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2006/10/03
【参院本会議】伊藤議員、国政全般にわたり首相の見解質す
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 3日午前、参院本会議において、安倍首相の所信表明に対して伊藤基隆参院議員が代表質問を行い、国政の主要な課題全般について首相の見解を質した。これに対して安倍首相は、抽象的であいまいな答弁に終始した。

 伊藤議員は質問の冒頭で、安倍新首相について、「岸元首相の孫で、安倍元外相を父に持つ名門中の名門」であり「スマートな容姿で戦後最年少」とし、民主党の小沢一郎代表が「政治生活37年」の経験を持つ「識見に富む政治家」であることと対比して、「自民党が見た目を重視するならば、民主党は中身で勝負する」と述べた。
 
 そして伊藤議員は、安倍政権が小泉政治を引き継いで誕生した経緯を踏まえ、バブル崩壊から脱しながらも格差の拡大を招いているという小泉構造改革の光と影が明らかになってきている中で、安倍首相が小泉前首相の路線をどう引き継ぐのかと問題を提起した。これに対して首相は、対応策として「地方支援プログラム」や「再チャレンジ支援プログラム」を例示しつつ、改革を継続するとの抽象的な答弁を行うのみであった。
 
 伊藤議員は、皇室典範改正問題を取り上げ、男子皇孫の誕生は喜びつつ、安定した皇位継承のための皇室典範改正に官房長官としてかかわった首相の見解を質した。首相は、安定的な皇位継承のため議論を重ねる必要があるとのみ答弁した。
 
 伊藤議員は、憲法改正問題を取り上げ、総裁選用選挙政策では憲法改正に触れながら、自公連立政権合意では一切触れていないという矛盾を衝き、首相の姿勢を質した。首相は、「現行憲法は占領下で制定されたもので、60年を経過しており、現状にそぐわない」と述べ、自分たちの手で憲法を書き改める必要があると答弁した。

 伊藤議員は、憲法9条の下では集団的自衛権は認められないとの歴代内閣の見解を指摘した上で、この見直しを行う方針を打ち出している首相に対して、憲法解釈の変更または憲法改正のいずれで臨もうとしているのかを質した。首相は、何が集団的自衛権の行使に当たるのかを具体的に検討するとのみ答弁した。

 伊藤議員は、靖国神社参拝および歴史認識の問題を取り上げ、日中・日韓首脳会談の開催への努力を含めて、首相の見解を質した。首相は、今年の小泉元首相の参拝問題の是非には触れず、国のために倒れた人に尊崇の念を持ち続けたいとのみ答弁し、また首脳会談の扉は開かれているとしつつ、歴史認識に関する過去の総理談話を引用するのみの答弁を行った。

 伊藤議員は、国民の間の格差の拡大を具体的に指摘し、格差拡大問題に対する首相の考え方を質すとともに、ワーキング・プアを生む非正規雇用の増大問題、製造現場における偽装請負問題についても首相の対応方針を質した。首相は、格差拡大については総合的な再チャレンジ政策を行うとのみ答弁し、非正規雇用についてはフリーター削減計画で、偽装請負については指導監督の強化で対応すると答弁した。

 伊藤議員は、税財政問題を取り上げ、財政再建の中で財源が不足するといわれている部分への対応と消費税引き上げ予定について首相の考えを質した。首相は、予算や決算などを見渡して来年秋以降に税制についての本格的な議論を始めるとし、消費税については抜本的な税制改革の中で議論していくとのみ答弁した。

 伊藤議員は、教育改革のあり方、地方分権のあり方、郵政民営化により国民の利便性が低下するおそれと公的金融機関の必要性について取り上げ、首相の見解を質したが、首相は地方分権推進に関する法律の内容はまだ述べられないなどと通り一遍の答弁を行うのみであった。

 伊藤議員は、イラク問題と米軍再編問題を取り上げ、フセイン政権の大量破壊兵器疑惑などが虚偽であったとの米国議会の報告書を引いて、言われるままにアメリカの対イラク戦争を支持した日本政府の失策を指摘し、また航空自衛隊の撤収時期を問い、さらに米軍再編への日本側負担問題などについて質した。首相は、当時はイラクに大量破壊兵器があると信じる相当の理由があったと述べるとともに、航空自衛隊の撤退時期については状況を見て適切に判断するとし、米軍再編に関する日本側負担については検討中であるとのみ答弁した。

 伊藤議員は、加藤紘一衆院議員の自宅への放火は言論を封殺するものであるとして厳しく批判するとともに、小泉政権の間に生じた「ゆがみ」に対して「苦しい立場の人」の立場に立って対応すべきだと主張した。これに対して首相は、全ての国民の期待に応えて政治を進めるとの抽象的な答弁で応えた。

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