属クラブを代表して、党政調会長の松本剛明議員が鳩山由紀夫幹事長に続いて、代表質問を行った。

 冒頭、所信表明について、「違和感を覚えた。私たちの実感からかけ離れている」と指摘。「生活」や「暮らし」といった言葉もあまりないその政治姿勢に疑問を呈し、本来の政治の役割はまじめに働く人々が報われる安定した社会をつくることにあると改めて指摘した。

 同時に松本政調会長は、所得税・住民税の配偶者特米控除上乗せ部分廃止、公的年金等控除の縮小、老年者公序廃止、酒税・たばこ税引き上げ、定率減税全廃などの毎年続く増税や、医療・年金・介護保険の自己負担増などを列挙。取りやすい所から取る自民党政治によって国民は悲鳴を上げている実態を明らかにし、そうした認識に立って質問を行った。

【税財政】
 危機的状況にある日本の財政については「放漫財政で国民に大きな借りをつくったことを政権党としてよく反省してほしい。利権・談合・天下りを許してきた自民党に返済してもらいたいくらいだ」と語ったうえで、天下りの問題に言及。野党である民主党が把握する限りでも平成17年度予算ベースでおよそ3000団体2万人、補助金・委託金・随意契約の合計で5兆円超に達していることを明らかにした。また、立件が困難な口利き行為の形式的な禁止と引き換えに、ただでさえ不十分な現行の天下りの2年間禁止措置を撤廃しようとしている前内閣の担当相案を問題視し、「この愚策を採用するか否か」と迫った。 首相は、「前大臣からいただいた提案を踏まえ、公務員制度改革全体の中で改革案を協議していく」などとするだけで明確な答弁を回避。再質問、再々質問に対しても、徹底して回避した。

 また、所信表明演説では終始、「逃げず、逃げこまずという姿勢」などと発言するだけでその方向性が見えなかった消費税の問題について松本政調会長は、「よくわからなかった」としたうえで、消費税は来秋から議論するとしている安倍首相の発言の真意についても質問。「消費税をあげるつもりはあるのか、選挙までは国民に言わず、選挙後に増税というのであれば、伝統的な自民党の常套手段といえるがどうか」と指摘し、答弁を求めた。

 首相は「19年度予算の歳出削減の状況、来年7月に判明する18年度予算の状況、医療制度改革を踏まえた社会保障制度の実績等を踏まえて見るいく」と答弁。この点に関する松本政調会長の再質問、再々質問に対しても同様の答弁を執拗に繰り返すだけだった。

【年金】
 国民が強い関心と不安を抱いている社会保障についても取り上げ、「年金は高齢者の経済的な基盤であり、まず年金を安定させたうえで、保険料や窓口負担を含めた医療や福祉制度について議論していかなければならない」と改めて指摘。あわせて、「所得代替率50%は必ず守る」と国民に約束し、2年前に100年安心プランと主張し、政府が強行採決に踏み切った年金制度がすでに破綻している現実を踏まえ、本年4月に閣議決定した被用者年金一元化やこの「100年安心プラン」だけでよしとするのか、首相に答弁を求めた。同時に、社会保険庁改革に関して、看板の架け替えにすぎない「ねんきん事業機構法案」の撤廃を松本政調会長は要請。どう改革するつもりか、首相の考えを質した。

 首相は「今回の法案が解体的出直しにふさわしいものであるかどうか、国会で改めて十分な議論をしていく」などと答弁した。


【農業政策】
 農業政策については、課題の第一は農業の衰退にあるとの認識を松本政調会長は示したうえで、「昭和35年からGDPに占める農業生産のシェア、作付面積、農業就業者数のいずれもが激減し、食料自給率は約8割から4割まで落ちた。多額な税金が投入されて効果はマイナス。国民のお金を無駄にした」と述べ、自民党によるバラマキ政治の結果責任が問われと指摘した。そのうえで、地域経済を支え、地域社会を構成し、地域の環境を守り、国民に安全な食料を提供する、といった持続可能な農業の実現を目指して、民主党は「農林漁業再生基本法案」を先の国会で提出したと表明。自民党が無駄遣いの限りを尽くしてきた農業土木予算の一部と従来の生産調整関係予算の組み替えだけで、米・麦・大豆など自給率向上に役立つ農産物生産農家の所得補償を可能にするとことを明らかにした。

【外交・安全保障】
 日米同盟については、「国安全保障の機軸として極めて重要であり、日米両国は相互信頼に基づく対等な関係を確立すべきと考える」と語ったうえで松本政調会長は、実態は「有事のリスクは米国、平時のコストは日本」という非対称的な構造となり、日本側のコストが過剰になり、地球規模の米軍の下請けになっていると指摘。そうした見方に基づき、米軍再編に伴う予算について具体的に示すよう、首相に要請。同時に、集団的自衛権について「個別具体的な例に即し、よく研究する」としている首相の認識について、これまでの政府解釈・答弁を踏襲することになるのか否か明確な回答を求めたが、「国際情勢の変化、武器技術の進歩、わが国の国際貢献に対する期待の高まりを踏まえ、日米同盟がより効果的に機能するか等の議論をを踏まえ、個別具体的に検討して行く」との認識を示すに留まった。

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