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2006/06/16
「重要法案に総理は無関心そのもの」国会閉会にあたって小沢代表
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 小沢一郎代表は16日、訪問先の高知県で平野貞夫県連代表とともに会見を行った。
 
 会見は記者からの質問に答える形で進められ、冒頭、民主党推薦で立候補し、新緑風会の広田一参議院議員のほか党所属国会議員・県会議員ともにいない高知県の現状をどう見るか問われたのに対しては、「それなりに大きな影響があると思っている」としたが、一方において同日行われた各分野の方々と意見交換を通しての印象を踏まえ、「今日の自民党・小泉政権に対する非常に大きな批判と現状打開を何としても(行って欲しい)という声を強く感じた」と説明。民主党がそうした声に応えられるような主張を届けることによって、高知県の県民の皆さんの支持を得ることができると確信しているとの認識を示した。

 商工会議所や建築業協会といった、いわゆる自民党支持基盤といわれる団体ではどういう小泉批判があったかとの問いには、「小泉政治の批判と言うと語弊がある」と前置きし、そもそも農業も漁業も大変な状況にあると指摘。このままの農林漁業政策を続けていたら、農業も漁業も、そして地域社会全体が本当に崩壊してしまう、そうした強い危機意識が共通して示されたことを小沢代表は明らかにした。同時に、自民党支持基盤という指摘については、「私の認識では既にそういうイメージで見ていない」と表明。本当に自民党支持基盤であれば、自民獲得票はもっと増えるはずだとして、「今までのしがらみを断ち切るまでには至っていないという状況であろう」と分析した。「現状に対する不満と批判、そして将来に対する不安、自民党に投票している人のほとんどが共通して持っているものだと私は認識している」と重ねて語り、それに対して民主党がきちんとしたメッセージを伝えることができるかどうかが、われわれ自身の最大の問題であるとも表明した。

 来年の参院選における高知県の公認候補選定については、「県連を中心に、各方面と意見交換しながら懸命にその作業を進めていると聞いている」と回答。平野県連代表は「物理的に6月中を目標にしたが、慎重な協議を行っており、6月を過ぎる可能性が出てきている」と述べ、小沢代表は「3県勝利をめざしてがんばりたい」として四国4県中3県での勝利をめざす意向に変更がないことを改めて明らかにした。

 同日、衆参両院の本会議で継続審議の手続きを行い、18日の会期末を前に第164通常国会が事実上閉会したのを受けて、小泉政権をどう総括するか問われたのに対しては、「俗に重要法案と政府与党が言っているなかで、無理やり押し通したのは結局、医療制度改革関連法だけだが、これは何ら創造的・建設的なものではなく、国民のみなさんの負担をむしろ重くするもの」と指摘。終盤国会となって提出された教育基本法改正案や共謀罪などの重要法案は軒並み継続審議となったことに関しては、「あっさりとまったく無関心そのものに総理は国会を閉会した」と述べ、そうした姿勢は小泉政権の5年間を象徴するものだと思うとした。
 
 また、民主党の今国会における対応に関連しては、「時代が戦後の半世紀から大きく、世界的、歴史的な変化をとげる時代に遭遇している」との認識を示すとともに、「旧来から行われてきた役所にすべて丸投げする、行政・役所ペースの政府・自民党の政治では、国民の不安や不満は解消されない」とも指摘。政治のしくみを新しい時代に沿って抜本的に作り直さなければならないとも主張し、「そうした視点で鮮明な(与党との)対立軸を掲げることが大事だと考えているが、民主党内でもそういう理解が深まってきている」と語った。

 国と地方という関係で見た場合、今後の民主党は地方をどう捕らえ、鮮明な対立軸として打ち出していくのかとの問いには、「地方の時代、地方分権、地域の発展などと言うが、旧来の中央集権の統治機構、行政の機構、これらの延長線上では決して地方の時代は何年たっても来ないと思う」と強調。小泉政治はそれにさらに拍車をかけて、中央にすべてのものを集め、中央での力の支配を是認する政策をとっているとも分析し、「明治以来の中央集権的な統治のしくみを変える。地域社会のことは地域にお金も権限もぜんぶ移譲し、国は外交、社会保障、治安維持、医療などの基礎的に国が担うべきものだけに専念する。そういう国のしくみを作り変えないとこの問題は解決しない」と従来から主張している持論を展開してみせた。「まずは国そのもののしくみを国土全体に行き渡るようなしくみに変えていくことが先決だと思う。革命的な変革なので、私どもが政権をとって命がけでやらなければできない問題。自民党・公明党の政権では100年たっても200年たってもできっこない。それを国民のみなさんには具体的な事例を出して訴えていきたい」とも述べた。

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