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2006/10/26
【衆院憲法特】国民投票法案審議入り 古川議員質疑行う
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 衆議院憲法調査特別委員会が26日開かれ、先の通常国会に民主党と与党がそれぞれ提出し継続審議となった憲法改正の手続きを定める国民投票法案の審議が行われた。民主党案について提出者を代表して同委員会理事の園田康博議員が提案理由を説明するとともに、筆頭理事の枝野幸男議員、委員の鈴木克昌議員、小川淳也議員らが答弁に立った。

 民主党・無所属クラブを代表して質問に立った古川元久議員は冒頭、国民投票法案に対する理解・認識はまだ深まっていないとの見方を示したうえで、中身の議論に入る前段として、質疑を通して法律のもつ意味・性格について明らかにしていきたいと前置き。そのうえで、日本国憲法が立脚している国民主権原理は、「憲法の改正は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が発議し、国民に提案してその承認を経なければならない」とした憲法第96条で規定されていると説明。この意味において、国民投票法案は国民主権原理をいかに実質的に機能させるかという観点から検討され、定められなければならないと古川議員は指摘した。

 そのうえで「憲法を変えるも変えないも主権者である国民が実質的かつ最終的に判断すべきであり、そのために言論の機会を保障し、国民の意思を的確に反映させることこそが、国民投票法制の制度設計の基本」と主張。民主党案の基本的な立場は、主権者である国民の議論を通じて自らの憲法を選びとるための中立公正なルール設定のための法案であると重ねて述べた。

 古川議員は憲法改正の必要性についてどう考えるか質問。それに対して民主党案の説明に立った枝野議員は「民主党は現時点では憲法を改正するかしないか具体的決定をしていない」と明言し、民主党は憲法の在り方を一から議論し、それに基づいて憲法提言を提議し、国民との対話集会を続けていると答弁。抽象的・一般的な変える・変えないとの議論から脱却し、最終的には憲法は国民が主体的に変えるものという性質に基づき、国会議員は発議権者として問題点、議論すべき点を整理して国民に示し、議論を喚起するという役割を果たして行くとした。当面は国民との対話を重ねていく考えを重ねて示した。

 なぜ今、国民投票法案が必要と考えるかとの古川議員の問いには、園田議員が「最終的な決定権は国民にある。その原点を忘れてはならない」と改めて述べたうえで、憲法が制定されたときから憲法手続法は制定されなければならないものだったと指摘。議論そのものがタブー視されてきた不幸な歴史もあると述べ、制定に向けては立法府もしっかりと議論しなければならないとの考えを示した。憲法改正に向けた具体的内容ではなく、手続法としての国民制定権の回復のためのものであるとし、「改正とは切り離した冷静な議論を行い、中立かつ公正な制度としていく」述べた。

 憲法改正のために国民投票法制定を急いでいるのではないかとの国民の疑念はどう払拭するかとの問いには、枝野議員が「率直に謙虚に受け止めていかなければならないと思う」と答弁。そのうえで、丁寧な説明を行っていく必要性を指摘するとともに、国会の多数が憲法改正だと主張したとしても、この制度によって国民による否決が可能となると指摘。「国民のみなさんが否決する、決める権限を具体化する制度」だとした。

 続いて古川議員は、憲法9条と環境権等の取り扱いをめぐって、一括改正案が発議されてしまうのではないかとの国民の見方に民主党案はどう対処するのかを質した。

 答弁に立った小川議員は改正案の発議方式について、できるだけ民意を的確に反映して行く必要があると考えていると表明。安全保障に関する規定、環境権の規定など、性格の異なるものを一括して議論することは好ましくないとの立場に立って、その原則を法案のなかに明記したと答えた。何が一括で、何が個別なのかの判断については、「一方ではできるだけ個別に、その一方では投票の簡便化を図り、憲法の内容や体制そのものが矛盾があってもならない。そうした点を勘案して、国会によって判断していく」とした。

 古川議員は重ねて、公正中立な制度をつくるという自覚に立った委員会における真摯な議論な議論を求め、質問を終えた。

関連URL
  国民投票法案の提出について(談話)
 http://www.dpj.or.jp/news/?num=589
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