2日午後、衆議院安全保障委員会が開かれ、防衛庁の省昇格法案の審議に伴い、防衛施設庁の官製談合問題の検証に関する質疑を神風英男、長島昭久、前田雄吉各議員が行った。
はじめに神風議員が「官製談合は昭和50年代からある。この根深い隠蔽体質を変えなければ新しい防衛庁を作ることは出来ない」と防衛庁のあり方について指摘した。
また「平成16年度に施設庁が発注した建設工事の平均落札率と調査対象となった談合事案の落札率はほぼ同じである。言い換えれば全ての発注が談合ではないか」と指摘。
さらに一連の談合事案以降、落札率が約7%も下がったことから、神風議員は「適正な入札が行われていれば、どれ位の額が損失しなかったか。税金の無駄になったと思わないか」と久間防衛庁長官に質した。
久間長官は「落札率と談合との因果関係は無いと考える。あまりにも落札率が低い場合、それで良いとは考えない」と認識が希薄な答弁だった。
続いて長島議員が談合事案にかかる本庁の責任について問いただした。
「本庁は1会計監査の担当、2防衛参事官は施設庁長官を補佐、3施設庁の主要ポストは本庁出身者である―ことから、施設庁との間で人事交流が盛んに行われていた背景を考えると本庁の責任は極めて重いものである」と久間長官に質問した。
これに対し久間長官は「内局は施設庁に対して指揮監督の権限は無かった。限界はあった」と当事者意識が欠落した答弁となった。
さらに前田議員が「防衛庁が省になることは、今まで以上に責任を持ち厳粛な組織とすることが必要。この談合問題に十分なけじめをつけなければならない」と述べた。
また今回の事案につき84人の処分が行われたことに対し前田議員は「厳正な処分を具体的にどのように行ったのか。処分は過去に遡って行われたか」と質問した。北原施設庁長官は「現職のみに対し、自衛隊法に基づいて処分を行い、今後の信頼回復のために努めていきたいと思う」と述べるに留まった。
最後に前田議員は「官製談合の最大の被害者は国民である。国民に対して納得がいく対応を行わなければならない」と締め括った。
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