2006年10月25日
民主党政策調査会長 松本 剛明
昨日、厚生労働省は、障害者自立支援法の実施状況について公表したが、その内容は、日々の地元活動の中において障害者福祉の現場を我々が回る中で見聞きする状況とかけ離れたものであった。
詳細に内容を確認したところ、本来社会調査を実施するには、調査項目・調査方法を正確に設定した上で、誤りのないように調査し、集計を行わなければならないにもかかわらず、今回厚生労働省が提出した資料は、各自治体が取りまとめた様々な調査結果を集約したに過ぎず、その結果は実態を映し出しているとは言えない。
また、効果については誇大に、悪影響については過小な評価を与える表現が随所に見られ、厚生労働省としての意図が明らかである。
民主党がヒアリングを実施した際に、障害者自立支援法施行前後の変化を評価するための資料とはならないと厚生労働省も認めている。政府は、速やかに正確な調査を実施し、法制定によって意図した地域間格差の解消が達成されているのか、負担の増加によるサービス抑制が発生していないかを、自ら立証すべきである。
民主党は、今回厚生労働省が取りまとめたという26都道府県の全てのデータの提出を求め、発表の妥当性について検証を進めるとともに、実態把握のため全国的にきちんとした調査を行うよう、引き続き要求してゆく。
併せて、障害当事者からの意見を踏まえわが党が国会に提出した「障害者自立支援法改正案」の審議と自立支援法の見直しを早急に行うことを政府・与党に対し求めていく。
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